| いずれの自動車メーカーにおいても、ラインナップの多様化に従い、その命名法則がもはや限界に達している |
現在多くの自動車メーカーがその命名法則を見直し中
さて、この2週間でBMWがドイツ特許庁に48もの商標を出願したとの報道。
これはBMWが今後EVを拡充すること、そして2025年以降に発売すると言われるノイエクラッセでは新しい命名法則を採用するということを意味するものと思われますが、これまでの命名法則とは「似て非なるもの」であることがわかります。
参考までに現行モデルの命名法則について触れておくと、たとえば「745e」だと「7」の次の「45」という数字は仮想(バーチャル)排気量を示しています。
たとえば3リッターエンジンであれば「30」という表記を行っていたものの、現在では小排気量ターボエンジンが登場するに際してこの数字の持つ意味が曖昧になり、かつ世界的にエンジンの表記がkW(キロワット)表示へと変更されたことから、今ではこの2桁について「バーチャル排気量」という概念を採用しているわけですね。
-
BMWが「ボディやパーツの色を電気的に変更できる」iヴィジョン・ディーを発表!内外装は新世代へ、そして2025年発売の「ノイエクラッセ」からこれら技術を順次採用
| BMWはこれまでのiシリーズを見てもわかるとおり、強い「未来志向」を持つようだ | 今思えば、以前から先進的な操作系を取り入れるなど、常に新しいインターフェースを取り入れてきた さて、現在ラスベガ ...
続きを見る
そして最後の小文字は駆動技術を示しており、ガゾリン車(インジェクション車)には「i」、ディーゼル車には「d」、「e」は電動化車両、xDriveは4WD、sDriveは前輪駆動または後輪駆動を示し、XおよびZモデルでのみ使用されます。
ただしここ最近増えつつあるピュアエレクトリックモデルでは「i4」のようにiをシリーズ名の前に付与する例が一般化しつつあり、様々なパワートレイン、様々な技術が混在する現在では色々と整合性を取りにくくなってきたのもまた事実。
-
BMWが自ら「モデルネームの数字や英文字はこう読み解く」と解説。かつてはルールがなく個別に命名されており、現在の命名法則ができあがったのは1972年
| おそらくはBMW自身、ここまでラインアップが拡大するとは考えてもみなかったのだろう | いくつかの例外はあるものの、おおよそわかりやすい命名になっていると思う さて、様々な自動車メーカーが様々な命 ...
続きを見る
新しいBMWの命名法則はこうなっている
そこで新しいBMWの命名法則を見てみると、i、X、iXを接頭語に持つ多数の名称を商標登録しており、例えばiX750、X750、i750、といったものが見られ、iX750だとおそらくはX7のピュアエレクトリックモデルでバーチャル排気量が5リッターあたりということになるのかも。
X750だと、これまでのX7 M60iのようなモデルがこれに改められることになりそうで、つまりは今後「X7」というモデルはなくなり、X740、X750、X760といったシリーズに置き換えられると考えられます。
そのほか、唯一「M」という文字を持つものとして「M350」が出願されており、これは現在の「M330」「M340」に対する追加だと捉えてよいかと思われ、今後M+3桁モデルについても、5リッター並みのパワーが与えられるという意味なのかもしれません。
今回出願された新しいBMWの商標はこちら
ポイント
BMW 1シリーズ
- i118
- i120
- i130
- i140
BMW X1系
- X130
- iX120
- iX130
BMW X2系
- iX220
- iX230
- iX240
BMW 3シリーズ
- i320
- i330
- i340
- M350
BMW X3系
- X320
- X330
- iX330
- iX340
- iX350
BMW 4シリーズ
- i420
- i430
- i450
BMW X4系
- X420
- iX430
- iX440
- iX450
BMW 5シリーズ
- i530
- i550
BMW X5系
- X540
- X550
- X560
- iX540
- iX550
- iX560
BMW X6系
- X640
- X650
- iX640
- iX650
- iX660
BMW 7シリーズ
- i740
- i750
- i760
BMW X7系
- X740
- X750
- X760
- iX740
- iX750
- iX760
合わせて読みたい、BMW関連投稿
-
BMWのデザイナー「中国だとBMWは高級品、米国だとスポーティーなクルマだと認識されています。一方、リッチな人々の嗜好は多様化し、単に高級なだけでは満足しない」
| ここ数年の、BMWにおける「デザインとマーケティング」との結びつき、その戦略には目をみはるものがある | おそらく、これらの成果によってしばらくはBMWはのリードが続くだろう さて、世界各地におい ...
続きを見る
-
BMWがSUV向けの新型ガソリンエンジンを開発中と報じられる。なぜBMWは他社が電動化に向かう中でガソリンエンジンにこだわるのか
| BMWはトヨタ同様、EVオンリーの未来に異議を唱える自動車メーカーのひとつであるが | それでも次世代EV「ノイエクラッセ」の開発などエレクトリック化にも進んで対応する姿勢を見せている さて、現在 ...
続きを見る
-
BMWがエレクトリックモーターの制御に関する新技術を特許出願!パフォーマンスを失わずに航続距離を確保する「新型デフ」装備、これはなかなか面白そう
| 各社ともEVのパフォーマンスと効率とを両立させる様々な技術を開発中、ここへきて各メーカーの「色」が出てきたようだ | 意外と自動車メーカーによって技術の「差」が出るかもしれない さて、電動化時代に ...
続きを見る
参照:CARBUZZ