
| マセラティはかつての栄光を取り戻すことができるのか |
この記事の要約
- MC PURA始動: MC20が進化。ピュアな内燃機関の極致「MCPURA(プーラ)」が生産開始
- 究極のビスポーク: アルファロメオと手を組んだ新プロジェクト「BOTTEGAFUORISERIE」が始動
- 聖地への帰還: グランツーリスモ/グランカブリオの生産がモデナ工場へ完全回帰
- 111年の誇り: イタリア「モーターバレー」最古のブランドとしての地位を確立
トピック1:MC20の正当進化「MCPURA」の誕生
2025年、マセラティのフラッグシップは「MC20」から「MCPURA(MCプーラ)」へとその名をアップデート。
- なぜ「PURA(ピュア)」?: 電動化が進む現代において、あえて100%内燃機関(ICE)の美学を追求したモデルだから。当初計画されていたフルEV版がキャンセルされ、V6「ネットゥーノ(Nettuno)」エンジンと軽量カーボンシャシーの純粋な組み合わせに特化することに
- スペック: 3.0L V6ツインターボ。最高出力621hp、最大トルク730Nm。0-60mph加速はわずか2.9秒
- 進化点: GT2ストラダーレ譲りの空力バンパーや、レーザーエッチングされたアルカンターラ内装など、より「走る芸術品」としての純度を高めている
Image:Maserati
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トピック2:巨頭の共演「BOTTEGAFUORISERIE」始動
11月に発表されたこのプロジェクト「ボッテガ フオーリセリエ:は、ステランティス・グループ内の2つの至宝、「マセラティ」と「アルファロメオ」がクリエイティブな力を結集する画期的なものです。
- 4つの柱: 1. Bottega: アルファ33ストラダーレやMCXtremaのような超限定「フューオフ」モデルの開発
2. Fuoriserie: 既存モデルの徹底的なパーソナライズ
3. Corse: レーシング技術のフィードバック
4. La Storia: 認証・修復プログラムの強化 - 狙い: 英国の高級ブランドに対抗すべく、イタリアならではの「職人技(サルトリアル)」を最大限に引き出すこと
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アルファロメオとマセラティが「ボッテガ・フオーリセリエ(Bottegafuoriserie)」設立を発表。両ブランドが手を組み、“究極の限定モデル”を共同開発へ
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トピック3:グラントゥーリズモの「ホーム・カミング」
一時的にトリノのミラフィオーリ工場で生産されていた「グラントゥーリズモ」と「グランカブリオ」が2025年末(Q4)に故郷モデナのチロ・メノッティ工場へ帰還し、今後は同工場にて生産されることとなっています。
- 歴史の継承: 1940年からマセラティの魂を刻んできた赤レンガの工場で、再びブランドのアイコンが生産される
- 革新の生産ライン: わずか45日間で工場を刷新。内燃機関(ICE)モデルと100%電気自動車(Folgore)を同じラインで混流生産するという、高度なフレキシビリティを実現
マセラティ 2025年最新ラインナップ・スペック表
| モデル | パワートレイン | 最高出力 | 駆動方式 | 備考 |
| MCPURA | 3.0L V6 Nettuno | 621 hp | RWD | ICEの純粋性を追求した旗艦 |
| GT2 ストラダーレ | 3.0L V6 Nettuno | 640 hp | RWD | 公道走行可能なレーシングカー |
| グラントゥーリズモ トロフェオ | 3.0L V6 Nettuno | 550 hp | AWD | モデナ生産回帰の第1弾 |
| グラントゥーリズモ フォルゴーレ | 100% Electric | 760 hp+ | AWD | 次世代のラグジュアリーGT |
| MCXtrema | 3.0L V6 (Extreme) | 730 hp | RWD | 世界限定62台・サーキット専用 |
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2026年「トライデント・センテナリー」へ
こういった動きに加え、忘れてはならないのが「2026年は、マセラティの象徴である”三叉戟(トライデント)」ロゴの誕生から100年、そしてモータースポーツデビューから100年”という、歴史上最も重要な1年となること。
2025年の動きは、単なる生産拠点の移動や新車発表ではなく、マセラティが「イタリアン・ラグジュアリーの頂点」として、電動化の波の中でも「感情に訴えかけるパフォーマンス」と「圧倒的な職人美」を捨てないという強い意志表明です。
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参照:Maserati















