| ここ数年、このマクマートリー・スピアリングよりも驚かされたクルマはほかにない |
現在市販に向けて仕様を調整中、ただし価格は2億円くらいになるもよう
さて、今年登場したクルマの中で、もっともぼくが驚いたのがマクマートリー・スペアリング(スピアリング)。
これは英国の片田舎にあるファクトリーが製作したEVで、見た感じは「子供用」みたいなコンパクトなサイズを持ち、その外観は「チョロQからバットモービル(ティム・バートン版)が発売されたらこうなるだろうな」というもので、誰がどう見てもそんなに速そうにないクルマです。
ただ、グッドウッドのヒルクライムを一度走れば、地球上のどんなクルマよりも速く走ることができ、実際にF1マシンや(パイクスピークでコースレコードを出した)フォルクスワーゲンID.Rをも凌駕するタイムを記録したわけですね。
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非公式ながらもゼロヨン7.97秒を達成
そして今回はCarwowが行ったテストにて、0-60マイル(96km)加速1.4秒、0-100マイル(161km)加速2.63秒という目を疑うような数値を記録したばかりか(0-60マイルを2.63で走れるクルマでもそんなに多くはない)、なんとゼロヨンについては7.97秒という理解不能に近いタイムを出しています。
なお、ガソリン車最速の部類であるブガッティ・シロン・ピュアスポーツでゼロヨンタイム9.6秒、先日市販車最速タイムを更新したリマック・ネヴェーラのタイムが8.58秒なので、この7.97秒という数字がいかに速いかもわかるかと思います。
ちなみにですが、グッドウッドにて記録を更新したのち、購入希望が殺到したと見え、現在は元F1ドライバーであるマックス・チルトンをメンバーに迎え、市販化に向けた調整を行っている、と報じられていますね。
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マクマートリー・スピアリングはこんなクルマ
そしてこのマクマートリー・スピアリングですが、全長3.2メートル、全幅1.5メートルという超コンパクトなクルマで、日本の軽自動車規格とほぼ同じでもあり、昔のF1マシンくらいのサイズを持っています。
後輪に2つのモーターを内蔵し最大出力は1,000馬力(ステアリングホイール上のダイヤルにて主力をコントロールできる)、60kWhバッテリーを搭載して一回の満充電あたり航続可能距離は約260km。
さらにはEVが不得手な高速走行にも対応しており、最高速は240km/h(調整できる)、そしてGT4マシンと同等のラップタイムにて約20分ほどの走行ができるうえ、200kW以上のDC急速充電にも対応するという使い勝手の良さを誇ります。
ただ、このマクマートリー・スピアリング最大の特徴はその異様な風体でも加速性能でもなく、それは「ダウンフォース」。
さらにこのダウンフォースはエアロパーツによって発生させるものではなく、車体に内蔵した2つのファンで車体底面の空気を吸い出して車体を地面に吸い付けるという方法を採用しており(掃除機で吸うようなもの)、この力はなんと2,000kgだとされています。
なお、この2,000kgというのはアストンマーティン・ヴァルキリーの最大ダウンフォースが1,800kgということを考慮すればいかに大きいかがわかろうというもので、さらにヴァルキリーの数字は最高速近くで走行した場合の(それだけの風圧を受けた場合の)数値であり、しかしこのマクマートリー・スピアリングでは停止状態でも2,000kgのダウンフォースを発生するということには留意する必要があります。
ただ、このマクマートリー・スピアリングには大きな問題があって、それは「市販価格が2億円くらいになる」という事実であり、つまり容易に購入できるクルマではないワケですね。
実際にマクマートリー・スピアリングで走ってみた
そこで我らがCarwowのマットがマクマートリー・スピアリングにて走ってみることになりますが、このマクマートリー・スピアリングは一人乗り、しかもかなりタイトなコクピットを持っています。
ル・マン・レーサーのようなドアがあるのみなので、なんとか体を滑り込ませ・・・。
収まるとこう。
その後は運転操作に関するレクチャーを受けます。
そしてハッチを閉め・・・。
スタートすると・・・。
この表情である!
マクマートリー・スピアリングが驚異の加速を見せる動画はこちら
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参照:carwow