
| この狭い地域に「イスラム」「ヒンドゥー」「仏教」が共存するのは多民族国家のマレーシアならでは |
いずれもそれぞれの宗教の考え方を反映していて面白い
さて、マレーシア クアラルンプール旅行編、今回は「インドと中国の寺院」編。
まずはチャイナタウン(ペタリン・ストリート)近辺にあるスリ・マハ・マリアマン寺院(Sri Maha Mariamman Temple)を紹介したいと思いますが、これはマレーシアを代表するヒンドゥー寺院のひとつであり、市内最古のヒンドゥー寺院としても有名です。
最寄り駅はLRT(Kelana Jaya Line)あるいはMRT(Kajang Line)の「Pasar Seni(パサール・セニ)駅 」で、そこから徒歩5分という非常に便利な立地にあり、概要としてはざっと以下の通り。
スリ・マハ・マリアマン寺院:基本情報
- 建立:1873年
- 場所:Jalan Tun H.S. Lee(チャイナタウンのすぐ近く)
- 宗派:ヒンドゥー教
- 主祭神:女神マリアマン(Mariamman)※病気や災厄から人々を守る守護神として信仰されている

スリ・マハ・マリアマン寺院の見どころ
最大の見どころは、入口にそびえる 色鮮やかなゴープラム(塔門) で・・・。
- 高さ:約23m
- 南インドのドラヴィダ様式
- 数百体の神々や神話上の像がびっしり装飾
細部まで非常に精巧で、近くで見るとまさに「圧巻」といった作りをもっていますが(ヒンドゥー寺院ではこういった仏像が多く見られるようだ)、街なかに突如こういった寺院があるということにも驚かされます(順序からすると、寺院のほうが先ではあるが)。
なお、このゴープラムは俗世と聖域の境目を示しており、つまり、門をくぐること自体が日常の世界 → 神聖な世界へ入るということを意味している、とのこと。

そしてこの寺院に入るには向かって左側の入口へと行き、そこで靴を脱いで預けることとなるのですが(靴を履いたままでは入れない)、入場自体は無料、しかし靴を預かってもらう費用として小銭が必要です(やはり現金は必須)。

そして中にはいるとこんな感じ。
なお、このから風呂な色合いにも意味があり、たとえば「赤:力、生命、守護」、「青:宇宙、神聖さ」、「金:繁栄、神格」、「緑:豊穣、平和」といった具合です。※おおよそ色が意味するところは世界共通であるようだ

なお、礼拝堂の中でくつろぐ人も多く、ここでちょっと一休みさせてもらってもいいかもしれません。
なお、寺院の敷地内にはトイレもあり、トイレの利用は「無料」です。

寺院内の像は「立体の宗教物語」
そして見事なのはあちこちある仏像。
色々な肌の色、そして手の本数があり、それぞれ意味するところがあるのだと思われます。

礼拝場所はいくつかにわかれており・・・。

それぞれに様々な仏像。

なお、これら仏像にも当然ながら様々な意味があって、ヒンドゥー教の神々であれば以下のような役割があり・・・。
- マリアマン女神
この寺院の主祭神で、病気や災厄から人々を守る母なる女神 - ガネーシャ
象の頭を持つ神。知恵・商売繁盛・障害除け - ムルガン(カルティケーヤ)
戦いと勝利の神 - シヴァ、パールヴァティ、ヴィシュヌ
- 神話上の聖獣や守護者

そしてこれら仏像は「物語」を伝える役割も持っており、というのも昔は文字を読めない人も多かったため、像や彫刻が“絵本”のような意味をなし、「文字が読めなくとも」神話や教えを”像を見ながら”理解できるようにしているというわけですね(いわば本としての経典ではなく、立体の宗教物語である)。

こちらは別の地区にあるヒンドゥー寺院(たまたま見かけた)ですが、やはり多くの像があり、ヒンドゥー教の寺院そのものが「視覚的に物語を伝える」ことを目的に建設されているようにも思われます。
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中国寺院「天后宮」はこんな感じ
そして次に訪問したのは「天后宮」。
この天后宮は、クアラルンプールの丘の上に建つ 東南アジア最大級の中国寺院のひとつでもあり、1989年に一般公開され、主にマレーシアの海南系華人コミュニティによって建立されたもの。
クアラルンプールにはたくさんの寺院があって、しかし「イスラム」「ヒンドゥー」「仏教」といったぐあいに、それぞれ異なる宗教によるものである点には注目する必要があり、つまり「それぞれの宗教が争っていない」ということに。

この天后宮の主祭神は 媽祖(まそ/Mazu) であると説明されており、海の守護神・航海の女神として広く信仰され(漁業が盛んであったマレーシアらしい)、中国語の「天后」は“天の皇后”“天上の母”という意味で、そこから日本語でも「天后宮」と呼ばれているわけですね。
祀られている神様
本堂には主に3柱の女神が祀られており・・・。
- 中央:天后聖母(媽祖)
航海安全・旅行安全・商売繁盛 - 右:観音菩薩
慈悲・救済 - 左:水尾聖娘
水辺や生活の守護神

天后宮の見どころ
1. 赤いランタン
天后宮といえば、境内いっぱいに吊るされた 赤い提灯(ランタン) が有名で、特に夕方〜夜はとても幻想的だとされ、写真映えスポットとして大人気です。
ただ、日中にできるランタンの「影」もまたユニークであり、どの時間帯でも楽しめるのがこの天后宮。

2. 丘の上からの景色
高台にあるためクアラルンプールの街並みを見渡すことができ、こちらも日中でも夕刻でもそれぞれ異なる氷上を見せてくれます。

3. 十二支の像
庭園エリアには 十二支の像 が並んでおり(画像の右のほう)、自身の干支を探すのもまた一興。
なお、この干支は「寺院らしからぬ」ファンシーなデザインを持っており、そのギャップもまた面白い、と思います。

天后宮の宗教的な特徴
なお、天后宮は単なる仏教寺院ではなく、
- 仏教
- 道教
- 儒教
といった要素が融合した中国寺院でもあり、そのため日本のお寺とは少し雰囲気が異なっていて、神様の像や龍の装飾が非常に華やかといった一面も。

そしてこういった「お金持ちになりそうな」像などもみられ、歴史のある荘厳な寺院とはまた異なる、親しみやすい雰囲気を盛っています。

なお、入場や参拝は無料なのですが、お金(お布施)を払うとろうそくや線香をもらうことができ・・・。

自分の足跡を遺すことが可能に。
なお、「お参り」の方法はちょっと独特で、しかし実際にお参りをしている現地の人の行動をを見て「そのまま真似れば」OKです。

像の前には「おみくじ」があり、この金属製の筒の上には「たくさんの棒」があるので、それをいったん強く握りしめて持ち上げたのちに手を離して棒を筒の中に落下させ・・・。

最も高い位置にある棒に刻まれた番号(筒と棒とのクリアランスが狭く、手を離しても全部の棒が同じように落下するわけではない)と同じ数字を持つ引き出しを開け、そこに入っている「おみくじ」を取り出すわけですね。

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天后宮へのアクセスは?
この天后宮の場所はKLセントラルの南西側の丘。

公共交通だけだと少し歩く(直線距離は近いが、大きな幹線道路があり、これを徒歩で跨ぐことが難しい。さらには急な上り坂になっている)ため、現地で主に使用されている配車アプリ、Grabが最も便利です(KLセントラルlから車で約10分、KLCC / ブキッビンタンから15〜20分くらい)。

実際のところ殆どの人がGrabを利用してやってくるようで、よって帰りもGrabにて配車を依頼すると「自分が予約したクルマが人を乗せてやってきて」、そこから下車するのを待って乗り込むという例が多いようですね。

モスクやヒンドゥー寺院ほど厳格ではありませんが、「レザー(皮革)の衣類」「ブラトップのような露出の高い服装」は避けるようにとの記載が入口にあり、常識の範囲において「敬意を払う」必要があるかと思います。※男性のショートパンツは問題とならないようなので、肌の露出というよりは、性的な印象を抱かせる服装が問題ということなのだと思われる

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