| テスラは一昨年、カリフォルニアとは決別するとコメントしたばかりだが |
カリフォルニア州とはなんらかの関係修復があったようだ
さて、テスCEO、イーロン・マスク氏がテスラのエンジニアリング本部をカリフォルニア州パロアルトに設立すると公式にコメント。
今回の発表の場ではカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム氏も同席し、この本部がヒューレット・パッカードの旧本社に設置されることについても言及しています。
なお、テスラは2021年にカリフォルニア州当局との確執(主に税制)によってテキサス州に本社を移転していますが、今回カリフォルニアに拠点を設置するということは「関係が修復できた」と考えていいのかもしれません。
ただしカリフォルニア州に拠点を設置するメリットも
ちなみにテスラ創業の地はカリフォルニアであり、その理由は「ソフトウエア会社が多く、ITエンジニアを確保しやすかったから」だと思われます。
もしガソリンエンジンを積むクルマを作るのであればデトロイトが適切なのかもしれませんが、イーロン・マスクCEOいわく「テスラのクルマは車輪のついたコンピューター」だと表現しており、そして車両をコントロールするソフトウエアもすべて自社にて開発しているため、同氏の求めるクルマを開発するには「カリフォルニアしかなかった」のかもしれませんね。
実際のところ、カリフォルニアにはヒューレット・パッカード、アップル、Google、そしてFacebook(メタ)、インテル等の錚々たる企業が本社を構えており、テスラが創業した後にはルシード、カヌー、ローズタウンなど様々なEVスタートアップがカリフォルアにて創業しています。
現在テスラはカリフォルニアのほかテキサス、ドイツ、中国にも工場(ギガファクトリー)を持ちますが、このカリフォルニアのフリーモント工場は今でも非常に大きな意味を持ち、昨年には200万台目となるモデル3をラインオフさせています。
なお、ギャビン・ニューサム知事はテスラがグローバルエンジニアリング本部の所在地にこの州を選んだことについて「テスラがカリフォルニアの企業であり、この地で創業したことは我々の誇りです」と述べていますが、なんとギャビン・ニューサム氏はテスラ・ロードスターを最初に購入した人物の一人であるとも紹介されています。
ヒューレット・パッカード本社はシリコンバレーの象徴的な建築物
なお、このヒューレット・パッカードの本社はシリコンバレーではけっこう有名な建物というか名所になっていて、イーロン・マスクCEOは「私の心を温めてくれるもの、そしてかなり信じられないことだと思うのは、ここがヒューレット・パッカードのオリジナルの本社だということです。ここはヒューレットパッカードが誕生した場所であり、シリコンバレーの基礎となった場所です。私たちはここに素晴らしい遺産を受け継いでいるのです」とコメントしています。
ちなみにぼくは仕事で少しの間シリコンバレーに滞在していたことがあり、そこでは現地の主要企業に招かれいくつかを訪問してきたのですが、ヒューレット・パッカードもその中に含まれていて、この本社内には有名な日本風庭園が存在します(おそらく、イーロン・マスクCEOによって改めて紹介されるものと思う)。
その(日本庭園がある)理由は1963年に横河電機との合弁にて横河ヒューレット・パッカードなる会社が作られ(1999年に提携が解消されている)、この提携によってヒューレット・パッカードの業績が大きく伸びたから。
そしてもう一つのこの本社の特徴は「社長室の扉」で、社長室にはドアがついてはいるものの、このドアは一度も閉じたことがなく(つまり、社員がいつでも社長室に飛び込んで直訴できるという社風を持っていた)、ドアが開けっ放しになっているため、カーペットには「開けっ放しになった状態で」日焼け跡が残っており、これももしぼくが訪問した当時のままであれば、新しいイーロン・マスクCEOのオフィスとして紹介されるのかもしれません。
なお、当時の画像を探してみたものの、なぜかヒューレット・パッカードの画像は残っておらず、出てきた他の会社のものを貼ってみると、こちらはGoogle本社。
メインのエントランス。
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インテル本社。
ロビーには昔のコンピューターなどが展示されています。
移転前のアップル本社。
中はこう。
こちらはスタンフォード大学。
メタに変更する前のFacebook。
その前の通りの名は「ハッカー・ウェイ」。
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参照:Tesla