| 一部顧客はクルマに対して投じる金額に制限を設けない |
自動車メーカー側もそういった顧客の要望に応じる必要があり、新たなチャレンジが要求される
さて、マクラーレンがその限定ハイパーカー「エルバ」の新たなる特別モデルを公開。
これはベトナムのオーナーがオーダーした車両だと紹介されており、現地ディーラーであるマクラーレン・ホーチミンを通じ、おなじみマクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)がその依頼を実現した一台なのだそう。
なお、ボディ表面に施される「アート」を手掛けたのはフランス人アーティストのホム・グエンで、同氏は具象的な肖像画や抽象画にて知られているようですね。
最新のマクラーレン「エルバ」カスタム仕様はこんなクルマ
このマクラーレン・エルバのボディカラーはブラック、そしてその上に描かれるのはホワイトの細いライン、さらにオレンジのアクセント。
このホワイトのラインはフロントフードはじめフェンダー、ドア、リアフェンダーなど全体に描かれており、よくよく見るとこの細いラインは「人の顔や上半身」を描いており、一見するよりもずっと奥深い内容を持っているようですね。
このホム・グエンを”指名”したのはおそらく(エルバをオーダーした)ベトナム人オーナーだと思われ、ホム・グエンはFacebookを通じて「マクラーレンと仕事ができたことを嬉しく思う。マクラーレン・グループで働く機会を与えてくれて感謝している」とコメントしています。
なお、こういった「ボディ上にアートを描く」例は「アートカー」として各自動車メーカーが過去にも積極的に取り組んでおり、しかしそれらは何らかのイベント用であったりすることがほとんど。
つまり今回の例のように「個人向けとして、自動車メーカーが製作する」ことは非常に稀であったと記憶していますが、ここ最近ではブガッティ・シロン・ゴールデンエラ、そして今回のマクラーレン・エルバのように「ボディ表面にアートを描いた個人向けのクルマ」がいくつか登場しています。
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その理由としては「新しい技術が開発され、ボディ上へのペイントならびに耐久性を持たせることが可能となった」ことが考えられますが、スーパーカーやハイパーカーのオーナーが「普通のカスタムでは飽き足らなくなった」「スーパーカーやハイパーカーオーナーがカスタムにかける金額が天井知らずになってきた」ということが考えられ、こういった状況が加速するようであれば、今後はもっと驚くような「メーカー純正」カスタムカーがリリースされることになるかもしれませんね。
そしてもちろん、それを実現する段階では「VIPカスタマーによる様々な注文」を視覚化するために様々な手段を研究し実用化する必要が生じるものと思われ、カスタムの多様化は同時に「ハイエンドカーメーカーの仕事が多様化している」ことを意味しているのだとも考えてよく、それはロールス・ロイスが近年発表しているワンオフモデルを見てもうかがい知ることが可能です。
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