イキナリですが、ポルシェ911のロードカーもミドシップになるかもしれない、という噂。
すでにレースカーの911RSRはミドシップ化され好成績を収めていますが、これによって一部の顧客から「911のロードカーもミドシップにして」という声が出ている模様。
これはポルシェのモータースポーツ部門とGTカー部門の管理職、Frank Walliser氏がオートカーに語った内容とされていますが、やはりGT部門のボスであるAndreas Preuninger氏も「すぐに登場というわけではないが、ミドシップの911は中期的にあり得る」としています。
運動性能的にミドシップが優れることはまちがいなく、それは911RSRがミドシップに移行したことや、ポルシェのフラッグシップである918スパイダーもミドシップであるということ、AMGやアストンマーティンのハイパーカーを見ても明らか。
それでも911がリアエンジンを貫くのは「ノスタルジー」と「4人乗り」という免罪符のためと思われますが、ポルシェの歴史も「リアエンジンのネガを打ち消そうとしてきた歴史」とも言えます。
一定のところまではその進化によってライバルたちを抑えることができたものの、ライバルたちも進化を続けており、RRではどうしようもない部分が出てきているのも事実。
ポルシェは非常に長いタームでものを考える会社であり、例えばボクスター登場時もそれは同じで、(コストとの兼ね合いがあったものの)911と同じ顔つきで登場させることで「ポルシェ一族」であることを認識させ、その後911と顔つきを変えることで方向性を分化させ、911=リアルスポーツ、ボクスター=プロムナードカー、としてきたわけです。
そのおかげでボクスター=911の廉価版という当初の印象はもはやなくなりましたが、ここまで来るのにおよそ20年。
ハイブリッドについても同じで、919ハイブリッドで「エレクトリック化」の方向性を示し、勝利を重ねることで「ハイブリッド=エコではなくスポーツ性が高い」というイメージを与え続け、その後は918スパイダーでニュルブルクリンクの市販車最速タイムを更新し、現在ではパナメーラのフラッグシップモデルは「ハイブリッド」。
つまりハイブリッド=速いというイメージを定着させようとしていると思われ、これは「ミッションE」のスポーツ性能をアピールし、ひいては次期911においてもトップレンジにハイブリッドを据えるための「布石」とも考えられます。
今回の「ミドシップ」においてもレースカーで実績を重ねてフェラーリなどライバルを打ち破ることで「やっぱりミドシップじゃないと勝てない」という印象を旧来のポルシェファンに対しても訴求する意向があるかもしれず、これによってポルシェファンも「もうRRにこだわっている場合じゃない」と考え始めるかもしれませんね。
VIA:Motor1
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「ミドシップ911」として話題になったポルシェ911RSRですが、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権における最一戦「デイトナ24時間レース」においてデビューし、GTLMクラスを2位でフィニッシュ。
今回のレースは雨や低い気温によって路面コンディションが優れず、たいへん厳しい戦いであった模様(セーフティカーの出動は21回)。
なおレース結果は下記のとおり。
24時間走って上位は周回数が同じであり、1位のフォードGTと2位のポルシェ911RSRとの差は僅か2.988秒、とのこと(周回数やタイムに差がないのは、セーフティカーの出動回数が多かったせいがあるかもしれない)。
911RSRはレース序盤にタイヤの摩耗に苦しみ6回のタイヤ交換を余儀なくされたようですが、その後セットアップでこれを解決したとのことなので、おそらく第二戦では今回以上の戦闘力を発揮してくれそうですね。
今回の結果を見るとフォードGTのほかフェラーリ488、シボレー・コルベットが上に名を連ねており、各メーカーが熾烈な争いを繰り広げていることもわかります。
加えてポルシェはGTDクラスにおいて「911GT3R」が優勝を成し遂げており、こちらもアウディR8やメルセデスAMG GTが入賞するなど多様性に富んだモデルが活躍したようですね。
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