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アストンマーティン ヴァルハラのレビュー一斉解禁。これは「公道を走るF1」か、そして自動車史に名を残す「傑作」たりうるか【動画】

アストンマーティン ヴァルハラのサーキット試乗風景(停止、リアサイド)

Image:Astonmartin

| 伝統を打ち破るアストンマーティンの挑戦 |

1,000馬力超のハイブリッド・ハイパーカーが示す未来

アストンマーティンといえば、フロントにV12エンジンを積んだ優雅なGTカーを思い浮かべる人も多いかと思いますが、しかし、新型「ヴァルハラ(Valhalla)」はその常識を根底から覆すハイパーカー。

当時のアストンマーティンは(数代前の)CEO、アンディ・パーマーCEOのもとで「フェラーリ、ランボルギーニ、アストンマーティン」への対抗策が進められており、その計画のもとで誕生したのがヴァルキリーとヴァルハラです。

なお、当初の計画では新型ヴァンキッシュもミドシップ化して「ミドシップ三兄弟」を構築するはずであったものの、そこから業績が大きく悪化してCEOは退任、さらに計画が変更され、生き残ったのが「ヴァルキリーとヴァルハラのみ」であったわけですね。※ヴァンキッシュのミドシップ化計画は破棄された

アストンマーティン ヴァルハラのサーキット試乗風景(停止、サイド)

Image:Astonmartin

参考までに、ヴァルキリーとヴァルハラのプロジェクトが中断されなかったのは「中断できる段階を超えて開発が進んでいた」からで、そのためにアストンマーティンは「なんとか」これらを発売し、しかし「もう二度とこれほどまでにお金がかかるプロジェクトを実現することはないだろう」ともコメントしています。

つまるところ、ヴァルキリーとヴァルハラは「1代限り」で終了する可能性が非常に高いわけですが、このヴァルハラはV8ツインターボを車体ミッドに搭載し、3基のエレクトリックモーターで武装するという、まさに「ヴァルキリーの弟分」とも呼べる存在です。

1,064馬力という途方もないパワーと戦闘力を持ちながらも直線番長に留まらない「操る楽しさ」を追求した一台であり、今回は各メディアを対象として開催された、スペインでの過酷な峠道とサーキットにおける試乗レビューが「解禁」されており、ここでそのダイジェストをお届けしたいと思います。

アストンマーティン ヴァルハラのサーキット試乗風景(停止、インテリア)

Image:Astonmartin

【この記事の要約:3つのポイント】

  • 圧倒的パフォーマンス: V8ツインターボと3モーターの融合により、システム出力1,064hp、0-60mph加速2.5秒を達成。
  • 緻密なハンドリング: F1譲りのアクティブ・エアロと高度なシャシー制御により、重さを感じさせない軽快で自然な操舵感を実現。
  • 「純粋な運転」の追求: ハイブリッドの複雑さを感じさせない、ドライバーとマシンが一体化するようなダイレクトなフィードバックが魅力。
5年間待った甲斐があったようだ。アストンマーティンが「同社初」てんこ盛りのハイパーカー、ヴァルハラの市販モデルをついに発表。1079馬力、4WD、0-100㎞/h加速2.5秒、限定999台
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アストンマーティン・ヴァルハラの正体

上述の通り、このヴァルハラはアストンマーティンが新時代の「ヘイローカー」として送り出した意欲作。

かつてのコンセプトモデルからは(V6エンジンを中心に)仕様が変更されましたが、製品版はメルセデスAMG由来の4.0L V8フラットプレーンクランク・エンジンをベースとし、そこにアストンマーティン独自の改良(ヘッド、カムシャフト、ターボの刷新)を加えることによってエンジン単体で816馬力を発生し、そこに自社開発のハイブリッドシステムが組み合わされる「4WD」です。

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脅威のメカニズムとスペック

特筆すべきはフロントの左右各輪を駆動する2基のモーター、そしてギアボックスに統合された1基のモーターによる「P2.5」ハイブリッド構成。

これによって緻密なトルクベクタリングが可能となり、コーナーでの旋回性能を劇的に向上させているわけですね。

項目スペック詳細
パワートレイン4.0L V8 ツインターボ + 3モーター ハイブリッド
最高出力1,064 HP
最大トルク811 lb-ft (約1,100 Nm)
0-100km/h加速2.5秒(推定)
車両重量(乾燥)1,655 kg (3,648 lbs)
駆動方式AWD (電気式トルクベクタリング)
推定価格約100万ドル(約1.5億円〜)


性能・デザイン・市場での位置付け

デザインと空力:機能が形を作る

ヴァルハラの外観は、単なる美しさではなく「空力」によって支配されており・・・。

  • アクティブ・エアロ: F1スタイルのアクティブ・フロントウイングや、路面との密着度を高める複雑なフロア構造を採用
  • インテリア: フォーミュラカーのような低いドライビングポジションを持ち、膝が腹部の高さに来るほどのレイアウトながら視界は驚くほど良好

競合比較:ライバルとの違い

市場にはランボルギーニ・テメラリオやフェラーリ 849テスタロッサといった強力なライバルが存在し、しかし、アストンマーティンの開発陣(元マクラーレンのエンジニアら)がこだわったのは「数値」よりも「感触」なのだそう。

ランボルギーニが派手なパフォーマンスを売りにする一方、ヴァルハラは「ハイブリッドであることを忘れさせるほど自然なフィーリング」を特徴としており、エレクトリックモーターの介入がシームレスで、まるで大排気量NAエンジンのようなリニアな加速と、路面情報を正確に伝えるステアリングがドライバーに自信を与るのだ、と説明されています(実際、多くの試乗レビューでは自然さ、そして後輪駆動車のようなフィーリングを指摘している)。


関連情報:知っておきたい「ハイパーカーの新常識」

現代のハイパーカー開発において、1,000馬力超えはもはや「標準」になりつつあり、しかしそこで重要視されているのが「エモーショナルなサウンド」と「軽量性の錯覚」です。

ヴァルハラはフラットプレーンV8特有の荒々しい咆哮に加え、ギアボックスの唸りや電動モーターのキーンという高周波音が混ざり合い、独自のサウンドトラックを奏でます。

また、物理的な重量(約1.6トン)は相当なレベルにあるものの、アクティブ・サスペンションとトルクベクタリングによって、ドライバーの体感では「羽が生えたような軽さ」を感じさせる技術が投入されている、というわけですね。


結論:ハイブリッド時代における「究極のドライバーズカー」

アストンマーティン・ヴァルハラは「エコのため」にハイブリッド化したクルマではなく、最新テクノロジーを「運転の喜び」を増幅させるために使い切った、極めて純粋なスポーツカー。

「1,000馬力は過剰か?」という問いに対し、ヴァルハラはその圧倒的なパワーを誰でもコントロール可能な「自信」へと変換することで回答を示しており、ローレンス・ストロール体制下にて資金と情熱を惜しみなく注ぎ込まれたことによって”アストンマーティンが世界の頂点に立つ準備ができている”ことを証明しています。

富裕層のコレクターズアイテムとしてだけでなく、真に走りを愛する者へのラブレター。それがヴァルハラの本質というわけですね。

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参照:Astonmartin

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