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| マツダがSUVに注ぎ込んだ“サスペンション”の正体 |
マツダは新型CX-5にて乗り心地と安定性を両立
「新型CX-5はSUVなのに、なぜこんなに気持ちよく曲がるのか?」その答えは、世界で最も愛されるオープンカー、ロードスターにあったことが明らかに。
マツダはベストセラーSUVの走りを進化させるため、ロードスターが長年培ってきた「ある法則」を大胆に移植したのだと語っています。
この記事の要約
- ロードスター流の足回り: 「柔らかいスプリング × 硬いダンパー」の組み合わせでCX-5の乗り心地と安定を両立
- 高精度の新ダンパー: ピストン径を拡大し、低速域から繊細に動くリニアな特性へ
- ステアリングの革新: G-ベクタリング制御と4WDシステムの連動により、アナログで濃厚な操舵感を実現
- 進化の思想: キャラクターを変えるのではなく、マツダらしい「意のままの走り」を深化
ロードスターから受け継いだ「魔法のバランス」
マツダR&Dシニアマネージャーのルーベン・アーキラ氏によれば、新型CX-5の開発において最も重視されたのは「キャラクターを変えず、質を高めること」。
そのために採用されたのが、ロードスター譲りの「低周波サスペンション思想」だといい、従来のSUVは車重を支えるためにスプリングを硬くしがちであったものの、新型CX-5はあえてスプリングレートを大幅に下げ、その分を高性能なダンパーで制御するという、スポーツカーのロジックを導入しまたことについて触れています。
特徴:走りを変えた3つの技術革新
1. 新設計のリニア・ダンパー
新型CX-5には、従来よりも大型のピストンと改良されたバルブスタックを持つ、高価なダンパーが投入されており・・・。
- 低速域: 動き出しからしっかりと減衰力を効かせ、ふわふわした揺れを抑制
- 高速域: 突き上げをいなすように減衰を逃がし、快適な乗り心地を維持
2. 進化した「G-ベクタリング コントロール」
さらにはハンドルを切った瞬間にエンジントルクを微調整し荷重を前輪に移動。
これによりタイヤのグリップ力が高まり、ステアリングを通じて「今、クルマがどう動いているか」というリアルな感触(アナログフィードバック)がドライバーに伝わります。
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3. AWDシステムによる直進安定性の向上
4WDシステムがわずかにプリロードをかけることで、前後輪の回転速度を同調させようとする力が働きますが、これによって「クルマを真っ直ぐ走らせようとする力(セルフアライニングトルク)」が生み出され、長距離ドライブでも疲れにくい安定感を実現することに。
新型CX-5 サスペンション仕様まとめ
| 項目 | 特徴 | 読者へのメリット |
| スプリング | 従来より柔らかい設定 | 路面の凹凸を綺麗に吸収し、乗り心地が向上 |
| ダンパー | ピストン径拡大 / リニア特性 | ボディの無駄な動きが減り、高級感のある走りに |
| ステアリング | アシスト量を抑え、フィードバック増 | 車との一体感が増し、運転がもっと楽しくなる |
競合比較と市場での位置付け
同セグメントのライバル(トヨタ RAV4、ホンダ CR-Vなど)が室内空間や燃費効率を最優先する中、CX-5では一貫して「ドライバーズSUV」としての地位を固めてきたというのが今回のモデルチェンジ。
- vs 競合SUV: 快適性では互角以上、ハンドリングの「質感」と「正確性」においては今回のロードスター流の改良によって一歩抜きん出た存在へ
- ターゲット層: 「家族のためのSUVは必要だが、運転する楽しさは諦めたくない」という層に対し、これ以上の選択肢はない
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知っておきたい豆知識:なぜ「バネを柔らかく」するのか?
サスペンションを硬くすれば、カーブでのロール(傾き)は抑えられますが、路面からの衝撃が直接ドライバーに伝わり、乗り心地が悪化します。
マツダが目指したのは、人間の三半規管に優しい「自然な揺れ」で、バネを柔らかくして衝撃をいなしつつ、最新のダンパーで揺れが止まる時間を一瞬にする(揺れが収まらなければ、ドライバーはそれを不安定だと受け取り、安心して走れない)。
これこそが、高級車やスポーツカーが追い求める「フラットライド」の極意というわけですね。
結論
新型CX-5の進化は通常期待される「改良」という域を超え、ロードスターという「走りの原点」に立ち返り、SUVという大きな体躯に繊細な魂を吹き込んだものであることがわかります。
そして「オフロード性能」ではなく、多くの人が通常走るであろう「オンロードでの操作性」を高めてきたところにマツダの本質を見ることができ、以前に紹介した「ステッチ」同様、取捨選択を明確に反映させたモデルチェンジということになりそうですね。
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「柔らかいのに、揺れない。軽い操作なのに、手応えがある。」この矛盾するような感覚こそが、マツダがたどり着いたSUVの理想形と言えるのかもしれません。
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参照:Motor1














