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| 究極の美を追求した「走る彫刻」──Destrier誕生の背景 |
ブガッティ史上もっとも「抑揚」にあふれ、造形美を主張する存在
フランスのラグジュアリーハイパーカーブランド、ブガッティ。
同社が誇る完全オーダーメイドプログラム「プログラム・ソリテール(Programme Solitaire)」より、第3作目となる究極のワンオフモデル「Destrier(デストリエ、あるいはデュストリエール)」がついに正式発表される運びとなっています。
車名の「デストリエ」とは、中世の騎士が跨った最高峰かつ最も力強い戦馬に由来するのだと説明されており、まさに「戦馬」そのものといった荒々しさ、そして躍動感を感じさせるクルマに仕上がっているようにも思います。

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前ふたつのソリテール作品(ブロイヤール、F.K.P. オマージュ)が歴史やエモーショナルな物語に着想を得ていたのに対し、デストリエは「デザイン第一の直観的かつ感情的な彫刻作品」として創り出されたといい、ベースとなったのは、サーキット性能のみを愚直に追求した過激なトラック専用マシン「ボリード」そのもの(ボリードへのオマージュではなくボリードがベース)で、ブガッティのデザインチームは自らにこう問いかけることから企画がスタートしたのだそう。
「もし、ブランド史上最もエクストリームなパワートレインとシャシーから、ウイングやエアベントといったエアロアディショナリー(空力付加物)をすべて取り去り、純粋なプロポーションだけで魅せたらどうなるか?」
その解こそが、全高わずか1メートルという地を這うような美しさを誇る「デストリエ」というわけですね。

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【要約】ブガッティ「デストリエ(Destrier)」のポイント
- ワンオフ部門「プログラム・ソリテール」第3弾:トラック専用モンスター「ボリード」をベースに世界でたった1台のみ製作された究極のビスポークモデル。
- 全高わずか1メートル:エアロパーツやウイングを削ぎ落とし、歴代ブガッティの中で最も低い全高1,000mmという究極のプロポーションを実現。
- 1,600PSのW16クワッドターボ搭載:8.0L W16エンジンの最高峰スペックをそのまま継承し、圧倒的な動的ポテンシャルを秘める。
- 1つのシャシーから生まれる2つの伝説:かつてのル・マン勝者「Type 57G Tank」と世界一美しい車「Type 57SC Atlantic」を生んだ伝統の哲学を現代に再解釈。
- ビスポークの極致インテリア:オートクチュールとスポーツウェアの技術を融合させた3Dニットやハンマード(槌目)加工のディテールが宿る特別なキャビン。

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デザインとスペック──「極限」から引き算された美の構造
ボリードのカーボンファイバー製モノコックを基本骨格としながら、デストリエは全く新しいデザイン言語を身に纏っており・・・。
車両スペック・主要諸元
| 項目 | 詳細仕様 |
| モデル名 | ブガッティ デストリエ(Bugatti Destrier) |
| 生産台数 | 世界限定1台(One-of-One) |
| ベース車両 | ブガッティ ボリード(Bolide) |
| パワートレイン | 8.0L W16 クワッドターボエンジン |
| 最高出力 | 1,600 PS |
| 全高 | 1,000 mm(歴代ブガッティで最も低い全高) |
| ホイールサイズ | フロント20インチ / リア21インチ(ボリードの18インチから大径化) |
| ボディカラー | サファイア・セレスト(Sapphire Celeste・専用多層仕立て) |
| インテリア | アンブル・ヴォワヤジュール(Ambre Voyageur)レザー&ヌバック + 3Dニット |

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新しいデザイン言語とエクステリアの特徴
サイドに描かれるブガッティのアイコン「Cライン」は途中で心地よい「間」を置き、ホースシュー(馬蹄型)グリルへと繋がることに。
ワイドに広げられたフロントグリルは攻撃性を(ある程度)抑えて洗練された品格を漂わせ、リアエンドでは「シロン プロフィレ(Chiron Profilée)」を彷彿とさせる優美なダックテール形状のブレンデッドウイングが融合され、流麗なシルエットを締めくくっています(リアフェンダーの抑揚は近年のブガッティとしてはかなり珍しい形状である)。

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専用色「サファイア・セレスト」は、ダイヤモンドのような輝きを放つマルチレイヤーペイントだと説明され、かつて「ポープ(法王)・アトランティック」と呼ばれた伝説のType 57SC Atlantic(シャシーNo.57591)が当初纏っていたブルーへの密やかなオマージュなのだそう。
また、エンジンのメタルパーツには中世騎士の甲冑を思わせる「ハンマード(槌目)加工」が施され、職人の手仕事による「生命感」が与えられているようですね。
テーラー仕立ての高級スーツのようなキャビン
スパルタンなレーシング仕様だったボリードのコクピットから一転、デストリエの室内は高級テーラーのアトリエのような温かみに満ちています。
高級革「アンブル・ヴォワヤジュール」のレザーとヌバック、そしてオートクチュールの手法を取り入れた「3Dニット」がキャビン包み込むという「伝統と革新」とが同居する仕上げを持ち、3Dニットには銅の糸が織り込まれることで車内に美しい光の輪(ハローライン)を描き出すことに。

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なお、センターコンソールのエアコン吹き出し口には「4本のパイプ」が用いられ、これはもちろん「4本のテールパイプ」とシンクロするもので、そしてその表面はエンジンルーム内の「ハンマー仕上げ」と呼応しているようですね。※この「ハンマー仕上げ」はステアリングホイールのスポークにも見られる

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ヘッドレストには車名の刺繍、そしてショルダーサポートに見られる文様が「銅が編み込まれた3Dニット」なのだと思われます。

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ブガッティの歴史的背景と市場における位置付け
「1つのシャシー、2つの伝説」というブガッティの伝統
一見すると過激なボリードと優美なデストリエは対極に存在するように思えますが、このアプローチはブガッティの輝かしい歴史そのもので、というのも1930年代、伝説の「Type 57」シャシーは、1937年と1939年のル・マン24時間レースで総合優勝を果たしたストリームラインのレーサー「Type 57G Tank」の土台となったと同時に、自動車史上で最も美しいとされる「Type 57SC Atlantic」のベースにもなったから。
1つのシャシーから「最速のレースカー」と「至高の芸術品」を生み出す──デストリエとボリードの関係性は、まさにこの伝統を現代に蘇らせたものでもあり、それを示すかのように、フロントガラス上部には、Type 57G TankとType 57SC Atlanticがレーザー刻印された真鍮プレートが打ち込まれ、その絆を永遠のものにしています。

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他のハイパーカーブランドとの対比
パガーニの「ウノ・ディ・ウノ(1of1)」やロールス・ロイスの「コーチビルド」など、超富裕層向けのビスポーク市場は加熱の一途を辿っているというのが現在の超高級車市場のトレンドではありますが、その中でも「8.0リットルW16クワッドターボというモンスターパワートレインを抱えながら、あえて大型リヤウイングや複雑なエアロディフューザーを廃し、プロポーションの美しさだけで勝負する」というデストリエの姿勢は、スペック競争に終止符を打ち「美と伝統」へ回帰する新しいラグジュアリーのあり方を示すかのよう。

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結論:頭ではなく心で感じる「50年後も色褪せない美」
「デストリエは頭(理論)で理解するクルマではなく、心で感じるクルマです。ボリードが与えてくれた最も過激なプロポーションを、ダウンフォースの追求から解放することで、純粋な彫刻として表現させることができました。50年後のコンクール・デレガンスの芝生の上でも、デストリエは輝き放っていると確信しています。」
ブガッティ デザインディレクター フランク・へイル
最高出力1,600PSという圧倒的なスペックを持ちながら、それを誇示することなく、ただ静かに佇む「走る歴史」。
「ブガッティ デストリエ」は、2026年8月16日に開催される「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」にてその姿を世界にお披露目するとアナウンスされており、クルマという枠組みを超え、世代を超えて受け継がれる芸術作品として、自動車史に新たな1ページを刻むこととなりそうですね。
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