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| BMWはとにかく「リサイクル」に熱心な企業ではあるが |
あまりに再生比率が高くなると「ちょっと怖い」
BMWが2025年末に発表予定の新型EV「iX3」に関する最新情報を公開。
これによると、リサイクル素材の積極的活用によって製造段階のCO2排出量を大幅に削減し、ライフサイクル全体でガソリン車を上回る環境性能を実現した、と説明されています。
新型BMW iX3では「サステナビリティ(持続可能性)」にも焦点
BMWが2025年末に正式発表予定の新型EV「iX3」に関する詳細を徐々に明らかにしていますが、これまでにはバッテリーアーキテクチャ、車載コンピューター、そして「クルマが発するサウンド」などが明かされています。
そして今回は「サステナビリティ(持続可能性)」に焦点を当てた内容が紹介されており、BMWによれば、新型iX3は単に電気で走るだけでなく、「製造段階から徹底的に環境負荷を抑えたモデル」になるとのこと。
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再生素材の徹底使用、漁網からペットボトル、アルミ缶まで
BMWは新型iX3の製造において再生素材を広範囲に活用しており、たとえば、海洋廃棄物として問題になっている漁網やロープを再利用して前部モーターカバーや車内収納コンパートメントへと使用(これらの部品の約30%は海洋廃プラスチック由来)。
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また、内装のフロアマット、ヘッドライナー、シート表皮などに使用される糸は、すべてリサイクルPET樹脂(ペットボトル素材)から作られたもので、BMWは「将来クルマを廃棄する際も、再びリサイクルしやすくなるよう配慮している」と述べています。
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おまけに、シャシーに使われる鋳造アルミ部品(ホイールキャリアやハブキャリアなど)は80%が再生アルミ、ホイール自体も70%がリサイクルアルミから作られており、これには「アルミ缶」も含まれているため、もしかすると自身が飲んだビールや清涼飲料の缶が「自分のiX3に再利用されている」可能性もありそうですね。
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ちなみに、BMWはドイツのホイールメーカー「Ronal」と協力し、MINIクーパーSEコンバーチブルにて再生アルミホイールのパイロットプログラムも実施しており、iX3のホイールにもその成果が反映されているのだそう。
バッテリーにもリサイクル素材を活用、CO2排出量を42%削減
EVにおける最大の環境負荷要因のひとつである「バッテリー製造」に関してもBMWは抜本的な見直しを図っていて、新型iX3に搭載されるバッテリーにおいては、コバルト、リチウム、ニッケルといった主要鉱物の50%が再生素材。
この改良によりバッテリー生産時のCO2排出量は従来比で42%削減され、加えて、iX3の最終組立工場自体もBMWの他の工場と比べ66%少ないCO2排出量で操業しているとのこと。
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BMW iX3は13,000km走行で「ガソリン車よりクリーン」に
BMWは、新型iX3が「走行中の効率」だけでなく「製造段階の環境性能」においても飛躍的な進化を遂げたと述べていますが、事実、エネルギー消費量は先代比で20%削減されており、ガソリン車のX3と比較しても、13,360kmの走行時点でライフサイクルのCO2排出量が逆転するとしています。
EVは製造段階でガソリン車よりも多くのCO2を排出するとされ、一般に「相当な距離を走らないと」実際にはライフサイクル通じてガソリン車よりもクリーンにならないと言われているのですが、しかしiX3では「ガソリン車よりもクリーンになるポイントがより早く訪れ」、それ以降は走れば走るほど、「ガソリン車よりも環境に優しい」という計算となるわけですね。
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