9200万円のフォードGTが購入後1ヶ月でクラッシュ！その理由はオーナーが「マニュアル・トランスミッションの操作に慣れていなかったから」

｜ 幸いにも、不フォードGT車両そのものは修復できそうに思える ｜

シフトチェンジの際になんらかの不手際が生じ、スピンしたようだ

さて、フォードは2006年にわずか343台のみ「フォードGT ヘリテージ・エディション」を製造していますが、その一台がおよそ1ヶ月前にバレットジャクソン主催のオークションで70万4000ドル（約9200万円）にて落札され、そして数日前にクラッシュしたと報じられています。

落札者そしてドライバーは50歳のロバート・J・グアリーニなる人物で、どうやら同氏はフロリダにてこのクルマを運転中、スピンして木にぶつかったもよう。

一体なぜこんなことに？

そして「なぜこんなことになったのか」について、現地警察によると「2速から1速にシフトダウンし減速しようとして失敗した」と発表しているものの、ロード＆トラックによると「（本人へのインタビューとして）1速から2速にシフトアップしようとして失敗した」とのこと。

ただ、いずれの報道も「ロバート・J・グアリーニ氏が、マニュアル・トランスミッションの運転に不慣れだったから」という最大の理由を報じているのは共通しており、「50歳」という年齢を考慮すればMT車の運転経験がけっこうあるんじゃないかと思うものの、この年代でもやはりMTには親しんでいない、というのが現実なのかもしれません。

おそらく画像に写っている右の人が本人なんじゃないかと思いますが、典型的な西海岸の「富裕層」的な雰囲気ですね。

なお、ロバート・J・グリアーニ氏は「時速90マイルで走行していたわけではなく、時速35マイル（56キロ）で走っていた」こと、「スピンしたのはタイヤが古かったこと」「路面が濡れていたこと」等を挙げていますが、タイヤが古く、路面がウエットであれば、1速から2速にシフトアップし、時速56キロまで急加速したとすると、550馬力を誇るスーパーチャージャー付き5.4リッターV8を車体ミッドに積んだフォードGTが大暴れするのも不思議ではないかもしれません。※ポール・ウォーカーの事故の原因も、ポルシェ・カレラGTのタイヤが古かったためだという調査結果が出ている。タイヤは古くなると固くなってグリップが極端に低下する

参考までに、現地警察は同氏に対し、免許停止処分を発表し、無登録車の運転による警告を行ったと報じられています。

マニュアル・トランスミッション車は完全に希少種

なお、現在マニュアル・トランスミッション車は絶滅危惧種であり、多くの自動車メーカーがこれを廃止し、そして生き残っているMT搭載モデルについても「余命宣告」が出されている状態です。

そして巷では「クルマを盗もうと思ったが、マニュアル・トランスミッション車だったので盗めなかった」等の報道が見られるほどマニュアル・トランスミッション車を運転できる人が少なくなったのには驚かされるばかり。

参考までに、ぼくはマニュアル・トランスミッション信者ではないものの、今後もうMT車が手に入らなくなるのであれば、どこかこのあたりでMT車を手に入れておかねばなるまい、とも考えています（クルマの構造や挙動を理解するうえでも、できれば、より多くの人に、MT車を体験しておいてほしいとは思う）。

合わせて読みたい、マニュアル・トランスミッション関連投稿

参照：Road & Track