| 一方、ポルシェは7-8人乗りの大家族向けミニバンも計画中だと言われていたが |
そしてポルシェは電動化を加速させ2030年にはEV販売を80%に、売上高利益率は最終的に20%に引き上げる野望を持っている
さて、ポルシェが正式に「カイエンの上」に位置するフラッグシップSUVを「ピュアエレクトリックとして」投入すると発表。
これはポルシェがヴァイザッハにて開催したキャピタルマーケットデー(投資家向けのイベントだと思われる)にて明らかになったもので、2025年以降に生産が開始される、と言われています。
なお、ちょっと前にポルシェはフラッグシップとして「ミニバン」を検討しており、その理由としては「5人以上の家族を持つ場合、ポルシェは購入検討の対象となりにくい」というもので、よって今回の「フラッグシップSUV」は、たとえばメルセデス・マイバッハGLSのような「豪華な」4人乗りの超高級SUVではなく、「7-8人乗りの」ミニバンとSUVとの中間といえるようなクルマになるのかもしれません。
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ただしポルシェだけに「高級」であることに変わりない
しかしながら「超高級」ではないだけであって「高級』であることは間違いなく、というのもポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏みずからが「高級』という言葉を使用しているため。
同氏は「ライプツィヒ(ポルシェの工場)の生産ラインから出荷される予定となっている、新しい高級ピュアエレクトリックSUVが当社の魅力的なポートフォリオに加わることにより、高級自動車セグメントにおける当社の地位はさらに拡大します。私たちは、特に利益率の高いセグメントをターゲットにしており、このようにして新たな販売機会を開拓することを目指しています」とコメントしています。
なお、ポルシェは高価格帯のクルマにラインアップを集中させる傾向にあり、それはもちろん「利益率が高く、利益額が大きいから」。
よって一貫し「エントリーレベルのクルマはNO」と言い続けており、フォルクスワーゲングループ内においても「比較的少ない販売台数構成ながらも、多額の利益を稼ぐ」ブランドとなっています。
そしてフォルクスワーゲングループとしては、こういったポルシェの特性をさらに活かすべく高級シフトを強化し、さらには「現在のラインアップと干渉しない」新しいモデルにて販売を上乗せしようと言う計画なのでしょうね。
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新型SUVのコードネームはK1
そしてこのポルシェの新型SUVのコードネームは「K1」だとも報じられており、油冷式電気モーターを含めてポルシェ・ミッションRの技術を活用することになる、とも。
ミッションRは既存の800ボルトをさらにパワーアップさせた920ボルト・アーキテクチャ、デュアルモーターによる1088馬力という出力を持っており、しかしさすがに新しいフラッグシップSUVでは「ここまで」の性能は追求されないのかもしれません。
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ただ、この新型SUVは「非常にスポーティ」だとも言われ、となると「3列シートを備えるファミリー向け」ではなくカイエン・ターボGTのようなクルマになるのかもしれず、しかしこのあたりが明かされるのはまだまだ先になりそうです。
加えてキャピタルマーケットデーにおいて、ポルシェは「タイカンが911シリーズを超える販売を獲得していること」から顧客の電動化に対する要望が非常に強いと判断し、今後数年間でさらに電動化を加速させて2030年までにEV販売比率を80%にすることも再確認。
もちろんその中には、ピュアエレクトリック化され2024-2025年あたりに発表されるであろう次世代718ケイマン/ボクスターや、開発の遅れを経て2024年にデビューが後ろ倒しとなったPPEベースのマカンEVといった顔ぶれがが含まれます。
一方で内燃機関もけして終了したわけではなく、911シリーズとカイエンのフェイスリフト、および新世代のパナメーラの準備も進めている、とのこと(やはりパナメーラとタイカンは別々に共存するようだ)。
さらにポルシェの最高財務責任者(CFO)であるルッツ・メシュケ氏は、2022年の売上高を380億~390億ユーロ(390~400億円)、売上高利益率を17~18パーセントとする目標を掲げ、さらに長期的には売上高利益率の数字を20%以上に引き上げ、世界で最も収益性の高い自動車メーカーのひとつになるという意思も示しています。
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参照:Automotive News