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ランボルギーニがル・マンに続きIMSA GTP参戦を中止すると発表。あまりに早すぎる撤退、モータースポーツ戦略を再編へ

ランボルギーニがル・マンに続きIMSA GTP参戦を中止すると発表。あまりに早すぎる撤退、モータースポーツ戦略を再編へ

Image:Lamborghini

| ル・マン、IMSAハイパーカーの「あまりに早すぎる撤退」は何を意味するのか |

現在のランボルギーニにとって、ハイパーカーはそのプレゼンスを強化するには「悪くない」手段だと思われるが

ランボルギーニが「2026年シーズンのIMSA GTP(ハイパーカー)プログラムの一時中断を発表し、そのリソースと注力をGT3およびワンメイクシリーズ”スーパートロフェオ”へと再配分する」と発表。

これは「戦略的転換を」によるものだと発表されていますが、この決定の一環として、サンタアガタ(ランボルギーニ)本社で完全自社開発された新型レースカー「テメラリオ(Temerario)」シリーズが先日発表され、GT3およびスーパートロフェオ両カテゴリーに投入されることとなります。

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ハイパーカープログラムは「見直し」、GT3とスーパートロフェオに原点回帰

今回の公式発表によると、ランボルギーニは「(モータースポーツにおける)ハイパーカーカテゴリからの撤退」について、「ル・マンやIMSAなどトップカテゴリーでの存在感を高めるため、ハイブリッド・プロトタイプレースカーの開発を進めていたものの、しかしながら、開発が進む中で予想を大きく上回る予算と技術的複雑性が判明し、加えて、当初計画していたレギュレーションや商業的な前提条件にも変化が生じ、GTPプログラムの中断という苦渋の決断が下された」とコメントしています。

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Image:Lamborghini

つまり、投下するコストに対して適切なリターンが得られないというのが今回の撤退の真相かと思いますが、参戦から「わずか数シーズン」という短い期間での判断となり、実際のところそのコストは「とんでもない重荷」だったのかもしれません。

加えて、ランボルギーニはもともと(創業者である)フェルッチオ・ランボルギーニの「モータースポーツには参戦しない」という社是でも知られ、公道走行が可能なGTカーやスーパーカーに特化してきたという歴史を持ち、フェラーリとは異なってそのDNAに「モータースポーツ」が組み込まれていないことも関係しているのだとも考えられます(モータースポーツ参戦が商業的な成功やブランディングに”フェラーリほど”寄与しない)。

それでもハイパーカークラスに参戦したのは、前CEOであるステファノ・ドメニカリ氏(前スクーデリア・フェラーリCEO、現F1のCEO)がランボルギーニ在籍時代にその計画を進めていたからだと思われ、現ランボルギーニCEO、ステファノ・ドメニカリ氏が着任した際には「引くに引けない」状態であったのかもしれません。※ただ、このプログラムからテメラリオに積まれるV8エンジンが誕生したことを考慮すると、参戦自体は無駄ではなかったのだと考えられる

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そして思うような戦績が挙がらないいま、ランボルギーニはハイパーカークラスから撤退し、今後はこれまでに192勝/96タイトルを記録した「ウラカンGT3」の後継となる「テメラリオGT3」および新型「スーパートロフェオ」マシンを中心に活動を展開するとしているわけですね。

「テメラリオGT3」はグッドウッドでお披露目済、セブリング12時間でデビュー予定

「テメラリオGT3」は2025年7月のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで初披露され、現在はヨーロッパ各地のサーキットにて開発テストの最終段階に入っているという状態で、2026年3月開催の「セブリング12時間耐久レース」で公式デビューを果たす予定です。

一方、ワンメイクシリーズ用の「テメラリオ・スーパートロフェオ」も年内の発表を予定しており、こちらも完全な新設計モデルになるとされています。

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ただしランボルギーニは将来的なGTP復帰も視野に

ランボルギーニは今回のGTP参戦見送りについて、あくまで「戦略的判断」であり、将来的なトップカテゴリー復帰の可能性を否定しておらず、実際に今後もモータースポーツ活動をブランドの根幹要素の一つと位置付け、情熱と野心を持って新たな挑戦を続けていくと明言しています。

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