| これまたとんでもない価値を持つ歴史的名車が誕生したようだ |
これだけ自分の想いをクルマに反映させることができたならば、さぞや楽しいことだろう
さて、パガーニ・ウアイラ・エルメス、ブガッティ・シロン・エルメス、マクラーレン・スピードテール・エルメスなど「ワンオフ」のスーパーカーやハイパーカーを多数所有する米大富豪、マニー・コシュビン氏。
同氏はメルセデス・ベンツSLRマクラーレンの大ファンで、先日も「9台目の」SLRマクラーレンを購入したばかりです。
そして今回同氏が明かしたのが、「そのうちの一台が、マクラーレンのパーソナリゼーション部門、MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)により、メルセデス・ベンツSLRヘリテージ・エディションとして生まれ変わった」ということ。
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なぜそこまでメルセデス・ベンツSLRマクラーレンを?
いかに同氏がリッチといえど、9台も(SLRマクラーレン・ロードスター含め)所有するというのは尋常ではなく、しかし同氏いわく、メルセデス・ベンツSLRマクラーレンの「ロングノーズ」の美しさに惹かれているといい、たしかにこれはミドシップスポーツ全盛の現代ではなかなかお目にかかれないデザインだと言えるかもしれません。
なお、メルセデス・ベンツSLRマクラーレンは、1955年にモータースポーツで活躍した300SLRの再来をイメージし、2003年のフランクフルト・モーターショーにて発表されたスーパーカーで、当時メルセデス・ベンツ、そして(F1参戦における当時の)パートナーであったマクラーレンとが共同にて開発したクルマです(さらにルーツを遡ると、1999年のビジョンSLRコンセプトにまでたどり着く)※下の画像は通常バージョンのメルセデス・ベンツSLRマクラーレン
搭載されるエンジンは専用に開発された5.4リッターV8(スーパーチャージャーにて加給)で出力は626馬力、0−100km/h加速は3.8秒。※日本での販売価格は5985万円に設定されていた
バリエーションとしてはクーペとロードスターの他、「SLR722エディション」「SLR722エディション・ロードスター」「SLRスターリング・モス」、さらにはマクラーレンがカスタムしたSLR722エディション・バイMSO」といったものがありますが、マニー・コシュビン氏は「SLRスターリング・モス」「SLR722エディション・バイMSO」には興味がないようですね(同氏の財力があれば、買えないものはない)。
なぜマクラーレンがメルセデス・ベンツをカスタム?
そこでなぜメルセデス・ベンツSLRマクラーレンを「マクラーレンが」カスタムするのかということですが、これは文字通りマクラーレンが設計の多くや製造を担当したため。
上述の通り、もともとはメルセデス・ベンツのデザイナー、ゴードン・ワグナー氏が考案した1999年のビジョンSLRコンセプト(下の画像)に端を発する企画ではあるものの、その後開発がマクラーレンとゴードン・マレーへと引き渡されることとなっています(ゴードン・マレーは市販化に際し、主に空力的観点からエンジン搭載位置を変更して車体のバランスを整えたり、外観だとテールランプをフラットに、そしてサイドギル追加、さらにはディフューザーの追加やノーズ形状の変更も行い、サイドのラインも優雅な曲線からウェッジシェイプにしてヒップアップを行っている)。
なお、マクラーレンはメルセデス・ベンツSLRマクラーレンの発売後、自社でSLRマクラーレン722エディションを購入し、もしくは顧客の求めに応じてこれをカスタムしたことがあり、当時25台のみ(ロードスター版は6台のみ)「SLRマクラーレン722エディション バイ MSO」を製造しています。
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今回は「2022年モデルとしての」SLRマクラーレン722エディション バイ MSO
そしてマニー・コシュビン氏はこのSLRマクラーレン722エディション バイ MSOを現代に再現すべくマクラーレン(MSO)へとスペシャルオーダーをかけたということになりますが、単なるSLRマクラーレン722エディション バイ MSOのリバイバルではなく、より「1955年の300SLR」に近い仕様を持ち、しかし現代ならではの要素も盛り込まれているもよう。
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たとえばメルセデス・ベンツSLRヘリテージ・エディションのホイールは300SLRをイメージしたメッキ(もしくはポリッシュ)。
ブレーキキャリパーはシルバーにブラックで「Mercedes-Benz」のロゴが入り、シンプルな5本スポークのホイールにはブルーで「MSO」のロゴが入ります。
インテリアは300SLの「ネイビーレザー、そしてチェックのシート、アイボリーのステアリングホイールやシフトノブ」を取り入れ・・・。
こんな感じに。
なお、シートのチェックは帯状そして紐状のレザーを編み込んだもので、シートバックには「Heritage Edition 1 of 1」と刻まれたバッジが取り付けられています。
ダッシュボードには(当時のメタル製パネルを意識したのだと思われる)シルバーのレザー。
メルセデス・ベンツSLRヘリテージ・エディションには独自要素も
一方で独自のアクセントも取り入れており、フロントには現代ならではのエクスポーズド(むき出し)カーボンファイバー。
フロントフード上のルーバーとフィンは若干強調されているようにも見えますね。
エンジンルームにも(ホイール、リアスポイラー同様)ブルーのアクセント。※出力が向上されたり、機械的なアップデートが加えられているかどうかは不明
すでのこの車両はロサンゼルス空港に到着しているといい、あとは通関して納車になるものと思われ、近日中にその全容が明らかになるものと思われます。
米大富豪がメルセデス・ベンツSLRヘリテージ・エディションを予告する動画はこちら
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参照:The Supercar Blog, Manny Khoshbin