| たった一人でこれだけのクルマのメンテナンスを行い、動態保存を行っていたらしい |
ただし高齢のため介護施設に入り、その後は誰も手入れができない状態に
さて、オランダのカーコレクターが40年かけて集めた230台のクラシックカーが納屋から発見され(いわゆるバーンファインド)、今回それらがオークション経由にて売りに出されることに。※オークションは5月27日、28日、29日に開催され、6月5日、6日、7日の3回に分けて終了する
これらコレクションにはフェラーリ、ランチア、ファセルベガス、アルピーヌ、フォード、タトラ、BMW、メルセデス・ベンツ、リンカーンといったクルマが含まれ、このコレクションは一部の人以外には絶対に知らされなかった3つの建物(下の画像はそのうちの一つ)の中にずっと保管されていたのだそう。
コレクションの始まりはランチアB20
このコレクターはパルメンさんなる人物で、40年前にランチアB20を購入したのがそのはじまりだったといいますが、それ以降ほとんどクルマを売ることなくコレクションを拡大し続け、最終的には上述のとおり3つの建物(倉庫2つと教会1つ)に分けて”隠されていた”と報じられています。※この230台については、オークションサイトにパルメン・バーンファインド・コレクションとして詳しい画像とリストが掲載されている
このコレクション内容を見るに、パルメンさんがクルマ探しの才能に長けていたことは疑いようのない事実ではありますが、彼のもう一つの才能は「コレクションを隠し通したこと」。
現在クラシックカーは非常に高い価値を誇っており、よってこの存在が知られれば一夜にしてすべて盗み出される可能性もゼロではなく、しかしパルメンさんは信頼できる人物にしかこれらコレクションの所在を知らせていなかったといいます。
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そしてパルメンさんが自身のコレクションをどれくらいうまく隠していたかというと、「近所の人ですら、その建物の中にヴィンテージカーやクラシックカーが収まっているとは夢にも思わなかったほど」だといえばわかりやすいかもしれません。
これらコレクションはいったいなぜ発見され、売りに出されるのか?
そこで気になるのが「なぜこれらが発見され、今回売りに出されるのか」。
これについては明確な理由があって、パルメンさんが高齢になって自身のコレクションを維持できなくなったから。
すでにパルメンさんはすでに介護施設に入っており、これらコレクションに触れることがない状態だと報じられていますが、これまでパルメンさんは一人でこれらのクラシックカー / ヴィンテージカーの管理を行っていたため、パルメンさんが面倒を見ることができなくなったのち、これらのクルマはご覧のように埃をかぶったままとなってしまったわけですね。
ただ、パルメンさんは施設に入る前まではこれらのクルマを定期的に動かすなど動態保存を心がけていたために「見た目ほどコンディションは悪くない」といい、そしてコレクションのほとんどは「未レストア」のため高い価値を誇るとされています(レストアを行っていないオリジナルコンディションのほうが一般に価値が高い)。
パルメンさんは主にアルファロメオ、ランチア、マセラティ、フェラーリといったイタリア車を好んでいたそうですが、フランス車だとファセルベガ、ドイツ車であればBMW、メルセデス、NSU、イギリス車ではジャガー、アストンマーティン、ロールスロイス、アメリカ車ではシボレー、キャデラック、フォードなどさまざまな国の様々なクルマにまで収集対象が及び、さらにはタトラ、モニカ、モレッティ、マトラ、アルヴィス、インペリア、ヴィラールといったマイナーな部類に属するクルマも少なくはなく、とてつもなくクルマを愛していた人物であるということがわかります。
加えて、これらのクルマはコレクション的な価値の高さに加え、歴史的価値という側面から見ても非常に高いレベルにあると考えてよく、総額だと落札価格がいくらになるのか「まったく検討もつかない」レベルでもありますね。
欧州最大クラスのクラシックカーコレクションを紹介する動画はこちら
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