
Image:F1rst Motors
|7さすがはドバイ、なんでもアリである |
走行距離ゼロ、極上コンディションの「公道仕様マクラーレンP1 GTR」が販売中
サーキット専用モデルとして設計されたマクラーレンP1 GTR、しかも走行距離「ゼロ」という個体がドバイにて販売中。
さらにこの車両はル・マン24時間を走るレーシングカーの製作、F1マシンのメンテナンスなどで知られる英国のランザンテ(Lanzante)によって公道走行可能な使用へと改造された希少な1台で、販売価格は1230万ディルハム(約5億9000万円)に設定されています。
もともとマクラーレンP1 GTRが市場に出回ること自体が珍しく、しかもこの個体は「デリバリーマイル」を保っており、「いったいどこにこんな個体が隠れていたんだ・・・」といった感じですね。
マクラーレンP1 GTRとは? その過激なスペック
マクラーレンP1 GTRは、2015年にP1の”サーキット専用ハードコアバージョン”として登場しており、販売対象は「マクラーレンP1のオーナーのみ」。
その後、マクラーレン公認のもとランザンテによって公道走行に適合させた改造パッケージが提供され、世界でわずか27台がこの仕様へとコンバートされています(ランザンテはマクラーレンF1のル・マン用マシン、F1 GTRを制作したという経緯からマクラーレンと密接な関係にある)。※一般に公道仕様へと改装されたP1 GTRは「P1 LM」と呼ばれるが、この個体は「P1 GTR」と説明されている
Image:F1rst Motors
そしてこの車両を販売するドバイのファーストモータース(F1rst Mortors)によると、本車両の仕様は以下とおり。
- 高ダウンフォース仕様のエアロキット
・フロントスプリッター
・カナード
・サイドスカート
・リアディフューザー
・固定式大型リアウイング - センターロックホイールと専用エキゾースト装備
Image:F1rst Motors
見たところボディパネル、そしてウインドウモールといったディティールに至るまでもがカーボンファイバーによって成形され、そしてマクラーレンらしいオレンジによる着色がなされ・・・。
Image:F1rst Motors
リアディフューザーなど一部カーボンパーツは「レッドクリア」仕上げ。
公道仕様でもレーシングカーの魂はそのまま
このマクラーレンP1 GTRは「公道仕様」とはいえ、インテリアは完全なレーススペック。
- 内装はほぼストリップ(剥き出し)状態
- レザー仕様のレーシングシートとステアリング
- レッドカーボンによる装飾パネル
まさに「ナンバー付きレーシングカー」と呼ぶにふさわしい存在です。
Image:F1rst Motors
ステアリングホイールも「まんまレーシングカー」。※ウインカー操作をどうやって行うのかはナゾ
Image:F1rst Motors
インテリアにもカラーカーボンが導入され、公道仕様へのコンバートとあわせ、美観そして芸術性の向上が図られているようですね。
Image:F1rst Motors
マクラーレンP1 GTRのパフォーマンスはP1を凌駕
ここでマクラーレンP1 GTRについて振り返ってみると、これはマクラーレンF1 GTRが1995年のル・マン24時間レースで優勝してから20周年を記念して2015年3月に公開されており、以下のような特徴を持っています。
- サーキット専用モデル:公道走行は想定されておらず、純粋なサーキットでのパフォーマンスを追求するために設計。
- 究極のドライバーズカー: パフォーマンス、グリップ、エアロダイナミクス、ダウンフォースがロードカーのP1からさらに向上しており、サーキットで最高のドライビング体験を提供することを目指している
- 「GTR」の称号: マクラーレンが最初にGTRの名称を使用したのは、ル・マン24時間レースで優勝したMcLaren F1 GTRであり、P1 GTRにもその栄光の称号が与えられる
- カスタム・プログラム: 購入者には、車両のフィッティングや、デザインディレクターやマクラーレン・ドライバー・フィットネスチームによる専門的なコンサルティング、さらにはF1の開催サーキットでのP1 GTRオーナー限定のドライビングイベントへの参加権利も含まれていた
Image:F1rst Motors
性能とスペック:
- パワートレイン: P1と同じ3.8LのツインターボV8エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。P1の916PSからさらに向上し、システム合計で1000PSを発揮
- 加速性能:0-100km/h加速は2.8秒、0-200km/h加速は6.8秒、最高速度は350km/h
- エアロダイナミクス:大型リアウイング(DRS付き)、大型フロントスプリッター、ルーバーなど、アグレッシブなボディフォルムと空力パーツが特徴で、強力なダウンフォースを発生させる
- 足回り:低く固定されたレース専用のサスペンション、19インチのモータースポーツ用軽量アロイホイール、クイックリリース式のセンターロック・ナットなどが採用
- 軽量化:P1から約100kgの軽量化が図られる
- エキゾースト: センター2本出しのインコネルとチタン合金製エキゾーストシステムが採用され、「マクラーレン・サウンド」を強調
価格と生産台数:
- 価格:約3億円~3億5000万円程度とされ(当時のレートやオプションによって変動)、これにはサーキットプログラムや車両輸送費なども含まれる
- 生産台数:P1の生産が完了した後の2015年6月以降に製造され、総生産台数は30~35台程度と非常に限定的
F1rst Mortorsではフェラーリ812コンペティツォーネも販売中
そしてファースト・モータースでは驚くべき在庫を多数保有しており、テーラーメイド・プログラムにて仕上げられたフェラーリ812コンペティツォーネ、そして812コンペティツォーネAも複数台販売中。
あわせて読みたい、マクラーレン関連投稿
-
-
ハイパーカー御三家「ラフェラーリ、ポルシェ918スパイダー、マクラーレンP1」がついに一同に会しドラッグレースを走る。その結果はいかに【動画】
| 当時、これらハイパーカーは驚愕の高性能を誇っていたが | 現代ではこれら技術のフィードバックを受けたスーパーカーたちがさらなる進化を見せている さて、いつも希少なスーパーカーやハイパーカーを集めた ...
続きを見る
-
-
水没したマクラーレンP1が“P1 Evo”として再誕。YouTuberが「1400馬力」「400km/h超え」に挑む世界最速のマクラーレンプロジェクト【動画】
| すでにここまでに2年の歳月を要し、「水没車を復活させるのは容易ではない」ことがわかる | 廃車となったP1が蘇る。“P1 Evo”はマクラーレン史上最速を目指すワンオフ・ハイパーカー 人気YouT ...
続きを見る
-
-
【超希少】世界に5台。マクラーレン P1 カーボンシリーズ、しかもほとんど未走行の車両が約3.1億円で販売中
Image:F1rst Motors | 伝説のマクラーレンP1、その“究極の姿”が市場に登場 | スペックは通常のマクラーレンP1と変わらず、しかし“芸術作品”の域に 「ハイブリッド・ハイパーカー御 ...
続きを見る
参照:F1rst Motors