フェラーリが「シートとペダルとステアリングがセットになって左右にスライドし」センターシートレイアウトを実現する特許を出願

｜　フェラーリは常にドライビングが「ファン」になる要素を追求し続けている　｜

そしてフェラーリはそのために様々なテクノロジーを活用することを厭わない

さて、フェラーリはこれまでにも様々な特許を出願していますが、その内容はけっこう突拍子もないものが少なくはなく、しかしそれらほとんどに共通するのが「ドライビングエクスペリエンスとパフォーマンスの最大化」。

その中には「ゴースト」や理想的なレーシングラインを投影し、より効率的な、そしてより刺激的な走りを実現する方法や、スラスターを内蔵しビークルダイナミクスを高める方法、さらにはタイヤが（サスペンションの挙動によって）上下してもホイールハウスとのクリアランスが変化しない方法など多種多様。

今回のフェラーリの特許は「可動式ドライビングポジション」

そして今回フェラーリが出願した特許が「可動式ドライビングポジション」とも呼べるもので、これは簡単に言えば「シートとステアリングラック、ペダルセット」がまとめてキャビン内を可動するというもの。

つまりクルマの中にレーシングシミュレーターのようなものが入っていて、それがクルマの中を左右に動く（スライドする）ことによって「左ハンドル」「センターハンドル」へと変化します。

出願された特許を見ると「シングルシート」が基本となっており、「左ハンドルかセンターハンドルか」という選択肢となっていますが、センターハンドルへと変化させる目的は「ロールセンターの最適化」だと思われ、よってこれが装着されるとすればサーキット走行を主眼に置いたモデルであり、もしかすると助手席の装着はないのかもしれません（助手席が装着されているとセンターハンドルへと移動できない）。

もしくは「サーキットに到着したら助手席を外すことができる」構造を採用するのかもしれませんが、そこまでして「左ハンドルとセンターハンドル」との変化を可能にしようと考えたのは「一部の国では（公道走行の際に）センターハンドルの認可がなされていない」からだとも考えられます。

仮に公道走行というファクターを排除したサーキット走行専用モデルであれば、最初から「センターハンドル」採用で問題はないかと思われますが、わざわざ座席を（ペダルボックスとステアリングラックごと）移動させるのは”自走してサーキットへゆく”ことを前提としているのかもしれません。

ただ、出願されたこれらの特許が実際にクルマに反映されるのかどうかはまったくわからず、しかし少なくともその「考え方」が部分的にであっても車両の設計に取り入れられることになるのは間違いないと考えていて、そういった「未来のフェラーリ」を想像してみるのもまた楽しい、と思います。

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参照：CARBUZZ