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マセラティが新型SUV「グレカーレ」発表!スマートでクリーンなデザインを採用し「グリルは過剰にならない程度の主張を目指した」。高性能版「トロフェオ」、EV版「フォルゴーレ」も

マセラティが新型SUV「グレカーレ」発表!スマートでクリーンなデザインを採用し「グリルは過剰にならない程度の主張を目指した」。高性能版「トロフェオ」、EV版「フォルゴーレ」も

| 内外装の質感は大きく向上したが、一方でマセラティらしい重厚さや荒々しさが影を潜めたようにも |

グレカーレは最初から4つのグレード、そしてガソリン、PHEV、EVの存在が明確にされている

さて、マセラティが予告通りコンパクトSUV「グレカーレ」を発表。

欧州では2022年モデル、その他の地域では2023年モデルとして販売されることになるそうですが、まずはガソリンエンジン搭載モデルとPHEVから販売が開始され、そしてピュアエレクトリックモデル「フォルゴーレ」が後に追加される、とのこと。

なお、「グレカーレ(Grecalre)」という名はイタリアに吹く北東の風を意味しており、「ギブリ」、「ボーラ」「メラク」「カムシン」「レヴァンテ」同様、”風”の名を用いるというマセラティの伝統を受け継いでいます。

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グレカーレはマセラティ「第二の」SUV、グレードは4つ

グレカーレはレヴァンテに続く、マセラティにとって「第二の」SUVということになりますが、欧州スペックだと全長4,859mm、全幅1,979mm、全高1,659mm、ホイールベースは2,901mmというサイズを持ち、レヴァンテよりは幾分小型で(もっと小さいかと思っていたが、意外と大きかった)、ポルシェ・マカン、ジャガー・Fペース、BMW X3、アルファロメオ・ステルヴィオ、アウディQ5等、メルセデス・ベンツGLCがライバルとなりそうです。

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グレカーレのグレードは4つあり、「GT」「Modena」「Trofeo」に加え、限定車「PrimaSerie(ローンチエディション)」。

GTとModena(モデナ)には、ターボチャージャー付き2.0リッター4気筒マイルドハイブリッドパワートレインが搭載され、それぞれチューニング(最高出力)が異なり、しかしいずれも従来のターボチャージャーと電動コンプレッサーに加え、ベルトスタータージェネレーターと48ボルトのバッテリーを搭載しているのが特徴です。

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296psを発生する2.0L「GT」は0-100km/h加速を5.6秒、200km/hまでを23.7秒で、325ps版の「モデナ」は0-100km/h加速5.3秒、21.9秒というスペックを誇り、両モデルとも最高速度は240km/h、欧州複合サイクルでの燃費は、8.7〜9.3L / 100km(25.3〜27.0mpg US)だと紹介されています。

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最上位グレードである「Trofeo(トロフェオ)」に積まれるエンジンは3.0リッターV6ツインターボで、これは最高出力523PS、最大トルク620Nm(3000-5500rpm)を発生し、MC20に積まれる(F1にインスパイアされた副燃焼室を持つ)V6エンジンとの共通性がある、とのこと。

ただしMC20のエンジンと異なるのは、MC20のドライサンプに対して(グレカーレ・トロフェオでは)ウェットサンプを採用し、シリンダーディアクティベーション(気筒休止システム)により V6 の右バンクを完全にシャットダウンできること。

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こちらの0-100km/h加速はわずか3.8秒、200km/hまでは13.8秒、最高速度285km/hを誇り、複合燃料消費率は 11.2 l/100km (21 mpg US)だと紹介されています。

モデナ、トロフェオともに(他モデルに比較して)リアトラックは34mm拡大され、さらにトロフェオではグリルが前方に突き出し、スプリットエキゾーストシステムを採用するなど、よりアグレッシブなデザインが採用されています。

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加えてトロフェオだと、フロントにブレンボ製6ピストン、リアに4ピストンのキャリパーが与えられ、スロットルレスポンスとトランスミッションの変速比を変化させる「コルサ」ドライブモードが追加され、さらにはトラクションコントロールについてもローンチコントロールに加え、よりスリップを許容するようなチューニングが施されており(つまりはドリフト許容)、「走り」「運転する楽しさ」を高めているようですね。

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トロフェオにはエアサスペンションが標準装備され、しかし「その他」のモデルにはオプションで用意されることになり、エアサスペンション仕様だと車高の調整が可能となるうえ、オフロードモードでは30mmリフトアップ、パーキングモードでは30mm下がって乗降しやすい状態を作るなど、6つのプリセットモードが用意されている、とのこと。

なお、MC20から進化したマセラティのVDCM(ビークルダイナミックコントロールモジュール)が全車に搭載され、このシステムは、車両のダイナミクス(上下、前後、左右)を予測的に制御し、選択可能なドライブモードと連動して、より”テーラーメイドな”ドライビングエクスペリエンスを提供する、と紹介されています。

トランスミッションは全車ZF製8速オートマチック、駆動方式には全車4WDが採用されています。

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Vバンクの角度が記載されているエンジンヘッドカバーははじめて見た!

そしてピュアエレクトリック版の「フォルゴーレ(イタリア語で電光や稲妻を表す)」については2023年から生産が始まるといい、400V技術を採用していること、ステランティスの他EVモデルとは異なってEV専用プラットフォームではなくガソリン車と同じプラットフォームを採用することも明かされています。

現時点では出力や満充電あたりの航続可能距離については明示されていないものの(バッテリーサイズは105kWhだと言われる)、前後バンパーやフロントグリルが独自のものとなること、ボディカラーには専用の(オーロラをモチーフにした)専用のシリーズが用いられることについて言及がなされています。※価格情報についても現時点ではアナウンスされていない

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新型マセラティ・グレカーレのデザインはこうなっている

このグレカーレについては、レヴァンテの縮小版ではなく、独自と言えるデザインが随所に盛り込まれ、一方で「マセラティらしさ」もあわせ持っています。

やはり特筆すべきはそのフロント、とくにグリル。

マセラティいわく「過剰にならない程度に堂々としたものを目指した」と語っており、ここは「過剰すぎることを目指した」BMWとはまったく異なる方向です(グレカーレのグリルデザインは非常に複雑な構造を持ち、新しさやテクノロジー、高級感を感じさせる)。

ただ、ぼくとしては、全体的には非常にクリーンでスマートな印象ではあるものの、他メーカーのSUVとの差別化を考えるならば、マセラティらしい、大きく盛り上がった筋肉質な前後フェンダーを採用してもよかったんじゃないかとも思います。

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グレカーレのヘッドライトはMC20譲りとなる「縦型(今後のマセラティのヘッドライトはこのデザインに統一されるようだ)」、一方フロントフェンダーには3つのギル、Cピラーにはトライデント(マセラティのエンブレムである三叉の銛)が装着されていて、これらは”マセラティの定番”。

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ちょっと面白いのは、テールランプには(ジウジアーロがデザインした)3200GTからインスピレーションを得たというスリムな「ブーメラン」型テールライトが採用されていること(端の方が下にさがる発光グラフィックを持つ)。

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テールランプそのものは横長、そしてテールランプ中央のストリップによって連結されたデザインを持っています。

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電動モデルのフォルゴーレだと、そのバッジ類がカッパー色となるようですね。

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ドアハンドルはフラッシュマウントのように見えますが、ポルシェ911のような「半ポップアップ」なのかも。

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ルーフ、そしてリアウインドウは緩やかに傾斜し、「クーペ」っぽいスタイルを再現しています(BMWやメルセデス・ベンツのクーペSUVほどクーペっぽくはない)。

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新型マセラティ・グレカーレのインテリアはこうなっている

そしてこちらはグレカーレのインテリア。

マセラティのこれまでのモデルは、メルセデス・ベンツやアウディと比較すると「クラシカルで重厚な」印象があり、つまりはテクノロジーを全面に押し出したものではなく、そしてこのグレカーレもその路線を継続しているように思えます。

マセラティと同じくステランティスに属するアルファロメオは「我々は走るiPadを販売しているわけではない」と述べ、ドライバーにフォーカスしたインテリア、クルマづくりを示唆していますが、マセラティも同様なのかもしれません。

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グレカーレではデュアルセンタースプリットスクリーンを採用しており、中央上部のスクリーンは12.3インチ、その下に8.8インチのユニットが設置され、これは"コンフォートパネル "と呼ばれているようですね。

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そしてこのパネルの採用によって多くの物理的なボタンを排除することになり、様々な機能をタッチスクリーンで入力することにになります。

ちなみに液晶スクリーンは「4つ」存在し、メーター、ダッシュボードの上下、そして最後の1つはダッシュボード上にあるこのデジタル時計で、これは時計のほかコンパスやGフォースメーターとしての機能を持っているようですね(マセラティでは初の装備)。

このほか、自動車としてはけっこう珍しいソナスファベール製サウンドシステムが搭載され、最高級オプションだと21個のスピーカーと最大出力1,200Wという構成で3Dサウンドを奏でるそうですが、マセラティのマルチメディアシステム「インテリジェントアシスタント(MIA)」を介し、ワイヤレスにて接続したApple CarPlayとAndroid Auto経由にて各種コントロールができる、とのこと。

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なお、各種スイッチやベゼルにはナーリング加工を模した装飾が与えられ、高級感を演出しているようですね(ドアのオープンはボタンにて行うようだ)。

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新型マセラティ・グレカーレを紹介する動画はこちら

参照:Maserati

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