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欧州自動車メーカーの「新しい儲けネタ」?ステランティスが安価な中華EVを欧州にて現地比3倍位近くの価格で販売、それでも「欧州のVW製EVよりも安い」

中国 リープモーターのEV「C10(欧州ではB03X)」のエクステリア

Image:Leapmotor

| アウディやVWを震わせる中国発、リープモーターB03Xとは |

これはある意味での「禁じ手」でもある

  • 欧州EV市場に激震:ステランティスが中国リープモーターと提携し、新型EV「B03X」を2026年秋に投入
  • 圧倒的な価格破壊:中国では約150万円(65,800元から86,800元)のモデルを、欧州では関税を回避し約400万円以下で販売へ
  • VWやルノーの脅威:VW ID.Poloやルノー4といった競合に対し、装備と価格の両面で大きなアドバンテージ
  • 実用性も抜群:ホンダ・フィットのような跳ね上げシートや大容量ラゲッジを備え、日常使いの「賢い選択」に
マセラティ MCプーラのステアリングホイール
よく立ち直ったな・・・。ステランティスが「復活」の狼煙、2026年第1四半期決算で黒字転換。極限状態の苦境から一転し急成長、新型車10機種投入で攻勢へ

| あれだけの苦境からよく立ち直ったものである | 特に北米市場においては「もっとも成長した自動車メーカー」に アルファロメオやマセラティなどを擁する欧米自動車大手のステランティス(Stellanti ...

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欧州メーカーの「防波堤」決壊か?ステランティスが仕掛けるEV価格戦争

欧州の電気自動車(EV)市場にかつてない激震が走ろうとしており、というのも欧州最大手のステランティスが「提携する中国のリープモーター(零跑汽車)ブランドの新型サブコンパクト”SUVB03X”を2026年秋に発売する」とコメントしたため。

注目すべきはバッジエンジニアリングによってステランティスのいずれかのブランドから発売するのではなく、リープモーター名義でステランティスがB03Xを販売するという、つまりステランティスがリープモーターの「欧州での代理店」的な役割を果たすということになり、このビジネスモデルが業界に大きな衝撃を与えているというわけですね(トヨタが「トヨタ車が売れなくなったから」といってBYDのクルマを日本で販売するようなものである)。

中国 リープモーターのEV「C10(欧州ではB03X)」のインテリア

Image:Leapmotor

そしてこのニュースが注目を集めているもうひとつの理由は「価格設定の巧妙さ」にあり、中国国内では中心価格帯150万円程度にて販売されている大衆車を欧州では約400万円以下にて販売するとされているものの、この価格でも「フォルクスワーゲン(VW)やルノー、さらにはステランティス自身の他ブランド(シトロエンやオペル)の競合モデルを大きく下回る価格」となってしまうから。

つまるところ、マセラティやアルファロメオ、プジョーにシトロエンなどを擁するステランティスは「中国の新興EVメーカーに白旗を上げたばかりか軍門に下り」、あろうことか自社ブランド、そして欧州のライバルそして盟友を脅かす(ある意味では裏切る)行為を「目先の利益のために」行うのだと受け取られているわけですね。

リープモーターB03X:スペック詳細~16分で急速充電、ハイテクと実用性の融合

リープモーターB03Xは、中国では「A10」として販売されているモデルの欧州版で、スペックを見ると「日常使いに十分すぎる性能」を見て取れます。

リープモーター B03X(欧州仕様)暫定スペック

項目内容
全長4,270 mm
最高出力94 hp (70 kW) または 121 hp (90 kW)
駆動方式前輪駆動 (FWD)
バッテリー容量40 kWh または 53 kWh
航続距離最大 505 km (CLTC) ※WLTP換算ではこれより短くなる見込み
急速充電16分 (30%から80%まで)
トランク容量602 リットル (床下収納含む)
車内設備14.6インチ液晶、Snapdragon 8295チップ、パノラミックサンルーフ

特筆すべきは車内の利便性だとされ、ホンダの「マジックシート」のように後部座席を跳ね上げることができ、背の高い荷物も積載できるうえ、フォード・プーマのように「洗える床下収納」を備えており、アクティブなユーザーの心をつかむ工夫が凝らされています。


なぜこれほど安いのか?市場での位置付けと戦略

欧州メーカーが頭を抱えているのはこのB03Xが「スペイン製」になるという点で、ステランティスは自社の工場にてリープモーター A10を生産し(生産設備を中国から輸入しコンプリートノックダウン生産を行うものと思われる)、これによって「欧州製」の肩書を獲得することに成功し、結果的に「関税をクリア」することが可能となるわけですね。

  1. 関税の回避:中国からの輸入車にかかる高額な追加関税を欧州現地生産によって回避
  2. コスト構造の転換:中国で培った安価なサプライチェーンと、ステランティスの欧州における販売・生産網を組み合わせることで、競合他社が数年かけても到達できない低価格を実現
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競合モデルとの比較

現在、VWの「ID. Polo」は約25,000ユーロ(約460万円)から、SUV版の「ID. Cross」は28,000ユーロ(約520万円)以上になると予想されていて、B03Xはこれらをターゲットにしつつ、さらに高機能なインフォテインメントシステム(Qualcomm製のハイエンドチップ搭載)で差別化を図っており、クルマを単に「移動手段」として捉える層に対しては強い訴求力を持つのかもしれません。


関連知識:「EV選び」の新基準

このニュースから得られる新しい視点は、「ブランドの国籍よりも、どこで造られ、誰がサポートするか」が重要視される時代の到来で・・・。

  • 中欧連合のパワー:リープモーターは中国企業ではあるものの、ステランティス(プジョー、フィアット、ジープ等を擁する)がバックアップすることで、信頼性やアフターサービスの不安を払拭しようとしている
  • 「価格の適正化」への期待:これまで「EVは高い」というのが常識であったが、B03Xのようなモデルが登場することで欧州メーカーもさらなるコスト削減を迫られ、結果として消費者全体の選択肢が広がることに
中国 リープモーターのEV「C10(欧州ではB03X)」のインテリア

Image:Leapmotor


結論:B03Xは「賢い消費者」の最適解になるか

ステランティスが放つ「リープモーター B03X」は「低価格なEV」として片付けることはできず、中国のスピード感ある開発力と低コスト実現能力、そして欧州の生産拠点を組み合わせた「極めて戦略的な黒船」です。

2026年秋、このクルマがショールームに並ぶとき、欧州の消費者は「高価な欧州ブランドのベーシックモデル」を買うか、あるいは「同価格以下でフル装備のB03X」を購入するかを真剣に悩むであろうことは間違いなく、B03Xが大きなヒットとなるならば、各自動車メーカーとも今後の戦略を再検討する必要に見舞われる事態となり、自動車市場のパワーバランスが今まさに変わろうとしているのかもしれません。

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参照:CARSCOOPS

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