| 正直、勝手にAirTagを取り付けられた場合、それを発見するのはけっこう難しい |
なんらかの対策を講じないとこの手口はけっこう広がりそう
さて、リレーアタックやCANインベーダーなど盗難の手口が多様化している今日このごろですが、今回はカナダのヨーク地方警察が、アップルの「AirTag」が高級車の盗難に利用されていると警告。
AirTagは鍵などの小物やバッグに取り付けておくと、その所在地を知らせてくれるという非常に便利なシロモノですが、これまでにも常々ストーカー行為などの悪質な目的にも使用されていることが報じられていたわけですね。
すでにAirTagを使用した窃盗は5件も発生
そして今回ヨーク地方警察の自動車・貨物窃盗課が発表した内容によると、「容疑者がAirTag含む追跡装置を高級車に取り付け、後に保管場所を突き止めて盗むという事件を5件調査した」とのこと。※AirTagのほか、ギャラクシー・スマートタグ、Tileも悪用されている
これら追跡装置については、窃盗グループの手によって、ショッピングモールや食料品店などの公共の場に駐車している対象車両の「目立たない場所に取り付けられて」おり、これによって所有者の自宅を突き止め、所有者が活動を停止するであろう夜、もしくは留守まで待ってクルマを盗んでいる、と報じられています。
なお、AirTag含む追跡装置については、クルマを離れている際に「取り付けられる」のを防ぐことは困難であり、正直言うと防ぎようがないのもまた事実。
ちなみにAirTagには、自身の身の回りに(自分のものではない)AirTagがあれば(音を鳴らしたりiPhone上に表示してくれたり)警告してくれる機能がありますが、これは音が出ないように改造されていたりiPhoneを持っていないと通知に気づきませんし、仮にiPhoneを持っていて通知が来たとしても何のことかわからずに放っておく可能性もありそうです。
結局は「自衛」しかない
とにかくAirTag含む追跡装置を取り付けられてしまい自宅を突き止められると「もうどうしようもない」わけで、ヨーク地方警察では「クルマを定期的に点検し、不審物に気づいたら当局に連絡すること」「鍵のかかったガレージにクルマを保管すること」「ハンドルやデータポートのロックをすること」を呼びかけており、しかしいったん目をつけられてしまったらもう打つ手がないようにも思えます。
もし(自分のものではない)AirTagを発見した場合、通報によって購入者を割り出し犯人を特定することは可能かもしれませんが、その間にクルマを盗まれてしまえば一巻の終わりですし、犯人がひとつの組織だったりすると情報がすでに他のところに漏れている可能性もあり、非常に困ったことになりそうですね。
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