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メルセデス・ベンツがヴィジョンEQXXで「無充電1202kmの走破に成功した」と発表!そのまま市販されることはないにしても、この技術が今後のEVに生かされることを期待

2022/06/25

メルセデス・ベンツがヴィジョンEQXXで「無充電1202kmの走破に成功した」と発表!そのまま市販されることはないにしても、この技術が今後のEVに生かされることを期待

| メルセデス・ベンツはバッテリー容量よりも「効率性」で勝負 |

このEQXXにて培った技術、得られた知見は今後の各モデルにおいて生かされることになると思われる

さて、メルセデス・ベンツがそのコンセプトカー「ヴィジョンEQXX」において、「1回の充電にて1000km以上を走行し、これまで自社が保有していた、実走行における効率走行の記録を更新した」と発表。

これまでの記録は(メルセデス・ベンツの本社がある)シュトゥットガルトからカシス(フランス)までの1008kmであったものの、今回はシュトゥットガルトからシルバーストーンサーキットへ向けて1202kmを無充電にて走破することに。※消費電力は平均8.3kWh/100km

ちなみにシルバーストーンに到着した後は11周を(最高速度140km/hで)走破したといい、その効率性に加えて信頼性をも証明しています。

メルセデス・ベンツは2030年までにすべての市販車を電気自動車に

なお、メルセデス・ベンツは2030年までに市販車すべてを(環境が許す限り)電気自動車に置き換えるという目標をたてていますが、今回のチャレンジにつき、メルセデス・ベンツの取締役会メンバー、かつ開発・調達担当最高技術責任者であるマーカス・シェーファー氏は「ガソリンから電動化へのシフトに際し、最先端技術、チームワーク、決意の組み合わせによって実際に目標を達成できることを世界に示すことが重要だった」とコメント。

つまり今回の記録達成は単に「記録更新」を狙ったものではなく、様々な環境において、つまり「シミュレーション上ではなく、実際の走行においても意図した通りの効率性が発揮できるか」を検証することが目的であって、そのため4月のチャレンジでは「気温3度~18度、かつ山道でのエネルギー消費と回生を検証する」ものであったのに対し、今回の走行では「30度に達する高温と、有名なイギリス南東部の渋滞」を意図的に経験したようですね。

はたしてヴィジョンEQXXは厳しい暑さや渋滞をモノともせずに記録を更新できたわけですが、その記録よりも「様々な走行条件でのデータを取得できたこと」「バッテリーの温度管理が過酷な環境で機能したこと」のほうが大きな成果だったのかもしれません。

メルセデス・ベンツは効率性を重視

このヴィジョンEQXXは効率性を重視して設計されたクルマだとされ、それに際してメルセデス・ベンツは「後続可能距離を伸ばそうと考えた時、バッテリー容量を増やすのは誰もが思いつき、誰もができる手段」だと断じ、そのかわりにメルセデス・ベンツは「効率性の追求をもって航続可能距離を伸ばす」とコメント。

実際にこのヴィジョンEQXXでは、熱管理システムをコンパクト・軽量に設計することで車体重量を押さえ室内スペースを拡大することに成功したといい、「エアロシャッター、冷却水バルブ、ポンプを慎重に設計することで、最も効率的な温度バランスを維持するようにした」ほか、新しく考案されたエアフローマネジメントと車両フロアに設置された冷却プレートの組み合わせによって、車体下面に沿って流れるエアを冷却に使用しているもよう。

反面、高い外気温とストップ&ゴーの多い市街地では十分なエアの流量を確保できず、この際にはオンデマンド冷却システム「マルチソースヒートポンプ」が稼働するといい、14時間30分の走行中、エアコンを8時間作動させたとしても全体のエネルギー消費に与える悪影響が最小限だったことにも触れています。

ただ、「ずっとエアコンを使用していたわけではない」というところを見るに、この記録を達成するには「エアコンをつけっぱなしではムリだった」ということも推測でき、現段階ではまだまだ”距離のために快適性を犠牲にする”必要があるということなのかもしれません。

しかしながら、メルセデス・ベンツとしては「快適性を損なわず、むしろガソリン車よりも快適に」EVで走るためにこのヴィジョンEQXXでのテストを実行しているのだと考えられ、テストからの(市販車への)技術的フィードバックにも期待したいと思います。

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参照:Mercedes-Benz

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