| ボクにとっての「GTI」はゴルフではなくプジョーである |
フランス勢がドイツ勢を出し抜く

さて、「GTI」と聞くとフォルクスワーゲン・ゴルフを連想する人も多いかと思いますが、ぼくにとってのGTIというとやっぱり「プジョー」。
そして今回、プジョーが「E-208 GTi(プジョーのGTIは”I"が小文字である)を発表していますが、これはフォルクスワーゲンが2023年に電動版GTIコンセプトを発表して以来、正式な市販モデルを待ち望む声が高まる中で「プジョーがVWを出し抜いた」形となります。
そしてこのE-208 GTiは「完全電動版」といえどそのスピリットはしっかり継承され、2020年に内燃機関版「308 GTi」が生産終了となった後、今回の「E-208 GTi」によって新たな電動パフォーマンス時代が幕を開けるということに。
スペック概要:これが“電動GTi”の実力だ
そしてこの電動版「GTi」の出力はなんと280馬力にも達しており、標準のE-208に比べて+124馬力、+85Nmの大幅パワー / トルクアップとなっています(アバルト600eとほぼ同等のパフォーマンス)。
項目 | スペック |
---|---|
モーター出力 | 280ps(206kW) |
トルク | 345Nm |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) |
0-100km/h加速 | 5.7秒 |
最高速度 | 180km/h |
バッテリー容量 | 54kWh |
充電性能 | 100kW急速充電で10%→80%が約30分 |
航続距離(WLTP) | 350km(標準モデル比 約80km減) |
シャシー&デザインも“走り”に最適化
さらには単なるエレクトリックモーター(出力)の強化だけでなく、本格的なホットハッチらしい装備が随所に光るのが「さすがプジョー」。
加えてフェンダーアーチやグリル、ホイールに入るレッドのアクセントに「フランス車っぽい」オシャレさを感じます。※特にフェンダーアーチの赤いラインは新鮮である
走行性能向上の主な要素:
- 専用スポーツサスペンションで車高30mmダウン
- フロント+56mm、リア+25mmのワイドトレッド
- 18インチ専用ホイール+ミシュランPilot Sport Cup 2タイヤ(215/40 R18)
- リミテッドスリップディファレンシャル内蔵
- 新設計リア・アンチロールバー
- 355mm大径ブレーキディスク+4ピストンキャリパー
- ワンタッチで全てのドライバーアシスト機能をOFFにできる「Sportモード」ボタン
デザイン:伝説の“205 GTi”オマージュ
ボディカラーには、名車205 GTiへのオマージュとして鮮やかなレッドを採用。外観はフロントスポイラーリップやリアディフューザー+LEDフォグなど空力にも配慮していますが、「大幅車高ダウン」「大幅にワイド化」されることでその雰囲気が大きく変わっていますね。
「E-208 GTi」インテリアの見どころ:
そしてE-208 GTiではインテリアの多くも「専用品」へと置き換えられ、ダッシュボード中央にあるラリーコンピューターっぽいデバイスが雰囲気満点。
- 一体型ヘッドレスト付きスポーツシート(205 GTi 1.9をモチーフ)
- 右席側シートには205 GTi 1.6を彷彿とさせるパターン
- アルカンターラ内装、専用マット、レッドバッジ付きステアリング
シートの背もたれや座面は「左右非対称」、そしてレッドのライン入り。
電動ホットハッチの新たな戦国時代
E-208 GTiは、以下のライバルと真っ向から競合することになりますが、ここにフォルクスワーゲンの“電動GTI”が参戦し、まさに「エレクトロホットハッチ戦国時代」。
- アバルト 500e
- クプラ ボーンVZ
- ミニ ジョン・クーパー・ワークスEV
- アルピーヌ A290
- MG4 XPower
デビューは「ル・マン24時間」
このE-208 GTiは、モータースポーツの聖地ル・マン24時間耐久レースの開催に合わせてワールドプレミアがなされていますが、これはプジョーがこのモデルにかける意気込みの表れだと言えるのかも。
そしてこのE-208 GTiは、単なるスペック至上主義のEVではなく、“走る歓び”を次世代に引き継ぐ存在として登場しており、GTiの未来は、赤いライオンとともに加速することになりそうですね。
合わせて読みたい、プジョー関連投稿
-
-
プジョーがまたケッタイなコンセプトカー「インセプション」発表!だがしかし、これに採用される技術のほとんどは2025年までに市販車に投入されるとのこと
| フランスのコンセプトカーは常識的なクルマとはかけはなれたデザインを持つものが多い | 家具や建築物とのコラボなど、異業種にインスパイアされたものも さて、プジョーがラスベガスにて開催中の家電見本市 ...
続きを見る
-
-
まさかのプジョー/シトロエン公式。「どっちも前」なトラック「バック・トゥ・バック」が販売中。普通のトラックに「ニコイチオプション」を選択するとこんな姿に
Image:Citroen | 特定の地域やモノの運搬、災害復旧など特殊な用途での使用を想定しているらしい | 購入者はこれを分割し、それぞれに独自の後部を取り付け、2台の別のクルマとして使用するよう ...
続きを見る
-
-
コンセプトカーなみに芸術的!プジョーが大幅にスタイリングを変更した新型508を発表。ボクは現在のプジョーのデザインに強く惹かれている
| 現在のプジョーのデザインは自動車業界でもトップクラスにオシャレだと思う | そして内装のオシャレさ、内外装デザインのマッチングという点ではプジョーの右に出るものはない さて、現在のデザイン言語を採 ...
続きを見る
参照:Peugeot