| まさかまだ「新車」のエンツォフェラーリが眠っていようとは |
現時点では予想落札価格は算出されておらず、誰もその価格を予想できないかも
さて、まさかの「未登録」となる新車状態のエンツォフェラーリがオークションへと登場予定。
ボディカラーはアルジェント・ニュルブルクリンク、インテリアカラーはクオイオだと紹介されていますが、このカラーの組み合わせは非常に珍しく、「おそらくは世界に一台」ではないかと注釈がついています。
今でこそフェラーリは様々なボディカラーを選択できるものの、ことスペチアーレに関してはカラーの選択にかかわる自由度が低く、F40だとすべてがロッソ・コルサ、そしてF50だとシルバーやイエロー、ブラックが選択できたもののカスタムカラーの例は少なく、エンツォフェラーリだとこれまでに希少カラーとして「マットブラック(1台)」「ホワイト(1台)」「ロッソ・ルビーノ(1台)」あたりが紹介されています。
なお、こういった「一般的なカラー以外がほとんど存在しない」のは、注文するオーナーがリセールを考えて珍しいカラーを選ばなかったわけではなく(その側面も否定できないが)、フェラーリが「限られた重要顧客以外には、カスタムペイントを許可しなかったから」。
-
存在するのは世界に一台!ホワイトのエンツォフェラーリが競売に登場し、同車史上最高価格を記録する可能性。エンツォを特別色に塗装することが許されたのはわずか20名だった
| 購入するのにも厳しい制限があり、さらにカスタムするにも厳しい制限があったとは | 今後、このホワイトのエンツォフェラーリは簡単には売りに出されないだろう さて、世界で一台しかないというホワイトのエ ...
続きを見る
このエンツォフェラーリは日本へと納車される
このエンツォフェラーリは新車時に日本へと納車された個体だといい、現在はカナダへと保管場所が移されているそうで、走行距離は227kmだと紹介されています(製造後のテスト、デリバリーにかかる距離を走ったと考えられる)。
たしかにところどころに日本語の表記が見られ・・・。
注意書きも日本語ですね。
エンツォフェラーリは2002年のパリ・モーターショーにて発表され、288GTO、F40、F50に続く創立記念限定スーパーカーであり、21世紀への新たな一歩を踏み出したフェラーリとして認識されています。
デザインを担当したのは(先日エンツォフェラーリで速度違反を犯し有罪判決を受けた)ピニンファリーナのデザイナー、奥山清行氏によるもので、車体構造はカーボンモノコック、リアミッドに搭載されるエンジンはTipo F140B 6.0リッターV型12気筒、トランスミションは専用開発の6速自動変速機。
総生産台数は400台ですが、これはもともとの予定台数であった399台に加え、2004年に当時のローマ法王、ヨハネ・パウロ2世により(チャリティのため)発注された1台がプラスされた数字です。
-
エンツォフェラーリのデザイナーがエンツォフェラーリを運転して88km/hのスピード違反を犯し有罪判決。これができるのは奥山清行ただひとり【動画】
| たしかに危険な行為ではあるが、これほどレアなスピード違反は他にないだろう | さすがに「有罪」だけあって各方面への影響は免れないかも さて、エンツォ・フェラーリのデザイナーとして知られるケン・オク ...
続きを見る
フェラーリのスペチアーレはモータースポーツ直結の技術に加え、最新テクノロジーが取り入れられていることが大きな特徴で、エンツォフェラーリについても、宇宙時代の素材と革新的なソリューションが投入されることで軽量化と性能の向上が図られています。
カーボンファイバーとノーメックス・ハニカムを使用したバスタブシャシーは、わずか90kgという軽量化を実現しており、ボディワークはピニンファリーナの風洞で磨き上げられたもので、カーボンファイバーとケブラーを織り込んだ素材にて構成されることに。
1970年代の712カンナムカー以来、フェラーリ最大の排気量となるV型12気筒エンジンには、ニカシルライニングを施したシリンダーウォール、チタン製コンロッド、トルクアップのための伸縮式インテークマニホールドなど競技用に開発された部品がふんだんに使用され、その結果として660馬力を絞り出します。
ホイールはスペチアーレではおなじみのセンターロック、ブレーキディスクはカーボンセラミック。
エンツォフェラーリの大半(全生産台数の70%以上)は例によってロッソ・コルサの外板色を持ち、ごく一部のみが(上述の通り)限られた顧客からのリクエストに応じて他の色にペイントされ、ジャッロ・モデナ、ネロ・パステロ、ロッソ・スクーデリアがその多くを占める中、このアルジェント・ニュルブリンクにペイントされたのはわずか9台のみ。
そして9台のうちこの1台のみのインテリアがクオイオレザーにて仕上げられており、よってこのカラーコンビネーションは世界に一台というわけですね(ほかの個体はブラックもしくはレッドレザーが用いられている)。
このエンツォフェラーリは現在にいたるまで一度も登録されていない
そして驚くことに、日本へと新車で届けられたこのエンツォフェラーリ(シャシーナンバー132662)はこれまで一度も登録されることなく、その生涯の大半を人目に触れることなく過ごしてきた、とのこと。
ドアシルにはビニールが貼られたままで、イグニッションキーにも養生テープが巻かれ・・・。
ペダルにも養生が施されたまま。
カーカバーや充電器も付属します。
そのほか、オリジナルの取扱説明書、カーカバー、スペアキー(取扱説明書と一緒にジップロックに入ったまま)、そしてラゲッジセット(3ピース、未使用)も揃っており、コレクターにとってこれ以上の個体は存在しないかもしれませんね。
フェラーリと言えば「レッド」ではありますが、近年ではメインストリームのレッド以外のカラーにも注目が集まっており、とくにこういった「希少色」はその評価が大きく高まることも。
現時点で予想落札価格(エスティメイト)は算出されていないものの、エンツォフェラーリ史上「最高額」となっても誰も驚くことはないだろう、と考えています。
合わせて読みたい、エンツォフェラーリ関連投稿
-
超上位顧客にのみ許された特別色「マットブラック」のエンツォフェラーリが競売に!存在するのはもちろん1台、注文したのはブルネイ王室
| フェラーリの限定モデルを購入できたとしても、そこからさらに顧客によって「選べる仕様」と「選べない仕様」があるようだ | ブルネイ王室はフェラーリにとって「最重要顧客」に位置づけられているものと思わ ...
続きを見る
-
新車購入から今までなんと1オーナー!しっかりメンテンスされ付属品も揃うエンツォフェラーリが競売に登場、予想落札価格は最高で3.8億円
| エンツォフェラーリの相場もここへ来て急上昇 | エンツォフェラーリはスペチアーレの中では少なめの限定台数「399台」 さて、エンツォフェラーリが3億8000万円(220万ポンド)という最高予想落札 ...
続きを見る
-
存在するのは世界に一台!希少カラー「ロッソ・ルビーノ」のエンツォフェラーリが目撃される【爆音つき動画】
| 当時、フェラーリと言えばロッソ・コルサ以外の選択肢はなかったが | そのぶん、今になって希少カラーのフェラーリが高く評価されている さて、ロンドン拠点にてスーパーカーに関する動画を届けてくれるユー ...
続きを見る