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アスリートな紳士。ベントレー・コンチネンタルGT V8Sに試乗する

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ぼくはいままでベントレーに試乗する機会がなかなかなかったのですが、このたびその機会が訪れることに。

コーンズさん主催のフェラーリ/ランボルギーニ/ロールスロイス合同試乗会にてそれが実現したわけですが、ベントレー・コンチネンタルGTは期待を裏切らない、むしろ期待を遥かに超える車と言えます。

試乗したのは「ベントレー・コンチネンタルGT V8S」、つまりV8モデルです。
なお初代と外観があまり変わらないのでモデルチェンジしたこともあまり知られていませんが、現行は「二代目」となり、2011年に登場。
現在はW12エンジン搭載モデルと今回試乗したV8モデルが存在します。

W12エンジンは590馬力、V8モデルは(ターボなので)528馬力と大きなビハインドはなく、トルクもW12モデルは720Nm、V8モデルは680Nmとなりその差は僅少。
ただし重量についてはV8モデルのほうがなぜか重くなっており、これの理由は不明(ターボを装備しているにしてもV8エンジン自体はかなりコンパクトなはず)。

早速試乗を開始しますが、キーはVWグループと同じ構造を持つもので、しかベントレー用にメタルの加飾が施されています。
バタフライ式なのでひと世代前のキーですが、スマートキー化されていますね。

ドアを開けると華やかな内装(シートのアジャスター関連が印象的)が目に入り、メタルもしくはメタル調パーツが高級感を強めています。
乗り込むとシートベルトを保持するアームが自動で伸びてくる仕掛けで、このあたり各社の上級クーペ同様。

エンジンスタートはプッシュボタン式で、それを押すとけっこう勇ましい音でエンジンが目覚めます。
ただし振動は限り無く抑えられており、筋肉質なサウンドのみが室内に入ってくる、という英国っぽい味付け(ジャガー、アストンマーティンのスポーツカーも同様に感じる)。

内装の各種スイッチも内部構造はVWアウディグループ同様と思われますが、ドアミラースイッチなどの配置もVWアウディグループの他ブランドの車とは異なり、ベントレー特有の位置にあって、かつ見た目と手に触れる部分はまったく異なる仕上げとなっていますね。
このあたりの演出は(上位モデルと下位モデルの内装スイッチ類が同じだったり、同じグループのスイッチ類を”そのまま”使いまわしている)他メーカーにも見習って欲しいところ。

とりあえず車をスタートさせますが、大きな車であるにもかかわらずクリープでスルスルと動き出し、不思議と「軽さ」を感じさせますね。
ステアリングも軽いものの剛性感があり、センターや操作角に対する反応が正確でビシリとした印象があり、そのため狭いところでも車を食感的にコントロールしやすくなっています。
これは非常に重要な要素で、ステアリングに対してどういった反応をするのか、によって大きくその車に対する印象はもちろん、安心感も変わってくるわけです。
とくにこれだけのパワーを持つ車であればステアリングレスポンスは重要で、超高速域での反応はそのまま車に対する「信頼」と置き換えることができる、とぼくは考えています。

まずは車に慣れる意味でゆっくり走りますが、ここでの挙動はとにかく無駄がなく、アクセル、ブレーキ、ステアリング全てに対して正確な反応が帰ってきます。
重ねてになりますがステアリングは秀逸で、狭いところでも交差点でも狙ったとおりに車を曲げることができ、切り過ぎることも足りないこともなく、初めて乗った車にもかかわらずスイスイと道路を走ることが可能。

姿勢の変化も最小限であり、車体の横揺れ、ピッチングも非常に少なく、しかし足回りが「硬すぎる」印象もありません。
このあたりは「よくこういったセッティングができるものだ」と関心しますが、装備されるエアサスの性能が非常に優れているのでしょうね。
硬いわけではないのにしっかりと車体を安定させ、柔らかいわけでもないのに乗り心地がよく、「しっとりと路面に吸い付く」感覚があり、このあたりポルシェ・パナメーラに近いものがあります(アウディの上級クーペに比べると柔らかくしなやか、という印象を受ける)。

高速道路に乗ったところでアクセルを踏み込んでみますが、ここで見せる加速はちょっと驚きで、同じコースで乗ったフェラーリF12よりも速いんじゃないか、という体感加速。
実際の加速タイムだと0-100キロにおいて4.5秒なのでもちろんF12ほど速いわけではないのですが、「ターボ」というところが影響しており、瞬間の加速は度肝を抜かれるほど速く感じます。
ここがターボとNAとの差で、ターボは加給によって爆発的に加速しますが、NAは回転数にしたがって加速力の伸びてゆく、という差異がありますね。
NAはアクセル開度に応じ、また排気量に対応したトルクに応じて加速するものですが、ターボはまさに「加給」するためにアクセル開度以上の加速を見せるわけです。

高速走行時のマナーも非常に優れ、安定感と安心感はピカイチ。
回転数を上げるとアメリカンV8のような心地良いサウンドが響き、「運転が楽しいい」車と言えるでしょう。
そこにはナーバスさはまったく感じられず、どのような操作をしてもその操作に応じてくれる懐の深さがあり、まさに「コンチネンタル(大陸)GT(グランツーリスモ)」というネーミングがこれほど似合う車も無い、と思います。

復路は同じコースをゆっくり走りましたが、これにおいてもその快適さを再認識することになり、乗り心地が良いのにフワフワしたところが全く無いのは驚くべきところ(多くの車は乗り心地を良くするとロードインフォーメーションが希薄になったり、車線変更時などの揺れが大きく不安に感じることがある)。

印象としてはまさに「英国紳士」としての優れたマナーを身につけており、しかしスカッシュやクリケットなどのスポーツの場においては一流の運動能力を発揮する、というもの。
洗練という言葉がぴったりで、乗る人にも負担をかけず安心させる、というところもジェントルマンと言えますね。

価格は2310万とかなり高価で、サルーンというところだとBMWやアウディ、メルセデス・ベンツとは1000万円程度の価格差がありますが、その価格差も「小さい」と感じさせるだけのパフォーマンスそして内外装の仕上げの美しさを持っていると思います。
スポーツカーだと、マクラーレン570Sが同じくらいの価格帯ですね。
フェラーリ488GTB、ランボルギーニ・ウラカンは3000万円クラスのなので隔たりがありますが、サーキットにでも持ち込まないかぎり、またドライバーの技量に開きがない限りはコンチネンタルGTのほうが安心して走ることができるかもしれません。

なお同じコンチネンタルGTにてW12モデルの価格は2430万、とV8ターボとさほど価格差がなく、しかし両者が存在するということは、両者の間には大きな性格の差異があるのだと考えられます。
W1212モデルはNAはなのでよりリニアな加速を見せるのでしょうし、より快適なのだと思います。

 

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  • この記事を書いた人

管理人:JUN

ランボルギーニ/ポルシェ/ホンダオーナー。 ハイパフォーマンスカーを中心に、それにまつわる話、気になるクルマやバイク、モノ、出来事などを紹介します。

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