| フェラーリは様々な「ユーザーフレンドリー」な特許を出願している |
その排他的イメージとは裏腹に、多くの人にそのパフォーマンスを体験して欲しいと考えているようだ
さて、これまでにも多数の特許を出願しているフェラーリですが、内容として多く見られるものが「サーキット走行を楽しむ」というたぐい。
しかもプロフェッショナル向けではなく、通常のスキルを持つドライバー、もしくは初心者でも楽しく安全に、かつ速く走れることを目的としたものがいくつか見られ、これは「コンマ数秒を削るF1を主戦場とする」、そして世界最速に属する部類のスーパースポーツを発売するフェラーリのイメージからすると意外なところかもしれません。
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今回フェラーリが出願した特許は「リアルとバーチャルとの融合」
そして今回フェラーリが出願した特許はなかなかに興味深いもので、簡単に言えば「実車でサーキットを走るドライバーと、自宅でコンピューター等を通じオンラインでバーチャルカーとを走らせるユーザーとが、お互いに、同じサーキットでリアルタイムに競い合える」というもの。
もうちょっと突っ込んで説明すると、この「リアルなクルマ」と「バーチャルカー」はインターネットを介してリンクしており、リアルなクルマのウインドウやルームミラー/サイドミラーにはバーチャルカーがちゃんと投影され、バーチャルカーを駆るユーザーの画面にはリアルカーが表示されることとなります。
この「物理世界と仮想世界の境界線をなくしてしまう」パテントはフェラーリが米国特許商標庁(USPTO)に申請したもので、ドライバーはヘッドアップディスプレイやホログラム、もしくはVRゴーグル等を介して現実世界へと投影されたバーチャルカーを目にすることとなるもよう。※下の画像だと、黒っぽいクルマがバーチャルカーだと思われる
本特許にて解決できる問題は非常に多く、たとえばサーキットイベントが開催されたとして、そこへ参加できなかったドライバーはオンラインにて仲間たちとのサーキット走行を楽しむことができ、しかも現実のクルマどうしでは難しい「白熱したバトル」も実現可能に(お互いに衝突する心配がない)。
そしてバーチャルカーを運転するドライバーは逆に画面上でリアルカー(もしくはほかのバーチャルカー)を確認することが可能です。
あるいはバーチャルカーだけでの走行も可能となるのかもしれず、離れた場所に住む友人同士と同じコース上にてスキルを競うこともできるわけですね。
なお、この特許の実現するにあたり、すでにベースとなる技術は存在しており、あとはハードウエアのクルマやサーキットへの実装、そしてバーチャルカーをコントロールするユーザーがどういったハードを使用するかなどの問題になってくるかと思われますが、BMWもすでに現実世界と仮想世界とを融合させるプロジェクト「///Mixed Reality」を発表しうており、こちらはリアルワールドのドライバーがVRゴーグルを装着することでバーチャルワールドとリンクすることになります。
ゴーグル着用のわずらわしさは残るものの、この方法だとクルマにヘッドアップディスプレイなどを装着する必要もなく、「安価に、お手軽に、そしてすでに所有しているクルマでもデバイスの追加なしに」楽しむことが可能となり、あらゆる人が、あらゆるクルマでこういったサービスを楽しむことができるものと思われ、にわかに現実性が増すことに。
なお、フェラーリの現在のCEOは(自動車業界ではかなり珍しい、自動車業界の出身ではない)エレクトロニクス業界出身者で、よってこういったデジタル関連特許の出願に繋がるのかもしれませんが、もしこれらが実現すれば、今までとは異なるクルマの楽しみ方もできるようになるのかもしれません。
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参照:CARBUZZ