| エンツォ・フェラーリもまた一人の男であり、「神格化されていない」素朴な人物として描かれる |
一方、モータースポーツの描写にはリアリティを追求
さて、先日は映画「フェラーリ」の監督であるマイケル・マンのインタビューが公開されたところですが、今回はその「フェラーリ」のティーザー動画(予告編)第一弾が公開されることに。
なお、この映画はブロック・イェイツの著書「エンツォ・フェラーリ」をベースにしたもので、その舞台は1957年を中心に設定され、公私共にもっとも多難であった時期のエンツォ・フェラーリが描かれると言われています(この書籍は、入手できるエンツォ・フェラーリの中ではもっとも正確だと評されている)。
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「フェラーリ」は一人の男の苦悩を描く
マイケル・マン監督は「コラテラル」など緊迫感あふれる描写でも知られていますが、本作で表現されるのはレースを中心としたアクション映画ではなく、エンツォ・フェラーリという一人の男の苦悩。
演じるのはアダム・ドライバーで、予告編を見ただけでもその複雑な感情~喜び、苛立ち、怒り~をうまく表現していることがわかります。
エンツォ・フェラーリというとエキセントリックな人物を想像しがちではあるものの(ぼく的にはすぐにブチ切れ、意に沿わない人間を怒鳴りつけるという印象がある)、実際にはぼくらと変わらない一面を持つ一人の素朴な男であることが全編を通して映し出されているようですね。
たとえば、息子(アルフレッド)との触れ合いや・・・。
息子や妻ラウラ(ペネロペ・クルス)との親密な時間を楽しむ一面も。
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ただし(1956年に)アルフレードの死を迎え・・・。
レースではファクトリードライバーの死亡事故が発生し・・・。
絶望で打ちひしがれるエンツォ・フェラーリ。
かねてより関係のあった(シャイリーン・ウッドリー演じる)リナ・ラルディとの不倫に溺れ・・・。
最終的にはリナ・ラルディとの間にもうけた息子(ピエロ・フェラーリ、1945年誕生)との関係性にも焦点が当てられます。
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やはりエンツォ・フェラーリはレースを愛する男であった
ただ、「フェラーリ」の映画であるだけに欠かせないのがモータースポーツで、予告編においてもV12サウンドを轟かせて疾走するフェラーリが登場します。
そしておそらく、物語の山場は1957年のミッレミリア。
数々の苦難を乗り越えての参加であったと思われますが、ここで発生した観客が死傷するという事故の責任を問われ、エンツォ・フェラーリは起訴されることになるわけですね(結果としては無罪)。
ローマの市街地を駆け抜けるレーシングカーの姿も。
そしてエンツォ・フェラーリがほかの人達と大きく異なっていたのは「レースにかける情熱」。
今回公開された予告編は全編「セリフなし」なのですが、最後にはたった一言だけ「私のクルマに乗ったら、勝つために走らなければならない」という言葉が挿入されており、これこそがぼくらのよく知るエンツォ・フェラーリの一面なのかもしれませんね。
映画「フェラーリ」予告編はこちら
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参照:NEON