| ただし年代や使用状況によって「EV購入検討」状況に違いがあり、一部ではEVに対する興味も伺える |
いずれにせよ、自動車メーカーは「課題」が明確になっているだけに”やること”が決まっている
さて、アメリカにて行われた最新の調査では「EVの購入を検討する人の割合が昨年から減った」ことが明らかに。
ただし昨年から今年にかけては「購入できるEVの種類」が大幅に増えており、しかしその中でEV購入検討者が減少しているということは、やはり昨今報じられるように「EV全体に対する興味、関心が薄れている」と捉えることができるのかもしれません。※実際のところ、EVの”ヒット”モデルも登場していない
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参考調査会社「現在、自動車購入検討者の半数はEVを否定するEV懐疑論者です。ですが、5年後には彼らの50%、9年後には70%、10年後には80%がEV購入を検討するはずです」
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アメリカ人の主な心配事はEVの「充電」である
今回の調査を行ったのは(品質調査等でおなじみの)JDパワーで、年次電気自動車検討(EVC)レポート作成のため、1月から4月にかけて8,000人以上のドライバーを対象にアンケートを実施しています。
その結果、EVの購入を検討する可能性が「非常に高い」と答えた人の数は24パーセントで、これは昨年の26パーセントからわずかに減少した数字です(ただし、上述の通りEVの選択肢は増加している)。
さらには購入する可能性が「比較的高い」と答えた人も減少し、こちらは61%から58%に低下した、とアナウンスされています。
Y世代(1980年代初頭から1990年代半ばまでに生まれた世代)は、新しいEVに最もお金をかける可能性が高い年齢層であり、昨年「EVの購入を検討する可能性が非常に高い」と答えた人の割合は32%、そして今年は27%へ。
さらにそこからもう一つ若いZ世代(1990年代半ばに生まれた世代)でも同様の傾向が見られ、これら世代がEVの積極検討を行わなくなった理由は「電気自動車の車両価格がガソリン車よりも高いから」だとされ、ここは電気自動車そのものよりも、昨今のインフレ、そしてそれによってクルマにかけることができるお金が減ったことが理由であるとも考えられます。
ただ、全体的に見ると、EV購入を妨げる最大の理由は「充電インフラ」で、 現在アメリカ国内で利用できる充電ステーション数が1年前よりも増えているにもかかわらず、「充電環境が心配なためにEVの購入を見送る」とした人の数は3%増の52%にものぼることに。※このほか、EV購入を妨げる理由として挙げられているのは充電時間、後続距離、金利等である
そしてちょっと興味深いのは比較的長距離(46~60分)を運転するドライバーにおける「EV購入に積極的」な割合が37%から24%へと大きく下落したこと、逆に「セカンドカー」の購入を考えている人でEVを積極購入するとと耐えた比率が47%から68%へと大きく上昇したこと。
やはりEVの課題は「価格」「充電」である
こういった傾向を見ると、「メインのクルマ」としてEVを使用したいと考える人は減っていると考えてよく、その理由は「価格」「充電インフラ」。
加えて年齢層が低くなればなるほど、おそらくは平均所得がまだ高くないためにEVを(金利負担とともに)高いと感じていて、逆にセカンドカーの購入を考える裕福な人はあまりEVの割高さ、航続距離の短さや充電環境が気にならないという傾向も見て取れます(セカンドカーとしての購入検討割合が上昇しているところを見ると、EVに対する興味が市場全体から失われたわけではない)。
そう考えるならば、やはりEV普及のカギは「価格」「充電環境」であると考えられ、これらが改善されればより多くの人がEVに対して目を向けることになるのかもしれませんね。
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