
Image:Lotus
| アートと伝統が交錯する、ロータスの新たな挑戦 |
ボディ上に表現されるのは「エスプリ」のボディ上に空気の流れ
2026年5月、英国のプレミアムスポーツカーブランド「ロータス(Lotus)」が、現代のイギリス文化を象徴するマルチハイプン(多才な)アーティストであり、ラッパーのコジー・ラディカル(Kojey Radical)との、極めて異色かつ情熱的なコラボレーションを行うと発表。
今回のプロジェクトにおいて、コジー氏は単なるアンバサダー(広告塔)ではなく、デザインの全権を握る「クリエイティブ・ディレクター」として参画しており、ロータスの最新フラッグシップEVセダンである「エメヤ(Emeya)」を動くキャンバスに見立て、ブランドが誇るスポーツカーの遺産、そして現代のブリティッシュ・カルチャーを融合させるという「まったく新しいデザイン表現の次元」を切り拓くことに成功しています。
この記事の要約
- コラボの正体: ロータスが英国の音楽・ファッション界を牽引する天才ラッパー「コジー・ラディカル」をクリエイティブ・ディレクターへと招聘。次世代EVセダン「エメヤ(Emeya)」を舞台にしたワンオフ・デザインアートをロンドンで初公開
- デザインの核: 伝説の名車「ロータス・エスプリ(Esprit)」のボディ上を流れる空気のラインを、「光のビーム」としてエメヤの車体に再解釈
- 表現された世界観: コジー氏の最新アルバム『Don’t Look Down』に込められた、成功へのプレッシャーや父親としての進化といった人間味あふれるエモーションを、素材・質感・光で表現
伝説の「エスプリ」が放つ空気の鼓動を、最新の「光」で再定
このコラボレーションの白眉と言えるのが、ロータスの輝かしいヘリテージ、特に映画『007』シリーズなどでも世界中を魅了した伝説のミッドシップスポーツ「ロータス・エスプリ(Esprit)」へのリスペクト。
コジー氏がインスピレーションを受けたのは、エスプリの特徴的なルックスを形成する「ベンチレーション(換気口)ライン」と、そこに流れるパラレル(平行)構造のリズムであったといい、しかし、彼はそのダクト形状をそのままエメヤのボディに物理的に移植するという”ありきたりな”手法は採用せず、エスプリのボディ表面を駆け抜けた「空気の流れ」を、エメヤの車体を鮮やかに旅する「カラーと光のビーム」へと昇華させることに。
これは「機能性を詩的に表現する」というロータスのモノづくりの哲学に深く共鳴するもので、伝統的な造形が最先端のデジタル表現へと進化を遂げた瞬間であるとも考えられます。
また、デザインの背景には、コジー氏の2026年の最新アルバム『Don’t Look Down』で探求されたテーマ――「頂点への登頂」「高所ゆえの転落の恐怖」「常に注目を浴びるプレッシャー」「父親になったことによる内面の変化」「成功の重み」といった、人間らしい繊細な心の葛藤(テンション)が反映されているといい、これらがラインの引き方、テクスチャー(質感)、そしてライティングによって車体全体へと翻訳され、内に秘めた自信と洗練を静かに漂わせる佇まいを作り出しています。
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車種概要、性能・デザイン・スペックなどの特徴、市場での位置付け
今回のベースとなった「ロータス・エメヤ」は、ロータスが新時代を生き抜くために投入したハイパーハイウェイEV(4ドアセダン)。
コジー・ラディカル氏の手によってアートピースへと昇華した今回のモデルのベーススペック、およびデザインの特徴をまとめると以下の通りです。
主要諸元・デザイン特徴
| 項目 | 仕様・コラボレーション特徴 |
| ベース車両 | ロータス エメヤ(Lotus Emeya) |
| 車両タイプ | 4ドア・ハイパーGT(電気自動車:BEV) |
| クリエイティブ・ディレクター | コジー・ラディカル(Kojey Radical) |
| デザインテーマ | アイデンティティ、文化、そしてロータスの遺産(ヘリテージ)の融合 |
| 外装ハイライト | 伝説の「エスプリ」のベンチレーションから着想を得た「光のビーム」グラフィック |
| 内装・質感の表現 | アルバム『Don’t Look Down』のテーマ(情熱、脆さ、進化)を表現した特別な素材と照明 |
| 展示会場 | ロータス・ロンドン(メイフェア・ピカデリー73番地)にて一般公開 |
市場での位置付け:ポルシェやタイカンに立ち向かう、ロータスの「カルチャー戦略」
かつての「軽量・スパルタンな2シーター」というイメージから脱却し、エレトレ(SUV)やこのエメヤ(セダン)によってラグジュアリーフルラインアップブランドへと変貌を遂げつつあるロータス。
その主な競合となるのは、ポルシェ・タイカンやアウディe-tron GT、あるいはテスラ・モデルSプレッドといった各メーカーの威信をかけたハイエンドEVたちです。
こうした群雄割拠の市場において、ロータスが明確なアドバンテージとして打ち出しているのが、今回のプロジェクトに代表される「圧倒的な文化的 fluensy(文化的流暢さ・発信力)」。
単にスペック(馬力や加速性能)の数字だけで競うのではなく、英国の伝統的なクラフトマンシップに、ストリートカルチャーやファッション、現代アートを掛け合わせることで、デジタルガジェットになりがちなEVに「血の通ったエモーション(感情)」を吹き込んでいるのが今回のプロジェクト。
高級車を単なる移動手段ではなく、自己のアイデンティティを表現する「アート」として捉える次世代の富裕層やクリエイター層にとって、このロータスの独自のスタンスは、他ブランドには真似のできない強烈な魅力として映ることになるのかもしれません。
クリエイティブ・ディレクター「コジー・ラディカル」とは何者か
今回のコラボレーションの品格を支えるコジー・ラディカル氏は、過去11年間にわたり、英国の音楽・アートシーンの最前線に君臨し続ける「カルチャーの牽引者(Driver of Culture)」。
2022年のデビューアルバム『Reason to Smile』はマーキュリー賞やブリット賞(最優秀新人賞)にノミネートされ、批評家から絶賛を浴びたことも記憶に新しく、そしてその才能は音楽に留まらず、英国ファッション評議会(BFC)からの信頼も厚い、と言われます(世界的なイベント「ザ・ファッション・アワード」の2023年・2024年大会の公式ホストに大抜擢されるなど、ファッション界のアイコンとしても不動の地位を築いている)。
2026年にリリースされたセカンドアルバム『Don’t Look Down』は、全英ヒップホップ&R&Bチャートで1位を獲得。
まさに名実ともにトップに上り詰めた彼だからこそ表現できる「成功の重圧と美学」が、今回のロータス・エメヤのボディラインに見事にトレースされているというわけですね。
モノづくりの枠を超え、次世代のドライバーをインスパイアする1台
ロータスのデザイン部門を率いるベン・ペイン副社長は、彼の才能をこのように評しており・・・。
「コジーは、感情を正確かつ意図を持った形へと翻訳する、稀有なクリエイティブの透明感を持っています。このコラボレーションは、恐れを知らず、表現力豊かで、自らのアイデンティティに深く根ざした、現代のブリティッシュ・クリエイティビティそのものの姿です」。
自動車が「移動の道具」から「移動するスマートデバイス」へと移行しつつあるEV全盛の今、ロータスとコジー・ラディカルが示したのは、テクノロジーの先にある「人間性の回復」。
伝統的なエスプリの風を現代の光に変え、アーティストの人生の葛藤を車体に刻み込んだ「ロータス・エメヤ × コジー・ラディカル」。
ロンドンのメイフェアにあるロータス直営店で目撃されたこの特別なビジョンは、これからの時代を生きる若いドライバーやクリエイターたちに、「クルマを所有し、表現することの本当の豊かさ」を力強く語りかけてくれるのかもしれません。
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参照:Lotus











