| ポルシェの成長は投資によって担保されている |
さて、ポルシェもランボルギーニに続き2019年会計年度での業績を発表。
これによると、ポルシェの2019年度におけるグローバル販売は280,800台(2018年度比で+10%)、売上高は285億ユーロ(2018年度比で+11%)、営業利益は44億ユーロ(+3%)。
売上高を販売台数で割ると1台あたりの平均販売額は101,495ユーロとなり、これを円換算すると12,223,963円ということに。
なお、営業利益は15,669ユーロなので円換算すると1,888,000円となり、つまり1台売って188万円の儲けということになりますね。
ただ、例によって注意が必要なのは、ポルシェの売上高には特許による収入も含まれるので、単に売上高を台数で割っても「1台あたりの売上高」になわるわけではない、ということ(ポルシェはとくに特許収入が多い会社だと言われる)。※さらにこれはポルシェの出荷金額なので、ぼくら消費者の購入金額ではない
さらに「営業利益」については、計算上の単純な利益から経費を差し引いた額ですが、2019年だとポルシェは「タイカン」製造のための工場を建設したり、様々な開発費用を投じているために経費ばかりがかかっているはずで、本来であればもっと「儲けがあった」と思われます。
それでもポルシェの営業利益率は業界随一
それでも今回の売上高と営業利益から「営業利益率」を算出すると、その数字は15.4%。
この15.4%がどれくらいの数字かというと、トヨタが8.2%、ホンダは1.9%、フォルクスワーゲンは5.9%くらい。
つまりは相当にポルシェの営業利益率が高いということになりますね。
これは単純に販売価格と製造原価から利益率を算出した場合も同様で、ポルシェは45%くらいの利益率があると言われ、これはやはり業界ダントツ。
ちなみに直近の発表をもとに各社の(営業利益ではない)売上高利益率を算出するとこんな感じですが、ポルシェは(様々な情報から判断するに)おそらく450−500万円くらい。
・フェラーリ・・・1060万円(販売平均単価は4600万円) ・ランボルギーニ・・・800万円 ・アストンマーティン・・・246万円 ・メルセデス・ベンツ・・・55万円 ・トヨタ・・・21万円 ・フォルクスワーゲン・・・6万円 |
ポルシェはさらなる投資を継続
なお、ポルシェは過去5年間で60%業績を伸ばしたとのことですが、これはやはり様々な投資があってこそ。
よってポルシェは今後の成長のためにもハイブリッド化、電動化、デジタル化に約100億ユーロを投資し、さらに「タイカン・クロスツーリスモ」「マカンEV」の発売を行うと述べており、2025年までには販売台数の50%をエレクトリック化する、とも発表済み。
さらに開発した技術を他の自動車メーカーに販売することも考えていて、そのために様々な関連業種に投資を行っていて、リマックやオーディオ関連事業に投資を行うのもその一環のようですね、
ポルシェがEVメーカー「リマック」への投資を拡大。同じグループに属するアウディ、ブガッティもその技術を使用しEVスーパースポーツ計画を推進させる意向
ちなみにポルシェは将来的に「クルマが売れない時代になる」ことを想定しており、そういった時代でも会社を存続させることができるように自動車以外の様々な分野にも投資を行っている、とも報じられています。