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アストンマーティン「ラゴンダSUVコンセプト(2009)」が中古市場に。当時はまだSUVブーム初期でありデザイナーもSUVに慣れていなかったことがよく分かる

2023/11/07

アストンマーティン「ラゴンダSUVコンセプト(2009)」が中古市場に。当時はまだSUVブーム初期でありデザイナーもSUVに慣れていなかったことがよく分かる

| ラゴンダブランドは何度かリブートが図られるも成功には至らず |

おそらくは当分その復活のチャンスはやってこないだろう

さて、どういった経緯がその背景にあるのかはわからないものの、アストンマーティンが2009年に発表した「ラゴンダSUVコンセプト」が競売に登場。

このラゴンダSUV コンセプトは実際に2009年のジュネーブ・モーターショーに出展されており、スタイリングを担当したのは現在もアストンマーティンにてデザイン部門の責任者を務めるマレク・ライヒマン氏です。

なお、このラゴンダSUVコンセプトはアストンマーティンの前前CEO、アンディ・パーマー氏時代に企画されたもので、結果的には発売がなされず、つまりは失敗に終わった悲運のクルマ。

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アストンマーティンはラゴンダブランドを「アストンマーティンの高級版」としてリブートする意向を持っていた

ラゴンダは英国の高級車ブランドであり、1947年にアストンマーティンに買収されるものの、しばし休眠状態にあり、そこでアストンマーティンはこのラゴンダを高級車ブランドとして復活させるという計画を打ち出すことになり、そこで登場したのがこのラゴンダSUVコンセプト。

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しかしながら(上述の通り)この計画はうまく進まず、2014年に登場したのがアストンマーティン・ラピードをベースとする「タラフ」で、これは当時珍しい「招待制」によってしか購入できない超高級セダンであり、しかしのちにこの「招待制」を採用するメーカーが増えたので、アストンマーティンが採用したこの手法は画期的(先駆的存在)であったのかもしれません。

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その後もラゴンダブランドのリブート計画が持ち上がるも、コロナウイルスのパンデミックによってその計画も潰えてしまい、今後当分はラゴンダからニューモデルが登場することはないというのが現在の状況です。

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その意味においても、このラゴンダSUVコンセプトはかなり希少な存在ではあるのですが、見ての通り珍妙なルックスを持っており、その理由の一つは「当時、マレク・ライヒマン氏含め、(まだそのセグメントが存在しなかったので)ラグジュアリーSUVのデザインに長けたデザイナーが存在しなかったから」で、そのデザインの難しさからマレク・ライヒマン氏は「どうやっても高級SUVを格好良く作ることはできない」という弱音を吐いたほど。

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参考までに、同時期(2006年)に発表されたスパイカーの「D12 Peking to Paris」はこんなルックス。

ベントレーがベンテイガを発表する前のSUVコンセプト、EXP 9F(2012年)はこんなデザインを持っていて、発表直後には酷評の嵐であったためにベントレーはベンテイガの発売までに「デザインのやりなおし」を強いられることとなったといいますが、10年ほど前までは「格好いい高級SUV」のデザインが非常に(デザイナーが不慣れなために)難しかったということもわかります。

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ただ、時代の変化とは恐ろしいもので、ここ数年、若手デザイナーだと「SUVしかデザインしたことがない」ケースもあるといい、逆にそういったデザイナーは「セダンやスポーツカーをデザインできない」とされ、いろいろと考えさせられるものがありますね。

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ラゴンダSUVコンセプトにはV12エンジンを搭載

そしてこのラゴンダコンセプトには「(DB9やDBSに搭載されていた)V12エンジン」が積まれていて、アストンマーティンらしい一台であるのは間違いなさそう。

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ちなみに走行距離は「0km」だそうですが、これは現時点では公道走行ができないためで、しかし売り手いわく「ちょっとした改装にて公道走行が可能になる」。

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その他の装備だとカーボンセラミック レーキとエアサスペンション、そして22インチ サイズのツイン5スポークアルミホイールなどがアナウンスされています。

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インテリアはピアノブラックのアクセントを加えたビターチョコレートとマグノリアのツートンカラー仕上げ。

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全体的にニュルっとした曲線を多用しており、アストンマーティンとは異なる高級さを出そうとした苦労を伺うことが可能です。

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スイッチ類の形状も現代のトレンドとは全く異なり、これはこれで(時代の変遷を目撃するという意味で)面白いのかもしれません。

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参照:Collecting Cars

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