| SUVは現代の消費者の要望を高い次元でバランスさせた乗り物である |
東洋経済にて、現在のSUV人気について言及する記事が掲載に。
これは最近国内外にて最近発表される車(スバル・フォレスター、ボルボXC40、BMW X2、ジャガーE-PACE、アルファロメオ・ステルヴィオ、ホンダCR-Vといった感じでいずれもSUVばかりということに焦点を当て、「なぜこうなったのか」ということを考察。
いつものように興味深い内容でもあったので、ここで一部を紹介してみたいと思います。
SUVは最大公約数
記事では「SUVは、一台ですべてをまかなえる”最大公約数”だとしていますが、たしかにそのとおりかもしれません。
アクティブなライフスタイルを予感させるデザイン、セダンを超える居住性、スポーツカー並みの加速性能など。
ミニバンやコンパクトカー、スポーツカー、セダンだと「何かを我慢する(もしくは犠牲にする)」必要が出てくるかもしれませんが、SUVだとその必要はほとんどなく、他のボディ形状を持つクルマの美点を高いレベルで備えている、と言えそう。
そこへ「ポルシェ」のようなブランド性が加われば非常に訴求力のある製品になる、と東洋経済は述べています。
SUVは収益性が高い
そしてSUVは自動車メーカーにとって収益性が高いことについても言及。
SUVはしかたなく選ぶ「消極的選択肢」ではなく、こだわりを持って選ぶ「積極的選択肢」であり、よって高いお金を支払うに見合う内容を備えていれば、消費者はその代金を支払う用意があり、つまり「高い価格で売れる=儲かる」というのもメーカーが注力する理由だと分析しています。
SUVブームは廃れたことがない
なお、SUVの先駆けは1690年代にフォードが確立したカテゴリだと述べ、その後一貫して成長を続け、市場を拡大している、とのこと。
かつ、新しいカテゴリなので派生商品を展開する余地があり、たとえば「3列シート」といったバリエーションに展開も可能で、派生とともに拡大できる糧どりであることにも言及。
たしかにセダンやスポーツカーに「3列シート」は無理ですが、SUVであればそれが可能で、SUVはミニバンの領域にも入って行ける、ということになりますね。
加えて「クーペSUV」でスポーツカーの領域に踏み込んだり、コンパクトSUVやラグジュアリーSUVにて、それぞれコンパクトカーやセダンの生息域にも出てゆくことができ、そこを「獲得」したぶん、他カテゴリが縮小してしまったのかもしれません。
これは一番上の「最大公約数」にも似ていますが、消費者の要求を様々な形で満たしやすかったのがSUVであり、そこが多くの人に受け入れられた要素なのかもしれませんね。
スーパーSUVが国産メーカーにあってもいい
そして最後に「ホンダはレジェンドをSUVとして発売しても良かったのでは」という大胆な意見も述べており、高い性能と高級さを備えたSUVも受け入れられる要素があるのでは、と述べています。
実際にインフィニティやアキュラの大きなSUVは一定の層に受けそうですし、現在のランクル販売の好調っぷり、レクサスもSUVの新フラッグシップモデルを計画していることを考えると、ここは国産自動車メーカーが「チャレンジする価値のある」分野かもしれませんね。