BMW M2の顧客のじつの50％がマニュアル・トランスミッションを選んでいた。BMWはこれを受けてかZ4にもMTを設定することに

｜　BMWはアウディ、メルセデス・ベンツとは異なって比較的マニュアル・トランスミッションを重視している　｜

ほんの数年前とはMTに対する考え方がまったく変わってきている

さて、BMW M2は「マニュアル・トランスミッションをラインアップする最後のMモデル」であるとされますが、2023年の米国だとM2を購入した顧客のおよそ50％がMTを選んだ、とのこと。

なお、M3とM4でマニュアル・トランスミッションを選んだ顧客は（両方とも）20％ほどであったと伝えられていて、これはM3とM4の顧客の問題ではなく、これらについてMTを選べるのは「ベースモデル」のみであること、コンペティション、CSS、CSLではそもそもマニュアル・トランスミッションの設定がない、ということがその（M2よりもMT比率が低い）理由だと思われます。

BMWは北米市場でZ4にMTを「導入」

ちなみにですが、BMWは北米市場向けのZ4につき、これまでZF製のオートマチック・トランスミッション車のみを販売していたものの、2024年からはマニュアル・トランスミッション車の導入を決めており、これはM2発売以降からの強いMT需要を反映したものだとも考えられます（MTの導入を正当化するのに十分な潜在需要があることが明らかになった）。

こうやって見るとマニュアル・トランスミッション車の人気が復活したように見えますが、北米市場の新車販売におけるMT比率はわずか1％程度であり、そしてこれはもちろん「MTを選べるクルマがそもそも少ない」という事実をもあらわしていて、いかにMT車を選ぶ人が増えようとも、市場に与えるインパクトは「ほとんどない」ということがわかりますね。

MT比率は自動車メーカーの想定よりもずっと高い

なお、BMWがM2についてどれくらいのオーナーがMTを選択すると想定していたのかはわからないものの、Z4にもマニュアル・トランスミッションを導入すると決めたくらいなので「実際のMT比率は想定よりも高かった」と考えてよく、そしてGRスープラだと想定の倍の50％がMTを選んでいるという報告もあり、スポーツカーにおいてはMTを選択する人がけっこう多いということになりそうです。

参考までにポルシェ911GT3だと70％、パガーニ・ユートピアだと60％の顧客がマニュアル・トランスミッションを選んでいるそうなので、「マニュアル・トランスミッションを選ぶことができる場合」だと比較的多くの顧客がMTを選んでいると考えてよく、これはやはり「今後、MTを選択することができなくなる」という飢餓感がそうさせるのかもしれません（一部の人は将来的な価値向上を見込んでいるのかもしれない）。

いずれにせよ、現代ではスポーツカーの選択肢そのものが少なく、そして欲しいと思ったスポーツカーにマニュアル・トランスミッションが用意されている確率は高くはなく、なにかとクルマを「自由に選びにくい」時代になったのかもしれませんね。

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参照：Jalopnik