
| フェラーリのローンチコントロールは非常に優秀だった |
一方、ケーニグセグは加速時に「制限がかかる」
クルマ好きなら誰もが一度は夢想する「究極のハイパーカー同士のドラッグレース対決」。
今回は、人気YouTubeチャンネル「Carwow」で実現した、フェラーリ SF90XXストラダーレ、そしてケーニグセグ レゲーラとによる規格外の「ハイブリッドカー」ドラッグレースについて見てみたいと思います。
【この記事の要約】
• 頂上決戦: 最高出力1,030馬力の「フェラーリ SF90 XX」と1,500馬力を誇る「ケーニグセグ レゲーラ」がドラッグレースで激突
• ゼロヨンの結果: 静止状態からの1/4マイル加速ではAWDと優秀なローンチコントロールを持つフェラーリが10.2秒で圧勝(レゲーラは11.3秒)
• ローリングスタート: 走行状態からの加速では、1,500馬力のレゲーラが「弾道ミサイル」のような圧倒的な伸びを見せ勝利
• 勝敗を分けた技術: レゲーラ独自の「変速機を持たない」ハイブリッドシステムはゼロ発進時に強烈な熱を発生させ、パワー制限がかかってしまう弱点が露呈する
まさかこの両者が激突する日が来ようとは
今回の動画に登場するのは現地価格約1億3000万円(67万4000ポンド)の「フェラーリ SF90 XX」と約5億7000万円(300万ポンド)もの価値がある「ケーニグセグ レゲーラ」。
どちらも内燃機関に3つのエレクトリックモーターを組み合わせたハイブリッドカーではありますが、そのアプローチは全く異なります。
今回の動画は単なるスピード競争にとどまらず、両メーカーの「設計思想の違い」が明確に表れた非常に興味深い内容となっており、ここで動画のハイライトと両車の強烈な個性について掘り下げてみましょう。
フェラーリ SF90 XXストラダーレとケーニグセグ レゲーラとの勝負内容
今回の対決では、「スタンディング(静止状態からの)1/4マイルドラッグレース」「ローリング(走行状態からの)レース」「ブレーキングテスト」の3つが行われ・・・。
1. スタンディング・ドラッグレース(ゼロヨン):フェラーリの圧勝
静止状態からのレースでは、フェラーリ SF90 XXが10.2秒という驚異的なタイムを叩き出して11.3秒にとどまるレゲーラに対し圧勝することに。
フェラーリは四輪駆動(AWD)と洗練されたローンチコントロールのおかげで、ドライバーが「ただアクセルを踏むだけで簡単すぎる」と語るほど完璧なスタートを切っており、その 一方、後輪駆動のレゲーラは激しいホイールスピンに見舞われてしまいます。
さらに致命的だったのは、レゲーラ特有のシステムが過熱し、車両側からパワー制限(レッドランプ点灯)がかけられてしまった点で、このためタイムが伸び悩んだようですね。
2. ローリングレース:レゲーラの真骨頂
時速10〜20マイル程度からスタートするローリングレースでは全く異なる結果となり、トラクションコントロールによる制限や熱問題から解放されたレゲーラは「本来の1500馬力」を完全に解放して「弾道ミサイル」のようにフェラーリを置き去りに。
3. ブレーキングテスト:実用性のフェラーリ
急ブレーキによる制動距離テストでは「フェラーリが勝利」。
ただしこれには裏話があり、レゲーラのABSのフィーリングが良くなく、タイヤをロックさせて超高額なタイヤをダメにしてしまう(フラットスポットを作る)ことを恐れたドライバーが、途中でブレーキを緩めたため。
ここでもフェラーリの「車としての扱いやすさ」が際立った結果となっています。
車種概要、性能・スペックの比較
両車のスペックと、勝敗を分けた独自のテクノロジーを比較してみると・・・。
• フェラーリ SF90 XX
◦ エンジン:4.0L V8 ツインターボ + 3モーター
◦ 最高出力:1,030 馬力
◦ 最大トルク:804 Nm
◦ 駆動方式:AWD(全輪駆動)
◦ トランスミッション:8速デュアルクラッチ・オートマチック
◦ 車重:約 1,700 kg
• ケーニグセグ レゲーラ
◦ エンジン:5.0L V8 ツインターボ(E85燃料使用) + 3モーター
◦ 最高出力:1,500 馬力
◦ 最大トルク:2,000 Nm
◦ 駆動方式:RWD(後輪駆動)
◦ トランスミッション:変速ギヤなし(シングルスピード)
◦ 車重:1,590 kg
特筆すべきは、ケーニグセグ レゲーラの「変速機(ギアボックス)がない」という極めて特異な構造です。
通常の多段ギアの代わりに、最高速に合わせた単一のギア比と、調整可能なトルクコンバーター(クラッチのような役割)のみを備えるという特殊な構造を持っており、低速域ではエレクトリックモーターの力で走りつつ、コンバーターを滑らせてエンジンストールを防ぎ、高速域になるとコンバーターがロックされてエンジンの全パワーが直接後輪に伝わるという仕組みを持っています。※動画内では触れられていないものの、これは「ケーニグセグ・ダイレクト・ドライブ(KDD)」と呼ばれる独自の革新技術で、トランスミッションによるエネルギー損失を無くし、軽量化を図る目的がある
この構造は一般的なオートマチック・トランスミッションより小型かつ軽量で、しかし発進時にコンバーターを滑らせるため非常に大きな熱を発生させてしまうという側面も。
今回のゼロヨンにおいて、レゲーラが連続走行できず何度もシステム制限に引っかかったのは、まさにこの「独自の単一ギア構造が発する熱」が原因であったというわけですね。
そういった事情もあり、圧倒的なスペックを誇りながらもストップ&ゴーの連続には向かないレゲーラに対し、フェラーリ SF90 XXは伝統的な8速DCTとAWDの組み合わせによって、どんな路面でも確実かつ安全に1,030馬力を叩きつける実用性と信頼性を見せつけたというのがこの動画のあらすじです。
結論
今回のドラッグレースは、現代のハイパーカーがいかに多様なアプローチで「速さ」を追求しているかを如実に示すもので、「フェラーリ SF90 XX ストラダーレ」は、AWDによる圧倒的なトラクションと洗練された電子制御により、誰が乗っても(たとえ相手が1500馬力のモンスターであっても)確実に速さを引き出せる「完成されたマシン」。
一方で「ケーニグセグ レゲーラ」は、ゼロ発進の連続には構造上の弱点があるものの、条件さえ揃えば他のどのクルマも追随できない未知の領域へ突入する「芸術的かつクレイジーなロケット」。
カタログ上の馬力やスペックだけでは語れない、クルマの「構造」や「熱管理」が実際のパフォーマンスにいかに直結するかについて考えさせられる、最高に贅沢な対決であったと思います。
フェラーリ SF90 XXストラダーレとケーニグセグ レゲーラとの加速・ブレーキング対決動画はこちら
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参照:carwow


















