| 歴史的名車だけに、どのような状態であってもその存在を守り続けて欲しい |
外装は修復可能な範囲だが、ドライブトレーンは再利用が難しそう
先日ハリケーン「イアン」による洪水被害にて、購入わずか1週間のマクラーレンP1が濁流にのまれるという悲劇がありましたが、今回そのマクラーレンP1が廃車専門の売買サイト、Caprtへと登場することに。
現時点ではまだ競売開始前ではあるものの、エスティメイトでは25万ドルという価格が算出されており、これを修復できる人にとってはかなり割安な物件だと言えるかもしれません。
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マクラーレンP1は375台しか製造されていない
このマクラーレンP1は375台しか製造されていないハイパーカーで、ポルシェ918ハイブリッド、ラフェラーリと並んで「ハイパーカー御三家」と称されたクルマ。
その後マクラーレンからはセナ、エルバ等のハイパーカーが登場しているものの、発表当時のインパクトが強かったためか、そしてその思想があまりにピュアであるためか現在でも非常に高い人気を誇っており、コレクターがなかなか手放さないクルマとしても知られます。
今回の洪水被害ではほぼ完全に水没しており、ガレージ内に侵入した水によってガレージから押し出され、その前にあった木立に衝突する様子が動画にて拡散されていますが、その際の衝撃によるものなのか、ドアミラーが外れ、フロントガラスにはヒビが入るなどいくつかの外的損傷も見られます。
おそらくガソリンエンジンは完全にリビルトする必要があり、電装系はほぼアウト、そしてハイブリッドシステムも機能しない可能性が高く(バッテリーやインバーター、モーターは厳重に密閉されているはずで、機能するかもしれないが、恐ろしくて再利用できない)、このクルマを完全に元通りすることはかなり困難かもしれません(不可能ではないが、コストと時間がかかりすぎる)。
それでも歴史的名車とあって、いざオークションが開始されれればこのクルマを手に入れようという個人・法人も多いと見え、ネット上では「清掃して展示用にする」「エンジンをスワップし、ハイブリッドシステムを取り除き、ガソリンオンリーとして走らせる」といった声も聞かれます。
ただ、このクルマがこのまま失われてしまうのは大きな損失でもあり、どのような形であっても、誰かの手にわたりその存在を残して欲しいと思うのはぼくだけではないかもしれません。
その他にはこんなスーパーカーも「洪水被害車」として販売されている
今回のハリケーン「イアン」は相当な猛威をふるっており、厳重に保管していたクルマまでもが被害に遭っていて、そのため現在Copartでは多くのスーパーカーが販売中、もしくは販売を待っている状態です。
マクラーレンだと現在7台、ランボルギーニだと6台、アストンマーティンだと23台が登録されていますが、アストンマーティンと並んでもっとも多いのがフェラーリ。
ローマ、ポルトフィーノ、カリフォルニア、488GTB、F8トリブートなど様々なモデルが検索にヒットし、その中でもこのフェラーリSF90ストラダーレは特に目を引く存在です(有名なインスタグラマー所有の個体らしい)。
ホワイトの外装にレッドのストライプやアクセントが入り、けっこうなコストをかけてカスタムオーダーされたものだと思われますが、やはり水没にてオークション開催を待ってい状態です。
なお、いずれのブランドであっても価値の高い限定モデルは今回Copartには登録がなく、もちろん所有者はハリケーンに備え万全の対策にて臨んで被害をまぬがれたか、被害に遭ったとしてもコストを顧みず修復を行うのかもしれません(ブガッティも全く登録されていない)。
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参照:Copart