| ただしいつもどおりに「不具合はオンラインアップデートにて修復可能」 |
アップデートに起因して別の不具合が生じるのは珍しい
さて、テスラが694,304台の車両に影響を与えるリコールを発表し、対象となるのはサイバートラック、モデル3、モデルYの3台、そして問題の内容としては”タイヤ空気圧センサー”。
具体的にはタイヤ圧センサーが再起動せず、正確な数字を表示しない可能性があるというものです。
そしてこの原因は例によって物理的な故障が原因ではなく「ソフトウエアの不具合」によるもので、このソフトウエアの不具合は”2024年10月から2024年12月までにリリースされたOTA(オーバー・ザ・エア)によるアップデート板”によって引き起こされており、つまりは珍しく「アップデートしたがために(予期せぬ)トラブルが発生した」、ということに。
TPMSがオフになることでタイヤ圧に関する警告が表示されない
アメリカ道路交通安全局(NHTSA)に届け出られたリコール文書によると、影響を受けた車両では、タイヤ圧監視システム(TPMS)が低圧を検出した後、ドライブサイクル間で警告灯が消えることがあり、これが米国の規定に準拠しておらず、警告灯が消えることで「ドライバーが低圧警告に気づかず、またはドライバーが初期の警告が誤りだった、もしくは気温の変化でタイヤ圧が戻ったと勘違いする可能性がある」とされています。
この現象は2024年モデルのサイバートラック、2017年から2025年のモデル3、2020年から2025年のモデルYに影響を与え、ソフトウェアアップデート「2024.38.3」から「2024.44.1」、およびFSD(完全自動運転)バージョン「12.5.5.1」から「12.5.6.3」、および「13.0」に関連して発生するのだそう。
解決策として新しいOTAアップデートを提供
テスラは2024年11月6日にこの問題を発見し、12月2日にその原因を特定していますが、さらには12月10日にリコールを決定し、現時点では76件の保証請求があることを確認しています(幸いなことに、事故や負傷は報告されていない)。
影響を受ける700,000台の車両はテスラ得意のオンラインアップデート(OTA)によって修復され、対象車両を所有するオーナーには2025年2月15日から通知がなされるとともに、その後に配布される無償ソフトウェア「2024.28.200」以降のバージョンにて不具合が解決される、とアナウンスされています。
合わせて読みたい、テスラ関連投稿
-
今回ばかりは無線アップデートでの解決不可。テスラがモデルXの「ルーフのパーツが飛んでゆく」として約1万台にリコール実施、物理的な修理が必要に
| テスラがモデルXのルーフにリコールを発するのは今回が「2回目」 | ただし「何かが飛んでゆく」リコールは他の自動車メーカーを含めても珍しくはない さて、テスラは比較的リコールが多いことでも知られま ...
続きを見る
-
テスラ・サイバートラックに「6度目の」リコール。テスラにしては珍しく、しかしサイバートラックには多い「物理的な故障」。これもテスラの前進の結果だと捉えている
| サイバートラックのリコールのほとんどは「無線アップデートでは改善しない | それでもテスラは(いつもどおり)真摯に不具合と向き合っている さて、テスラ・サイバートラックが発売以降「6度目の」リコー ...
続きを見る
-
テスラが「2021年以降に販売したほとんどすべて」の車両、185万台に”ボンネットが閉まっていないことを警告できない”としてリコール届け出。改善は無線アップデートにて
| テスラは無線アップデート(OTA)によってそのオペレーションコストを大きく削減できている | 設計思想と手順の相違により、既存自動車メーカーはなかなかこれを取り入れることができない さて、テスラが ...
続きを見る
参照:NHTSA