| ポルシェ911のレストモッドは最近になりずいぶん多様化してきた |
空冷時代のシンプルなポルシェ911を安心して安全に楽しみたいという需要は非常に強い
さて、現在は空冷ポルシェ911のレストモッドが大盛況といった状況ですが、これはシンガー・ヴィークル・デザインが切り開いた新境地に多くの追随者が流入しているため。
ただし、ひとくちに空冷ポルシェ911のレストモッドといっても各チューナーとも様々で、中には(シンガーの964への差別化として)993のみを対象とするチューナー、軽量性に焦点を当てるチューナー、コストを抑えた簡素なモデルを提供するチューナーなど様々です。
そして今回紹介するのは英国ベースのテオン・デザイン(Theon Design)による911レストモッド「ITA001」。
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テオン・デザインによるポルシェ911レストモッド「ITA001」はこんなクルマ
そこでこのポルシェ911レストモッド「ITA001」を見てみると、ベースとなるのは964世代の空冷ポルシェ911(カレラ4クーペ)。
これを初代911風に見せているということになりますが、ボディパネルはすべてカーボンファイバー製に置き換えられているといい、そのため車体重量は大幅に軽量化されて1,152kgへ。
ウインドウモールやヘッドライトベゼル、ターンシグナルのベゼルやドアハンドルは金属製に置き換えられてクラシカルなルックスに。
ホイールはフックスタイルを採用しており、これらにはチタンカラーが採用されています。
ドアミラーは砲弾型へ。
搭載されるエンジンは4リッター空冷フラット6で最高出力は400ps/7,500rpmを発生し、独立したスロットルボディとドライブ・バイ・ワイヤ・スロットルを装備しており、インテークプレナムは997世代の911 GT3のものをベース加工されたもので、エキゾーストにはセラミックコーティングが施されています。
ちなみにリミテッドスリップディファレンシャル、ブレーキは993型911RSから拝借している、とのこと。
エンジンルーム内のファイヤーウォールにはレザーが張られており、こういった仕様や、レトロ感の演出手法、カーボンファイバー製のボディワーク、フックス風ホイール、400馬力の空冷エンジンといったところを見ても、かなりシンガー・ヴィークル・デザインに近い性質を持っていると考えていいのかも。
フロントコンパートメント内もレザーで覆われ、ストラットタワーバーにはブラウンのレザーが巻かれます。
テオン・デザインによるポルシェ911レストモッド「ITA001」はこんなインテリアを持っている
そしてこちらはこのポルシェ911ITA001のインテリア。
ブラウンとブラックレザーが使用されたシンプルな仕様を持っており、カーボンファイバーやLED照明が使用されて近代的なイメージとなっています。
フロントシートは快適性重視のコンフォート仕様、そしてリアにもシートが残され、エアコンはデュアル化、そしてパワーステアリングは電動化されているそうなので、細かいところがチョコチョコと現代風に手直しされているようですね。
そのほかアダプティブサスペンション、フロンサスペンションリフター、スマートフォン用のワイヤレスチャージャー、6スピーカーオーディオ(フォーカル製/Bluetooth対応)等も備わっており、「日常的に乗れる」空冷ポルシェへとレストモッドがなされています。
こういった「テクノロジーを積極的に採用する」ところはシンガー・ヴィークル・デザインとはまた異なり、このテオン・デザイン独自のアプローチなのかもしれません。
一方でこのレストモッドにかかるコストは38万ポンド(6125万円)、しかもこれにはベースとなる車両代金が含まれていないというので、価格に関しては「日常的に乗ることがためらわれる」ということになりそうですね。
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参照:Theon Design