
| ノイエクラッセは狙い通り「世界を変える」ことができるか
未来を拓くeドライブ:800Vアーキテクチャと最大800kmの航続距離
さて、BMWグループが「2025年7月末、オーストリアのシュタイア工場(Plant Steyr)にて、新世代EV「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」向けとなる第6世代電動パワートレイン「Gen6」の量産を正式にスタートさせた」と発表。
このGen6はBMWのEV戦略の中心を担う革新的な電動ドライブトレーンであり、同工場で生産される初の完全電動駆動ユニットとなります。
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「Gen6」パワートレーンは効率を大きく改善
このGen6パワートレインは、800VアーキテクチャとSiC(炭化ケイ素)半導体技術を採用することでシステム効率を大幅に改善しており、BMWのマーティン・カウフマン氏によると、従来モデル(Gen5)比で以下の改善が実現している、とのこと。
- エネルギー損失:-40%
- コスト:-20%
- 重量:-10%
- 車両全体の効率向上:約+20%
これにより、2026年に登場予定のBMW iX3 50 xDrive(ノイエクラッセ初の市販車)では、最大800kmの航続距離(WLTP)を実現する見込みです。
Image:BMW
エンジン製造の聖地「シュタイア」がeモビリティの中心に
BMWは2022年から2030年にかけてシュタイア工場へと10億ユーロ以上を投資しており、これによって同工場は今後もBMWのパワートレイン生産の中核を担い続けることとなりますが、同工場では現在もガソリン/ディーゼルエンジンの生産が継続されており、しかし今後は最大半数の従業員が電動化部門に従事することになる見込みであると説明されています。
Image:BMW
このシュタイア工場生産されるコンポーネントは以下の通り。
- ローター/ステーター/インバーター/トランスミッション
- 電動モーター用ハウジング(鋳造はドイツ・ランドシュット工場)
特にインバーターは新設のクリーンルーム環境で製造され、BMWの電装開発領域への新たな一歩となっています。
柔軟性の高いモジュラー構造採用、全ノイエクラッセ車に対応
このGen6パワートレインは高いモジュール性を備えており、様々な車種・駆動方式へと対応可能。
BMWはこれによりコスト削減と量産スケーラビリティとの両立を図るとしていますが、新プラットフォーム「ノイエクラッセ」は電動化専用設計となる次世代BMWの中心でもあり、今後数年間で以下のようなモデルが登場予定であることがわかっています。
- iX3(SAV)
- i3セダン
- その他Mモデルの派生も視野に
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参照:BMW