| 近年のBMWの命名法則は大変にややこしく、トランクリッドに大量の文字が溢れている |
2025年以降に登場するニューモデルでは様々な問題を解決できそうだ
さて、BMWがどうやら命名法則を変更するもよう。
現在はBMWだけではなくアウディ含む多くの自動車命名法則に整合性が取れなくなっており、そのひとつの要因は「SUVが登場した」から。
たとえばBMWだとSUVには「X」の文字が付与されていますが、たとえば「X3」のMモデルだと「X3 M」という感じで「M3」や「M4」とは異なる文字の配置となってしまいます。
これはアウディも同様で、「RS6」のようなこれまでのハイパフォーマンスカーの命名をSUVに対して行いにくくなっていて、「SQ2」「RS Q3」といったやや覚えにくい名称にもなっているわけですね。
さらにEVレンジの登場で混乱を極める
そしてもうひとつの要素が「EVの登場」。
ただでさえ混乱を極めている状況の中にEVを投入するとさらなるカオスとなる可能性があり、とくにBMWのように「同じ車体を用いてガソリンモデルとエレクトリックモデル」を作り分ける場合はなおさらかもしれません。
そしてBMWはこれまでにも新しい商標を何度か出願しているということが報じられていますが、今回もまたいくつかの商標が出願されていて、それを見るに「異なるドライブトレイン・スタイル間でより一貫性を高める」ことを目的としているもよう。
そして新しい採用する最初のモデルは、ノイエクラッセ・プラットフォームを採用した次世代X3ファミリーになると報じられており、たとえばガソリン / ディーゼルエンジン搭載モデルだとX320とX330、ピュアエレクトリックモデルだとiX330、iX340、iX350と命名されることになるようですね。
さらに今後、内燃機関車と電気自動車の名称は、ラインアップ全体でより類似したものになる可能性が高く、3シリーズの内燃機関搭載車には330や340といった名称が採用され、電気自動車モデルにはi330やi340といった名称が採用されることになると考えてよいかと思います。
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そしてその上のモデルも同様で、例えばBMWの高級セダン(内燃機関搭載バージョン)には560、660、760のバッジが付けられると予想され、電気自動車モデルにもはそれぞれi560、i660、i760というように、「i」が付与されることになると認識しておいていいのかも。
これによって「100」「200」「300」「400」「500」「600」「700」ファミリーのすべてのモデルは、ガソリン / ディーゼルエンジンまたはエレクトリックモーターのいずれを搭載しているかにかかわらず、「1シリーズ」「2シリーズ」「3シリーズ」「4シリーズ」「5シリーズ」「6シリーズ」「7シリーズ」という名称を維持することが可能となるわけですね(現在、7シリーズというとガソリン / ディーゼルエンジン搭載モデルを指し、7シリーズのエレクトリック版だとi7という呼称となっている)。
ただ、この命名法則が導入されるのはノイエクラッセの導入が始まる2025年以降だとされるので、それまではもう少し「BMWのリアトランクやリアハッチが様々な文字列にてあふれる」状況を甘受しなければならい、ということになりそうです。
しかしながらこういった傾向は「ガソリン / ディーゼルモデルと、ピュアエレクトリックモデルとを併売する」BMWだからこそ起こりうる問題であり、「近いうちにすべてのラインアップがピュアエレクトリックカーになるので、内燃機関車と電気自動車とで名称を分ける必要はない」というメルセデス・ベンツのような例も存在します。
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参照:CARSCOOPS