
| おそらく中国からは続々ロボット業界へと参入、EV同様に「過密」となりそうだ |
そして間を置かずに「淘汰」されることになるのかも
かつて2011年、テスラのCEOイーロン・マスク氏はインタビューで中国のBYDについて問われた際、鼻で笑って一蹴しましたが、しかし今やBYDはテスラを脅かす世界最大級の自動車メーカーへと成長を遂げ、マスク氏が笑っていられなくなったのは御存知の通り。
なお、テスラは「追ってくるものがあれば、その先に行く」というスタイルを持っており、高級EV、普及価格帯EVにて先鞭をつけ、ほかが追ってくる頃にはその市場に固執せず「AI」「ロボタクシー」「自動運転」という具合に、他社に「肩透かし」を食らわせるかのように、別のセグメントへと軸足を移しています。
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そしてテスラが現在もっとも注力している事業のひとつが「ロボット」で、そしてこれを追うかのようにヒョンデ、チェリー、シャオペンなど同業者もこのジャンルへと続々参入しているのですが、2026年6月、今度はBYDがロボティクス分野へ正式に参入しテスラの牙城を崩しにかかると発表することに。
EVの技術を詰め込んだ人型ロボットが自動車のショールームに並ぶ(かもしれない)未来について考えてみましょう。
【要約】BYDヒューマノイドロボット参入の重要ポイント
- EVの覇者がロボットへ進出: 年間販売台数でテスラと世界トップを争う中国のBYDが独自の人型ロボット(ヒューマノイド)を開発中であることを公式に認る
- クルマと並べてショールームで販売へ: 開発されたロボットは、中国国内だけでなくグローバルな自動車ディーラー網を通じて車と並べて一般販売される革新的な構想が明かされる。さらには「従業員」としてディーラーにて勤務する可能性も
- 車載AIとロボティクスの融合: ロボットにはBYDのEVで培われたセンサー、バッテリー、AI自動運転などの先進技術がそのまま流用され、開発スピードが大幅に短縮される見込み
BYD副総裁が明かした「車とロボットが並ぶショールーム」
ことの発端は、BYDの高級副総裁(エグゼクティブ・バイス・プレジデント)である李柯(ステラ・リー)氏がメディアの取材に対して語った電撃的な発言であり、李氏はBYDが現在独自の人型ロボットを開発中であることを認め、その驚くべき商業化ルートを提示しています。

「ロボット分野における競争の本質は、製造力、ソフトウェア、そしてハードウェアの総合力です。自動車のAI技術とロボットの基礎技術は同じ起源を持っています。将来的に人型ロボットが一般消費者向け製品(コンシューマー製品)となった時、BYDは既存の広大な自動車ディーラーネットワークを販売チャンネルとして活用する可能性があります」
BYDの内部関係者もこの開発の事実を認めていて、自社での完全自前開発だけでなく、既存のロボット専門企業と協業できる「オープンプラットフォーム」の採用も検討しているとされ、これにより他社が数年かける開発期間を大幅に短縮し、一気に市場へ投入する構えを持っているようですね。
なお、こういった「自動車メーカーがロボット業界に参入」することが可能となるのは、中国のEVメーカーの多くが「ソフトウエア定義車両」という考え方に基づいてクルマの設計を行っているからで、まずはソフトウエアを設計し、そのうえでソフトによって動かされるハードを設計するという考え方を持っており、これは「ハードウエアの集合体として自動車を製造し、エアコンはエアコン、エンジンはエンジン、ADASはADAS」といった具合にハードを起点とする従来の自動車メーカーの考え方とは全く異なるもの。
ちょっと前には掃除機メーカーのドリーミーが「ハイパーカー」を発表し、「掃除機メーカーがクルマを作るのか」と揶揄されたものの、新世代の工業製品において最優先されるのはソフトウエアであり、優秀なソフトさえあれば、ハードウエアに関してはどのようなバックボーンを持っているのかは関係ないのかもしれません(それはシャオミも立証している)。
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ロボットの概要・性能、EV技術との共通点
BYDげ計画するロボットの具体的な発売時期やプロトタイプの名称はまだ明かされていませんが、自動車メーカーがロボットを作るメリットは非常に大きいとされています。
現代のインテリジェントEV(賢い電気自動車)は、「タイヤのついた巨大なロボット」そのものだとも考えることができ(テスラはずっと前から自社のクルマをロボットだと表現してきたが、当時は誰もそれを理解できず、しかし今ようやくそれがおぼろげながらも理解されるようなってきた)、BYDが誇る以下の車載アセットが人型ロボットへダイレクトに転用されることとなるようですね。
EV技術からロボットへの流用スペック・特徴
- ブレイン(AI): 自動運転や車載アシスタントで磨かれた、周囲の状況を認識・判断するAIモデル
- アイ(センサー): 車両周辺を監視するLiDAR、カメラ、超音波センサー技術
- 筋肉(アクチュエーター): EVのモーター制御技術を応用した高トルクで緻密な関節駆動用モーター
- エネルギー(バッテリー): BYDの代名詞である安全で高密度な「ブレードバッテリー」技術
- 販売網: 世界中に展開する自動車ショールームで購入、メンテナンス、サポートを一括提供

世界を驚愕させる中国のロボット産業
自動車メーカーが人型ロボットを作る流れは、テスラ(Optimus)やBMW(米Figure社と提携し工場へ導入)をはじめ世界的なトレンドとなっていて、しかし、中国におけるロボット開発のスピードは、欧米の想像を遥かに超える速度で進化しているのもまた事実。
なお、中国の自動車メーカーはじめ各社がロボット産業に群がるのも「儲かるから」だと考えられ、これもEV業界同様に「数百社」が乱立し、しかし数年後には「数社」にまで絞られてしまうのかもしれません。
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これは中国の歩行・走行制御や熱管理技術がいかに凄まじい領域に達しているかを世界に見せつける事例となっており、日本にいると実感はわかないものの、もうロボットはぼくらの身近なところにある技術だということもわかります。
2. 自動車ライバル「奇瑞(チェリー)」は一歩先を行く
BYDのライバルである中国の自動車メーカー「奇瑞汽車(Chery)」は、すでに昨年、子会社を通じて人型ロボット『Mornine(モーニン) M1』を発表し、2026年5月から一般販売を開始したばかり。
金髪のウィッグを施した非常にユニーク(かつ奇妙な)外観を持つこのロボットの価格は、28万5800元(日本円で約580万円前後)に設定され、すでに「自動車メーカーが一般向けにロボットを売る」というビジネスモデルは、中国では現実のものとなっているわけですね。
| ロボット名(メーカー) | ターゲット・主な特徴 | 販売状況 / 価格帯 |
| BYD製ロボット(名称未定) | 一般家庭・商業用。車載AIやディーラー網をフル活用。 | 開発中(ディーラー併売を計画) |
| Optimus(テスラ) | 工場自動化、および一般家庭用。イーロン・マスクの野心作。 | 開発・テスト中 |
| Mornine M1(奇瑞汽車) | 店舗での接客や家庭用。特徴的なヴィジュアル。 | 2026年5月販売開始 |
| Lightning(Honor) | 抜群の運動性能(ハーフマラソン50分台)。 | 技術実証・プロトタイプ |
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結論
BYDが「クルマのすぐ隣でロボットを売る」という構想は、一見すると突飛なアイデアに思えるかもしれませんが、スマートフォン、家電、そしてEVがすべてネットワークで繋がる現代において、そのエコシステムを完結させる最後のピースが「家にいる人型ロボット」なのかもしれません。
クルマを買いにショールームへ行き、お気に入りのSUVの隣に展示されているスマートな家庭用ロボットをセットで購入し、同じBYDのアプリで管理するーーそんな未来は、もうSF映画の話ではないのかも。
イーロン・マスク氏の背中を捉え、追い抜いたBYD。次なる「ロボット大戦」でも、彼らがゲームチェンジャーとして市場を席巻する日はそう遠くはなく、今年の後半、ショールームにどんな“新しい店員”そして”商品”が登場するのかを楽しみにしたいと思います。
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参照:BYD











