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| ペットとの旅が主役に。フランスの猛獅子が提案する新しい移動体験 |
コンセプトカーに隠された驚きの先進機能とペット旅の未来
そろそろ本格的な夏休みを迎えようとしていますが、円安やインフレ等によって海外旅行への意欲が衰える中、国内旅行が脚光を浴びているというのが昨今の状況です。
そして国内を「クルマで移動する」ことを考えるならば、家族の一員である「ペット」が旅行計画においてかつてないほど重要な存在となるのもまた事実。
そこで今回プジョーが目をつけたのもまた「ペット」の存在であ、欧州にて行った調査(2026年3月実施)によると、犬の飼い主の64%が「愛犬と一緒に休暇を過ごす」と答え、6割以上が「目的地選びの決定的な要因になる」と回答しているのだそう。
こうしたライフスタイルの変化を受け、プジョーはステランティス・デザインスタジオとの共同開発により、5人乗り電動SUVをベースにしたユニークなコンセプトカー「プジョー E-5008 ドッグエディション・コンセプト(PEUGEOT E-5008 Dog Edition Concept)」を発表することとなり、これは「もしもクルマが最も忠実な乗客である犬の目線でデザインされたらどうなるか?」という大胆な問いから生まれた”愛犬家注目の”1台です。
この記事の要約(クイックチェック)
- 犬の五感に合わせた設計:単なるアクセサリーの追加ではなく、犬の視覚や感覚に合わせたカラー(青と黄)や素材をキャビン全体に採用。
- 実用的な専用装備が満載:車内でも屋外でも使えるモジュラーマットレス、景色を楽に眺められる「ウィンドウ・ヘッドレスト」、V2L(外部給電)対応のペット用ドライヤーなどを完備。
- 安心のインテリジェント機能:留守番中の車内温度を最適に保ちリモート監視する「ドッグ・ガーディアン・モード」や、迷子犬を呼び戻す音響機能を搭載。
- 市販化予定のないデザイン実験室:将来のファミリーモビリティの可能性を探るためのワンオフ(一台限り)のコンセプトモデル。
「犬が見る世界」をカラーと素材で表現したコクーン(繭)のような空間
今日、犬は単なるペットではなく、日常生活から週末のドライブ、長期休暇まで行動を共にする完全な家族の一員です。
プジョーが公開したデータによると、大型SUVオーナーの50%以上が犬を飼っており、そこで広大なスペースを持つプジョー E-5008を「子どもと4本足の友人を乗せて旅するファミリーにとって完璧な車両とすべく」ベース車両として選択することに。
さらに開発チームは、既存の車両に犬用ケージなどの後付けアクセサリーを載せるといった安易なアプローチを捨て、「犬がクルマの旅をどう見つめ、どう感じ、どう体験しているか」という「ワンコ目線からスタートしたのだそう。

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そして実際の開発に際しては、(ワンコが)車内で景色を眺めること、ウインドウに顎を預けて風を感じること、長い散歩の後にぐっすり眠ること——。こうした犬たちの愛らしい習性や瞬間が、デザイナーたちのインスピレーション源となったようですね。
キャビン内には、犬の視覚特性(青と黄の波長を識別しやすいとされる)に合わせたカラーパレットを採用して心を落ち着かせるブルーをベースとし、そこへ刺激を与えるイエローのアクセントを組み合わせ、さらには乗った瞬間から安心できるよう、柔らかく滑りにくいノンスリップ素材が全面にあしらわれることとなっています。
ドッグエディション専用装備・機能一覧
「E-5008 ドッグエディション・コンセプト」には、愛犬との旅をより豊かで快適にするための「遊び心と実用性に溢れた装備」が多数盛り込まれており・・・。
- モジュラー・マットレス 荷室や後席、さらには旅先のホテルや屋外の休憩スポットでもそのまま犬用ベッドとしてシームレスに使える多機能マット。
- ウィンドウ・ヘッドレスト 犬が窓の外の景色を安全かつ快適に眺められるよう、頭(あご)をホールドしやすい形状に工夫された専用ヘッドレスト。
- V2L対応ペット用ドライヤー ラゲッジ床下にスマートに収納可能。電気自動車(BEV)の大容量バッテリーから給電(Vehicle to Load)し、川遊びや雨の日の散歩後にその場で毛を乾かせる。
- 専用コネクテッドアクセサリー スマートハーネス(胴輪)、飼い主と愛犬でお揃いにできるバッグ類、内装保護カバー、一体型フードボウル、プジョー特製のドッグトイ(おもちゃ)。
- 愛犬のウェルビーイングを高めるデジタル機能
- 充電スポット連動ナビ:ドッグランや公園、遊歩道が隣接する充電ステーションを優先的に提案するルート案内。
- ドッグ・ガーディアン・モード(Dog Guardian Mode):飼い主が短時間クルマを離れる際、車内温度を自動で最適に維持。スマートフォンのカメラによる遠隔監視や、異常時のアラート通知を行う。
- ドッグ・リトリーバー(Dog Retriever):万が一愛犬が迷子になった際、車外へ特定の周波数の音を出して呼び戻しをサポートする機能。

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ライフスタイルに寄り添うブランド戦略
自動車業界全体が電動化(EVシフト)や自動運転といったハードウェアの競争に終始しがちな現在、プジョーが提示したこのコンセプトは、「EVを使ってどのような豊かな体験ができるか」というソフト面(ライフスタイル)への回答です。
これまでもステーションワゴンやSUVの分野において、ペット用ガードネットなどの純正アクセサリーを用意するメーカーは多く存在し、しかし今回のドッグエディションのようにナビゲーションシステムやV2L(外部給電機能)、リモート温度管理といった「電気自動車ならではのデジタルプラットフォーム」とペットの快適性を高次元で融合させた例は極めて稀かもしれません。
「クルマをデザインするために、犬の視点で世界を見るというのは私にとっても初めての経験でした。自分自身も犬の飼い主であるため、このプロジェクトは非常に風変わりであると同時に、深いインスピレーションを与えてくれるものでした。私たちが日常の冒険を共にする相棒の目を通して、クルマのあらゆるディテールを再考する素晴らしいきっかけになったのです」
ステランティス・デザインスタジオ グローバル・クリエイティブ・ディレクター ヒューゴ・ナイチンゲール
プロダクトとしては市販化の予定がないワンオフのスタディモデルですが、ここで得られた知見やコネクテッド技術は、今後のプジョーの市販車や純正アクセサリーの開発に直接活かされることになることについても言及されています。

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結論:すべての「家族」に歓びを届けるプジョーの決意
「プジョー E-5008 ドッグエディション・コンセプト」は、自動車メーカーが単なる移動手段の提供者から、家族全員(それが4本足のパートナーであっても)のライフスタイルを豊かにする伴走者へと進化していることを示す象徴的なクリエイション。
「家族で旅をするということは、愛犬も一緒に旅をするということ」
このコンセプトカーはそう信じるすべての人に向けて、クリエイティビティとユーモア、そしてブランドの核である「ドライビングの歓び(Pleasure)」を詰め込んだ存在であり、これからのペットモビリティのあるべき姿を明るく照らし出すことになるものと思われます。
犬の「色の世界」と車内空間の科学
今回のコンセプトカーで最も興味深いポイントの一つが、車内のカラーリングに「犬の視覚特性」を取り入れた点。
長年「犬はモノクロの世界を見ている(色盲である)」と誤解されてきましたが、近年の動物行動学や眼科学の研究により、犬も特定の色彩を識別できていることが分かっており、人間の眼には赤・緑・青を感じる3種類の錐体細胞がありますが、犬には「青」と「黄」を感じる2種類しかないといい、そのため犬の世界は主に青、黄色、そしてグレーのグラデーションで構成され、逆に「赤」や「緑」は認識しづらく、くすんだ灰色や茶色のように見えているとされています。
プジョーのデザイナーがキャビンに「落ち着いたブルー」と「刺激を与えるイエロー」を採用したのはデザインの好みではなく、「犬がはっきりと認識でき、自分のテリトリーとして安心できる空間」を科学的なアプローチで演出するためというわけですね。
今後、ペットフレンドリーをうたう特製シートやキャリーケース、さらにはドッグランの施設などでも、この「ブルー&イエロー」の組み合わせは、愛犬のストレスを軽減するための業界標準のカラーコーディネートになってゆくのかもしれません。

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