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| ブガッティ史上「はじめて」エンブレムをボディパネル上の塗装へと反映 |
自然界の神秘を宿した「世界に1台」のハイパーカー
ブガッティのパーソナライゼーション部門「シュール・ムジュール(Sur Mesure)」から、またしても常識を覆す傑作が登場することに。
ベース車両はW16ミストラル、固有名は「フライ・バグ(Fly Bug)」。
ブガッティによれば「一人の忠実なコレクターとブガッティのデザインチームが数年にわたり築き上げてきた”自然界の美”をテーマとするコレクションの完結編」だと紹介されています。
インスピレーションの源となったのはトンボ(Dragonfly)、そしてトンボをモチーフにしたグラフィックが車内外に再現されていますが、ブガッティのシュール・ムジュールが送り出す車両は「新しい個体であればあるほど」これまでにない要素が詰め込まれており、結果として「どんどん自動車から”芸術作品へ”」とシフトしているようも思えます。

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この記事の要約
- 完結する物語:伝説の「ヘルバグ」「ヘルビー」「レディバグ」に続く、4台目のコレクション
- 専用色「ドラゴンフライ・ブルー」:光の角度でブルーからターコイズへ変化する、トンボの翅を再現した新色
- 世界初の試み:ブガッティ史上初めて、ボディグラフィックの中にブランドロゴ「マカロン」を統合
- 革新的な内装:レザーとアルカンターラを幾何学的に重ねた、立体的な3D新素材を開発

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4台の「虫」たちが織りなす壮大なコレクション
この「フライ・バグ」は、ある熱狂的なコレクターが所有する3台のブガッティ、すなわちヴェイロン 'Hellbug'(テントウムシ)、シロン 'Hellbee'(ハチ)、ディーヴォ 'Lady Bug'(テントウムシの幾何学版)に加わる最新作。※つまり一人で4台の「バグ」シリーズを所有している
今回は上述の通り「トンボ」がテーマに選ばれていて、その理由はトンボの持つ「軽快なスピード感」「虹色の翼」「時代を超えたエレガンス」がブガッティの精神そのものを体現しているからなのだそう。
デザインはベルリンのデザインスタジオと密接に連携することで推進され、楕円形のグラフィックが車体後方へ向かって収束していくという躍動感あふれる仕上がりとなっています。

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ブガッティ W16ミストラル 「フライ・バグ」概要
1. 外装:光を操る「ドラゴンフライ・ブルー」
W16 ミストラル「フライ・バグ」最大の特徴は、このクルマのためにゼロから開発された専用塗料「ドラゴンフライ・ブルー」。
光が当たると鮮やかなブルーから深いターコイズへと色が移り変わり、さらにはホイールにも同色が施されていて、異なる素材(金属とカーボン等)でありながら完璧な色合わせが実現されています。※素材が異なると、同じ色を塗っても同じ仕上がりにならず、よって色を完璧に合わせるには細かい調整が必要である

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2. 内装:3D幾何学模様の革新
インテリアだと、レザーをアルカンターラの上に重ねた多層構造の素材が新しく開発され、ドアパネルからアームレストにかけて連続する楕円形のグラフィックがブガッティのエンジニアリングチームとの協力により、曲面でも”歪むことなく”完璧な精度にて配置されています。

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3. 歴史への敬意:ダンシング・エレファント
シフトレバー内にはレンブラント・ブガッティが手がけた彫刻として有名な「ダンシング・エレファント」が鎮座(W16ミストラル共通の意匠でもあるが、その構成がモデルによって異なる)しており、これはオーナーの自然界への愛情と、ブランドの遺産が融合した象徴的なディテールであると紹介されています。

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4. 基本スペック(ベース車両:W16 Mistral)
| 項目 | 詳細スペック |
| エンジン | 8.0リッター W16気筒 クアッドターボ |
| 最高出力 | 1,600 PS |
| 最高速度 | 420 km/h以上(リミッター作動時) |
| トランスミッション | 7速デュアルクラッチ(DSG) |
| 駆動方式 | 4WD |
| 世界生産台数 | ベースモデル計99台(本仕様は世界に1台) |

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W16 ミストラル フライ・バグの技術的価値
この「フライ・バグ」で特筆すべきは、フロントサイドのグラフィックに「ブガッティ・マカロン(エンブレム)」を統合したこと。
同社における100年以上の歴史の中で、ホースシューグリル以外にこのエンブレムをグラフィックの一部として組み込んだ例は過去にないといい、これはいかにそのオーナーがブガッティに認められているかという事実を表す事例であるとともに、ブガッティが顧客の情熱を信じ、共に限界を押し広げた証です。
中古市場でも価値が上がり続けるブガッティではありますが、こうした「Sur Mesure(オーダーメイド)」の極致にある個体は、もはや価格をつけることが不可能な「文化財」としての地位を確立することになりそうですね。

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なぜブガッティは「昆虫」をモチーフにするのか?
実はブガッティ家と動物・昆虫の関わりは浅くなく、創業者であるエットーレ・ブガッティの実弟、レンブラント・ブガッティは高名な(昆虫含む)動物彫刻家であったことが知られています(「踊る象」の作者もレンブラント・ブガッティである)。
今回のテーマであるトンボもまた、その複雑な翅の構造や超速の動きが「エンジニアリングの究極」を求めるブガッティの哲学とリンクしているという「複数要素から」モチーフとして選ばれたそうですが、その表現においては、過去のモデルで見られた複雑なペイント技術(ディーヴォ・レディバグでは1,600個以上のダイヤ柄を手作業で配置)が「フライ・バグ」の制作過程において大きく貢献しており、このフライ・バグはまさにブガッティの過去と現在とが交錯する存在であるとも言えそうですね。※とくに楕円パターンの精度向上など

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結論
「W16ミストラル フライ・バグ」は単なるカスタムカーではなく、一人のオーナーの旅の終着点であり、ブガッティが持つ職人技の限界を更新したモニュメント。
W16気筒エンジンがその歴史を閉じようとしている今、このような妥協なき美学を追求したモデルが登場したこと自体が自動車史における一つの重要なマイルストーンとなることは間違いなく、ぼくらは今、ハイパーカーが「乗り物」から「伝説」へと昇華する瞬間を目の当たりにしているというわけですね。
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