| 本当に実現できるかはまだわからない |
さて、スーパーカーやハイパーカー、エキゾチックカーの販売で知られるナイト・インターナショナル。
フェラーリ・モンツァSP1/2、マクラーレン・エルヴァ/BC03、アストンマーティン・ヴァルキリー、ブガッティ・シロン・スーパースポーツ300+等の製造枠を販売してきたことでも知られ、しかし多くのブランドが転売については様々な対策を講じている中、同社と関係の深い弁護士が「法的問題を解決できる」と主張していることでも知られます。
そして今回は、そんなナイト・インターナショナルがクルマの販売だけにとどまらず、自動車「製造」に乗り出し、その第一号たる「ナイト・ヴィジョンR」を発表したというニュース。
多くのディーラーにとって自動車メーカー化は「夢」
なお、自動車販売に携わるものにとって「自社名義のクルマを作りたい」という想いは強いと見え、古今東西、多くのディーラーが「自分たちの考える夢のクルマ」を製造しています。
そして、そういった例の多くは「完全オリジナルの外観」というよりは「何かに影響を受けた」ケースが多く、今回のナイト・ヴィジョンRもそういった一台のかもしれません。
その見た目はシェルビー・コブラに近く、しかしもちろんレプリカではないので独自の要素も満載。
もしシェルビー・コブラが現代に蘇るとこんな感じになるのかもしれない、と思わせるルックスです。
ただしディティールに関してはポルシェからの影響を受けているのか、フロントフェンダー上のルーバーはポルシェ911GT3RSっぽく、そしてドアミラーはおそらくポルシェからの流用(もしくはポルシェ用のアフター品)。
そのほか、ホイールはカーボンファイバー製のセンターロック、フロントスプリッターやリアディフューザー、ロールバーもカーボン製。
ナイト・インターナショナルによれば、(オープンコクピットを覆う)トノカバーも用意され、エキゾーストシステムにはチタン製、サスペンションにはオーリンズ製、ブレーキシステムにはカーボンセラミックディスクを採用している、とのこと。
残念ながらインテリアの画像はなく、しかしやはりナイト・インターナショナルによると、カーボン製のシェルを持つレカロシート、デジタルメーター、そしてカーボン製(おそらく専用)ヘルメットのバイザー上に情報を表示するARを持つようですね。
搭載されるエンジンは5.2リッターV8スーパーチャージド、出力は771PS。
驚くべきは、このエンジンは後輪のみを駆動し、前輪を駆動するのは355PSを発生するエレクトリックモーターということで、つまりこのナイト・ヴィジョンRは「ハイブリッド4WD」ということになり、トータルでの最高出力は1125PS(ガソリンエンジンとモーターとではピークパワー発生のタイミングが異なるので、単に合算値にならない)。
そしてもっと驚くのはわずか907kgにとどまる車体重量。
ARといい、大排気量エンジンと大パワーモーター(を駆動するバッテリー)を持ちながらの907kgといい、「本当に実現できるのか」と思ったりしますが、量産自動車メーカーではなく、顧客を選んで販売できるナイト・インターナショナルのような立場であれば、それも可能なのかもしれません。
なお、生産台数は500台のみで、価格は5300万円〜6400万円くらいに設定されると言われています。