| 新型コルベット(のベースグレード)は意図的に安定志向、快適志向に振られている |
Motor Trendが新型シボレー・コルベット(C8)「初」のレビューを公開。※オプションのZ51パッケージ装着済み
新型コルベットはこれまでのフロントエンジンからミドシップレイアウトにスイッチしていますが、大方の予想は「イキナリ欧州のスポーツカーと張り合うのは難しいだろう」。
つまり、ミドシップ化したとはいえど、その経験の浅いシボレーが、ポルシェや、マクラーレン、フェラーリ、ランボルギーニと張り合うのは難しいだろうということですね。
新型コルベットは「予想以上」だった
ただしモータートレンドによると、C8コルベットとポルシェ911カレラSとは思いのほか近い、と結論づけています。
数字的な部分だと新型コルベットでは後部車軸にかかる重量配分が61%、そして911カレラSでは64%。
ボディサイズについてはコルベットのほうが10センチほど長く、7センチほど広く、5センチほど低くなり、逆にこちらはけっこう差がある模様(そのため、重量はコルベットのほうが95kg重い)。
出力に関してはコルベットが500馬力(6.2リッターV8)、911カレラが450馬力(3リッター・フラットシックス)で、トランスミッションは両者とも8速デュアルクラッチ。
加速性能について、0-100km/h加速ではコルベットが2.8秒、911カレラSが2.9秒。
なお、ゼロヨンではコルベットは11.1秒そして終速が198.2km/hなのに対し、911カレラSでは11.2秒/200km/hという数字です。
スキッドパッド上でのテストだとコルベットが記録したのは1.04G、911カレラでは1.09G、タイムだとコルベットが23.3秒/0.90G 、911カレラSでは22.7秒/0.94G。
新型コルベットは「はじめてミドシップに乗る人でも安全」「誰でも速く走れる」
モータートレンドによると新型コルベットは「アンダーステア傾向に」しつけられており、安定志向にある、とのこと。
これについては、はじめてミドシップに乗る人でも(C7以前のコルベットから乗り換えた人でも)戸惑いなく運転できるように設定されているんじゃないかと推測しています(オーバーステア志向だと、スピンして大きな事故に至ることが多い)。
そして911カレラSは「ターボ」、C8コルベットは「自然吸気」という性質の差からか、実際に運転した印象だと911のほうが加速がずっと鋭く、そしてコルベットのほうがスムーズに感じられる、ともコメント。
ハンドリングついては、911カレラSはのほうがフィードバックに優れるものの、時速160キロ以上になるとそれがややナーバスな印象を与え、そのぶんコルベットのほうが穏やかに感じられるようです。
ちなみにテスターは2名おり、同じサーキットを走るとポルシェ911のほうが速かったのは同じではあるものの、片方のドライバーでは一周あたり0.6秒、もうひとりでは1.1秒といった感じで「差」があった模様。
公平を期すために価格を考慮しておくと、北米だとポルシェ911カレラSは新型コルベットの「倍」の価格設定。
にもかかわらずコルベットがここまで911に迫るのは驚異的であり、今後登場するであろう「Z06」「ZR1」となると確実に911カレラSを超えるパフォーマンスを発揮しそう(それでも911カレラSよりは安いと思われる)。
加えて、現在発売されているコルベットは「ベースグレード」であり、なーバスな動きから事故を誘発しないような設定が与えられていることは間違いなく、にもかかわらず安全かつ快適に、911に迫る運動性能を発揮したということについて、「シボレーはコルベットのモデルチェンジに際し、本当にいい仕事をした」と断言して良いかと思います。
VIA:Motor Trend