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今週末はもうル・マン!フェラーリが50年ぶりに王座を狙う「499P」の戦闘力を向上させる「ERS」「4WD」について自ら解説【動画】

今週末はもうル・マン!フェラーリが50年ぶりに王座を狙う「499P」の戦闘力を向上させる「ERS」「4WD」について自ら解説【動画】

| フェラーリはLMDh規定を利用せず自身でマシンとハイブリッドシステムを開発するという手段に出たが |

いまのところ、参戦した他のレースを見るに「ル・マンの優勝を狙えるポテンシャルを持っている」と考えて良さそうだ

さて、早いものでル・マン24時間の開催があと数日というところにまで迫っています(予選は6月8日から、決勝は6月10日から)。

今年のル・マン24時間レースはハイパーカークラス(LMh)が新設されたこと、そしてそのLMhクラスに多くの新規・復帰組が参戦することから大きな注目を集めており、ポルシェやBMWなどの参戦、それを迎え撃つトヨタやスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス、そしてプジョーといった面々との勝負の行方については目が離せないところ。

ただ、ぼくとしては「50年ぶり」のル・マン24時間復帰となるフェラーリの活躍に期待しており、現在F1ではちょっと精彩を欠いているだけに、なおのこと「ル・マンでの勝利」を切望してしまいます。

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フェラーリ499Pはこんなクルマ

そこでこのフェラーリ499Pにつき、ル・マン24時間レースを目前にし、フェラーリがそのパフォーマンスの核となるハイブリッドシステムと4WDの方について解説する動画を公開。

なお、今年のル・マン24時間レースにこれだけ参戦チームが増えたのは、北米で開催されているIMSAとの乗り入れが可能となったからで、それまではIMSA、ル・マン(含むWEC)ともに別々のレギュレーションにてレースが運営されていたために車両の互換性がなかったものの、新しく設立されたLMhクラスではIMSAを走るマシンを「条件付きで」ル・マンを走らせることが可能となり、これによって「北米と欧州」という自動車メーカーが重視する市場両方へとモータースポーツを通じたアピールが可能となったわけですね。

そしてその条件とは、「LMDh規定による、決められたシャシーと(ハイブリッド用の)エレクトリックパワートレインを使用すること」なのですが、これによって大きく参入障壁が下がり(自社で車体やハイブリッドシステムを開発する必要がなくなる)、さらに多くの自動車メーカーを呼び込んでいます。

ただ、フェラーリはポルシェやBMWとは異なり、このLMDh規定を使用せず、ル・マン24時間レースのみに焦点をあわせたレーシングカーを独自に作っており、それがこの499P。

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そしてこの499Pは(IMSAのレギュレーションに従っていないので)IMSAを走ることはできず、しかし夏頃には(レギュレーションに合致するようマシンを改修して)IMSAへと参戦するかどうかを検討することになる、とも報じられています(つまりは今回のル・マン24時間レースの行方次第ということなのかもしれない)。

Ferrari-499P (3)

このフェラーリ499Pに搭載されるガソリンエンジンは296GT3と共通の構造を持ちつつも、この499Pのために最適化されることで軽量に仕上げられていると解説され、エレクトリックモーターと900Vバッテリーとの組み合わせによって(LMDh規定が定めるリミットである)システム合計500kW(680馬力)を発生し、後輪はガソリンエンジンにて、前輪はエレクトリックモーターにて駆動されます。

なお、ガソリンエンジン単体では300kW、ERS(エレクトリック・リカバリー・システム)が200kWを発生し、車体重量は規定による最低値ギリギリの1,030kg。

Ferrari-499P (2)

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フェラーリ499Pのパワートレインはこう動作する

そしてこのフェラーリ499Pの戦闘力を左右するのがエネルギー回生システム(ERS)と四輪駆動システム(4WD)。

前者はパワーを維持するために、後者は時速190キロの速度でカーブに挑むための重要な要素ですが、まずERSは高電圧バッテリーとモータージェネレーターユニットにて構成されており、このシステムは、トラクションと回生ブレーキの両方のフェーズにおいて合計約270馬力を発生させることができる、と説明されています。

Ferrari-499P (7)

ブレーキング時には、このシステムが電力を生成し、それをバッテリーに蓄えることができますが、フェラーリSF90スパイダーと同じように、エンジンと電気モーターを交互に使って加速することもできるといい、(296GTB/296GTS由来のエンジンといい)市販車からのフィードバックを受けたコンポーネントを持つと捉えることも可能です。

Ferrari-499P (6)

もうひとつの要である4WDシステム(フロントモーター)につき、これは時速190キロに達するとERSからの電力供給によって作動するといい、これによってリアタイヤへのエネルギー配分が最適化されて(リヤタイヤの)摩耗が少なくなるうえ、ル・マンの高速コーナーではアンダーステア解消に貢献するほか、(190km/hに達していなくても)前輪駆動モードを起動させることで低速コーナーでのハンドリングを改善することができ、様々なステージにて威力を発揮することになりそうです。

Ferrari-499P (5)

そしてこのERS、4WDともにパフォーマンス向上のみならず効率性を引き上げることができる点には注目すべきであり、燃費改善そしてタイヤの摩耗抑制は「24時間」という長丁場のレースとって大きな役割を果たすことになりそうですね。

フェラーリがじきじきに解説する、499Pの機能を示す動画はこちら

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参照:Ferrari

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