| 正直、オイル問題は判断が難しいが、基本的にボクはメーカー指定よりも早めに交換している |
大排気量、ターボ、高回転型エンジンはとくに早めの交換を心がけている
さて、様々な信頼性調査においては日本車が上位を独占しているのはご存知のとおりですが、その中でもずば抜けて高い信頼性を誇るのがトヨタ。
そのため、走行数十万キロに達し、日本ではもう「用済み」となった車両であっても、多くの国へと輸出されて「現役」として路上を走っています。
今回、「ザ・カーケア・ナット」なるYoutubeチャンネルにてちょっと興味深い動画が公開されており、ここで紹介してみたいと思いますが、テーマとしては「オイル交換のタイミング」。
メーカー指定のエンジン交換サイクルは「長すぎる」?
とにかくオイル交換や添加剤については様々な意見があり、何かと議論の的になり、これらについては明確な証明できないため、ぼくは議論には加わらないようにしているのですが、動画を見るに、どうやらメーカー指定のオイル交換サイクルは「長すぎる」もよう(それもまた、この動画に登場するトヨタのマスター診断技師の意見に過ぎない)。
まず、動画に登場するのは18万マイル(約29万キロ)走ったトヨタ・カムリ。
このトヨタ・カムリは、メーカーの指定留守オイル交換サイクルである1万マイル(約16,000キロ)を守り、ちゃんとメンテナンスを受けながら大切に乗られてきたのですが、新車時でからしばらくは1,000マイルにつき1クオート(0.94リットル)ほどのオイルを消耗しており、しかし走行距離が15万マイル(約24万1000キロ)を超えたあたりから、1,000マイルあたり2~3クオートのオイルを消費するようになった、とのこと(新車時の1クオート/1,000マイルでもかなり多いようには思う)。
18万マイルを走ったトヨタ製エンジンはどうなっていたのか?
そしてこのカムリのオーナーは「さすがにこれは」ということで今回修理を依頼することになり、そこでこのトヨタのマスター診断技師がエンジンを分解してその問題をチェックすることに。
エンジン分解後にわかったのは、「オイルが大量に消耗する理由は、ピストンリングを通り越して燃焼室に入り、オイルが燃えているから」という事実。
シリンダー内壁に傷(2箇所の摩耗痕)があることから、そこを伝って燃焼室にオイルが侵入しているであろうことが想定でき、そしてマスター診断士はオイルコントロールリングの焼付きをその摩耗痕の原因であろうと結論付けています。
そしてこのオイルコントロールリングの焼付きの理由については、「オイル交換インターバルが(トヨタのメーカー指定では)長かったこと」を挙げており、つまりはオイルが劣化して油膜を維持できなかったと考えて良さそう。
よってこのマスター診断技師は「オイル交換については、1万マイル(約16,000キロ)ではなく、その半分の5,000マイル(約8,000キロ)で行うべきだと主張しており、つまり頻繁にオイル交換を行っていれば、この摩耗そしてオイルの消耗を防ぐことができたと述べています(この摩耗は修理できず、エンジンブロックまるごとの交換となってしまう)。
かつて、オイル交換の指定サイクルはもっと短かかった
ちなみにですが、以前(1990年代前半くらいまで)はオイル交換の指定サイクルにつき、各自動車メーカーとももっと短く指定しており、(カー用品店の戦略もあってか)5,000kmごとに交換した方がいい、と言われていた時代も。
ただしその後環境に対する意識が高まって、廃オイルの量を減らすべく各自動車メーカーの指定オイル交換サイクルが短くなったとされており、さらにはオイルの高性能化もこの傾向を加速させたと言われています。
上述の通り、オイル交換については、あまりにいろいろな意見があって判断が難しいのですが、ぼくは排気量が大きかったり、ターボを積む(つまり発熱の大きな)エンジンであったり、排気量に比較してエンジンオイルの量が少ない場合は「早め」に交換するようにしています。
逆に、小排気量であったりノンターボである場合はメーカー指定サイクルにて交換するようにしていますが、いずれにせよ「問題が発生してからでは遅いので」気になる人は早めにオイル交換を行ったほうが良さそうですね。
オイル消耗が激しくなったトヨタのエンジンを分解してみた動画はこちら
合わせて読みたい、エンジン関連投稿
-
【動画】やっぱりトヨタのエンジンはスゴかった!ロシアの地中にて「1年間埋まっていた」エンジンを掘り起こし、ちょっとの洗浄と清掃にて再び始動
| これだけ腐食しているエンジンが再び息を吹き返すとはにわかに信じがたい | トヨタだけではなく、日本車のエンジンの精度はとんでもなく優れているようだ さて、これまでにも様々な実験を行ってきたロシアの ...
続きを見る
-
【動画】今まで間違えてた!正しい(オイル交換時における)オイルの注ぎ方を見てみよう
オイルをエンジンルームにこぼすと最悪「炎上」することに FCR Euroが「オイル交換時における、正しいオイルの注ぎ方」を動画で解説。これによると、(上の画像のように)オイルのボトルの出っ張った方を上 ...
続きを見る
-
ホンダのエンジンはやっぱりスゴかった!オイルなしでフル回転テストを実施→フォード20秒、プジョー47秒でアウト、ホンダは壊れる気配なし
| さすがは楕円ピストンを実用化した会社だけはある | さて、いつも過激なレビューを行うことで知られるCarwowですが、今回は「エンジンオイルとラジエター液なしで、どれだけクルマのエンジンは耐えるこ ...
続きを見る