| 本気のルーレット族は注目される環境下では走らない |
さて、最近何かと問題視されている首都高速道路の「ルーレット族」。
コロナウイルスの影響による緊急事態宣言下にて、交通量が激減した首都高を暴走する行為が問題となっているわけですが、今回(おそらく)初の書類送検が報じられています。
報道によると、書類送検されたは「東京都内の大学生ら4人で、道路交通法違反(速度超過)」とのこと。
この大学生らは「自粛で鬱憤が溜まり、気晴らしに来た」等語り、容疑を認めているようですね。
意外と事故は起きてない?
なお、今回書類送検の対象となっている速度超過は時速50~80キロ(オーバー)。
警視庁ではルーレット族活動活発化の報を受けて辰巳第一パーキングエリア(PA)を中心に取締を強化しており、11件の違反を摘発したと報じられています。
これまでの報道を見るに、活動が活発化しているという割には摘発件数が少なく、かつ事故も起きていないようで(もし事故が発生すればすぐに報じられることになる)、こういった現状を見ると、「ほかにニュースがないから、メディアが取り上げているだけなんじゃないか」と思うことも。
かつ、報道映像を見ていると、辰巳第一パーキングエリアに集まっているクルマは輸入車やドレスアップカーが中心で、「本気で飛ばす」クルマには見えないのにもちょっとした違和感を覚えます。
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「この人たちは空けば来る」。ルーレット族が自粛環境下で増加、辰巳Pは改造車とスーパーカーだらけに・・・。
| 結局のところ自粛は心の健康を蝕んでゆく | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/49831644506/in/dateposted-public ...
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加えて、摘発内容の多くが「違法改造」だと報じられているので、実際のところ「報じられるほどルーレット族は活発化していない」のかもしれません。
違反速度の程度も50~80キロと(ルーレット族にしては)高くはなく、「ちょっと飛ばしてみただけ」の範疇だと思われ、今回書類送検された大学生4人は「見せしめ」だとも考えられそうです。
ルーレット族は絶滅危惧種
なお、ルーレット族は既報の通り、高速道路を周回して速さを追求する走り屋たちを指しますが、コミックだと「湾岸ミッドナイト」、関西版の環状族だと「ナニワトモアレ」で描かれているような人々ですね。
ただ、最近ではそういった「真剣に走りを追求する」走り屋はずいぶん減ってしまい、大阪環状線だとぼくの知る限りほぼゼロ。
かつてはナンバーのないシビックやシルビアがバンバン走っていたり、ポルシェ911GT2(当時は993)に乗ってヘルメットをかぶって走っていた人もいましたが(はじめて見たときはビビった)、今ではそういったクルマの姿もなく、すっ飛ばしているのはむしろプリウスやミニバン、SUVばかり。
さらに、昔”走って”いた人や、スポーツカー、スーパーカーに乗る人の多くは現在の取締の厳しさを知っているので「飛ばさない」人が多く、クルマを大事にする人も増えたためか「車間距離を取ってゆっくり走る」スーパーカーオーナーも多いようです。※年齢を重ねて社会的地位も高くなり、そのために自重する人も多い
そう考えると、今首都高を飛ばしている人というのは、「ウワサを聞いてやってきた」経験値の少ない人々で、辰巳PA」に停まる数々の改造車やスーパーカーを見て舞い上がってしまい、事情がわから無いままに興奮からアクセルを踏んでしまった”初心者”なのかもしれません。
そして、「ウワサを聞いてやってくる」きっかけを作ったのは他ならぬメディアでもあり、ここにメディアの功罪を見たような気もします(メディアによって犯罪者が作られたとも言える)。
https://www.youtube.com/watch?v=wfzdcsMqL7o