| フェラーリオーナーはそれだけの懐の深さがあるからこそ、フェラーリオーナーになれたのだと思う |
世の中、否定だらけでは疲れるし先に進めない
さて、イタリア在住のスーパーカー系スパイユーチューバー、Varryx氏が最新のフェラーリ・プロサングエのテスト風景を捉えて自身のYoutubeチャンネルへと公開。
このプロサングエは言わずと知れたフェラーリ初のSUV、そして4ドア(5ドア)ボディを持つクルマです。
まずはV12エンジン搭載モデルが数カ月後にデビューし、その後には296GTB同様のV6ハイブリッドを積むバリエーションが登場し、ピュアエレクトリックモデルも(2026年あたりに)発売されると言われていますね。
そのデザインは現行フェラーリの集大成
プロサングエのデザインについてはすでにリーク画像が出回っていて、ほぼその外装については「確定」している状態ですが、それらリーク、そしてスパイフォトやスパイビデオを見ると「フロントはローマ、リアは296GTB」といった感じの意匠を持ち、現行フェラーリのデザインが集約されたというイメージも。
そしてプロサングエにそういったデザインを与えるということは、これからしばらくは「今の路線」を継続するとも考えられ、新世代のデザインが採用されるのはまだ数年先となるのかもしれません。
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フェラーリ・プロサングエはオーナーの待ち望んでいたクルマ?
ちなみにですが、ぼくは先週「フェラーリ・レーシング・デイズ2022」に参加していて、そこでは色々な情報をゲットすることができ、そこでたくさんのフェラーリオーナーさんと話をしていると(お声がけありがとうございました)、フェラーリオーナー同士の挨拶が「プロサングエ注文した?」みたいな感じになっていたのが印象的。
プロサングエは既存フェラーリオーナー、しかも上位顧客しか注文できないとされていますが(つまりぼくにはまったく購入権がない)、フェラーリオーナーの間でいまもっともホットな話題がこの「プロサングエ」。
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つまりはフェラーリオーナーの多く(というかほとんど)がこのプロサングエに大きな期待を寄せ、歓迎しているということになりますが、これは世間一般で「最近のフェラーリはどうしたんだ」「フェラーリもついに日和ったか・・・」「フェラーリ終わったな」と囁かれているのとは全く逆の傾向です。
そこでこういった動向について「なんでだろうな」とぼくなりに考えてみると、総じて「フェラーリオーナーはプロサングエ歓迎」「非フェラーリオーナーはプロサングエ否定」という傾向が強いもよう。
これは「ポルシェの水冷化反対」「ミニが大きくなったことに不満を述べる」ケースと同様であり、実際のオーナーはそれを受け入れているのに、非オーナー(それを買わない人)ばかりがそれを批判するといった風潮によく似ているのかもしれません。
もしくは、自動車メーカーはどこかで変革を行わねばならず、その変革によって否定派が自動的に”ふるい”にかけられ、残ったのが肯定派のみなのだとも考えられます(直近だと、シボレーがコルベットをミドシップ化するにあたり、それについて来れない保守派を切り捨てている。時代に合わせ、それまでのコルベットオーナーに人気だったメッキ系オプションも廃止した)。
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ボクらは先に進むか、そこにとどまるかを選ぶことができる
これについては似たような例がいくつかあり、顕著なものとしては「ロールスロイス」。
ロールスロイスというと「保守的な高級車の代表格」といった感じですが、実際にはカリナンを発売したり、アヴァンギャルドなブラックバッジを発売したり、パステルカラーやネオンカラーのクルマを発売したり、ハイブリッドを通り超えて一気にピュアエレクトリックへと移ることを発表したり。
こういった展開にさぞや顧客が戸惑っているんじゃないかと思ったものの、実はそうではなく、ロールスロイスCEO、トルステン・ミュラー・エトベッシュ氏によると「我々の顧客は世界のトップで活躍している方々ばかりです。そういった方々は、時代の変化に敏感であり、時代の先をゆくことも多々あります。彼らの多くは自身で事業を営んでいる場合がほとんどで、その事業においても変化と多様性がいかに重要であるかをよく理解しており、変化しなければ取り残されることを実体験として感じ取っています。よって我々の顧客は、我々の新しいチャレンジには肯定的です」。
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こういったコメントを聞くと「なるほどな」と思うことがあり、時代の変化や要望に合わせて対応するからこそロールスロイスを購入するだけの財力を維持し続けることができるのだと実感させられますが(とくにコロナ禍においては、文句をいうだけの人と、それをチャンスと捉えて動いた人との差が大きかった)、変化に対する許容性や先見性というのも高級車オーナーやスーパーカーオーナーの共通点なのかもしれません。
そう考えると、フェラーリオーナーの多くがプロサングエに対して「YES」というサインを送っていることについては納得でき、むしろフェラーリに対して「時代にあわせて変化し、未来永劫生き残って欲しい」とも考えていて、彼らが望むのは「過去の成功法則に囚われて先に進もうとしない」フェラーリではない、ということなのでしょうね。※スポーツカーしか作るな、ということはそのメーカーの未来そのものを否定することになる
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参照:Varryx