| このカラーを持つマクラーレン・エルバははじめて見た |
そもそも、エルバの売り物自体が非常に少ない
さて、意外と売り物が出てこないマクラーレン・エルバ(エルヴァ)がメカム・オークション開催の競売に登場の予定。
マクラーレン・エルバはセナ(500台)、スピードテール(109台)と同様に、「アルティメット・シリーズ」に属するハイパーカーですが、当初399台にて発売が開始され、しかし限定台数はその直後に249台へ、最終的には149台へと変更されています。
その理由について、マクラーレンは「顧客から、このクルマはもっと販売台数を少なくし、特別な存在にすべきである」という要望が出てきたからだとされていますが、実際には「ただ単に売れなかったから」だろうと考えています。
ちなみに「売れなかった」理由としては、このボディ形状を登録できない国が多かったからだと推測しており、それを見越してかマクラーレンは「殆どの国で合法的に登録できるよう」フロントウインドウをオプション設定していたものの、それを装着すればスタイリングが崩れ、かつこのクルマの美しさを損なうことから、そこまでして購入しようと考える人が少なかったのかもしれません。
ボディカラーは高額な「カラーシフト」
ただ、結果的に限定台数が少なくなったことがこのエルバの価値を押し上げることになったのは間違いなく、「たまに」売り物が出てくるとけっこうな高値で落札されており、極めて趣味性の強いクルマだけに高いコレクション価値を誇ると判断されているもよう。
そして今回も久しぶりにエルバの中古車が登場したわけですが、この個体は限定台数149台のうちの122台めだといい、なんといっても目を引くのはそのボディカラー。
マクラーレンでは「パシフィック・カラー・ストリーム」と呼ばれている、見る角度によって色味が変わるカメレオンカラーで、フォードではミスティクローム、ポルシェではクロマフレアと呼ばれたりしています。
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この塗装にかかった費用についての記載はないものの、マクラーレンだと随分前に500万円くらいが必要だとされていたので、今だと(インフレ等によって)1000万円はかかる特殊ペイントなのかもしれません(ポルシェだと1500万円くらいかかる)。
なお、マクラーレン・エルバは非常に特殊なボディ形状を持っていて、まるで生き物のような有機的なラインを持っていますが、「シームレスな曲面」が採用されているためにこのカラーシフト塗装の効果が他車種よりもよく出ているように思います。
加えて、ボディパネルが(継ぎ目はあるものの)他のパーツや構造にて分断されておらずに連続しており、塗装面積が広いこともこの効果を高めている理由のひとつなのでしょうね。
さらにはこういったシート後方や・・・。
ドアインナーパネルの一部ともボディパネルが連続しているので、さらにカラーシフト効果が高まっており、どこからどんな角度で見ても「様々なカラー」をボディ上に見つけることができるようです。
そしてフロントウインドウがないため、ドライバー目線でもその「色の移ろい」がよくわかるのかもしれません。
ちなみにブレーキキャリパーはかあんり珍しい「パープル」。
もちろんボディカラーにあわせたものだと思われますが、マクラーレンで「パープルのブレーキキャリパー」を見たのははじめてです。
このマクラーレン・エルバのインテリアはこうなっている
そしてこちらはこのマクラーレン・エルバのインテリア。
エクステリアに比較するとかなりシックで、しかしこれもボディカラーを目立たせるという意図があったのかもしれません。
基本的にはブラックレザーにクリア仕上げのヴィジブルカーボンファイバーを採用していますが・・・。
シートにはブレーキキャリパー同様のパープルにてパイピング、そしてヘッドレストには「Elva」の文字が刺繍されています。
このとんでもない開放感よ・・・。
ステアリングホイールのトップはカーボン、そして12時位置にもボディカラー同様のカラーシフトペイント。
センタートンネルにもパシフィック・カラー・ストリーム。
なお、マクラーレン・エルバはその構造に起因してマクラーレンのラインアップ中最も軽量な1,198kgという車体重量、さらにはマクラーレンのエンジン単体としてはもっともパワフルな804馬力を誇っており、その価値自体はけして低くないクルマ。
そのぶん新車価格も約2億円と非常に高価ではあるものの、今回のエルバについて、予想では3億7000万円という最高落札価格のエスティメイトが出されており、現在の中古市場においてエルバが非常に高く評価されているということがわかります。
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