
| 2,000人が負傷──デンバー市がスクーター混乱に終止符 |
便利な都市移動手段として世界的に普及している電動スクーターではあるが、その手軽さが時に安全性を脅かすことも
さて、現在世界各地にて問題が報じられる「電動スクーター(キックボード)」。
渋滞緩和、そして環境対策の一環としてこれを取り入れる都市は少なくはないものの、事故多発につき(導入直後にもかかわらず)その走行を禁止したという話も聞かれます。
そして今回報じられているのがアメリカ・コロラド州デンバー市での事例であり、2024年に2,000件を超えるスクーター関連の救急外来・事故が発生したことを受け「すべてのスクーターに歩道上で自動停止する機能を搭載することを義務付ける新法を全会一致で可決した」との報道。
デンバー市での事故の多くは「歩道における歩行者との衝突」
なお、デンバー市の場合、報告された事故の多くは「電動スクーターが(走行を禁じられている)歩道を走行した結果、歩行者と衝突した」というもので、この現状を重く見た市議会がくだんの「自動停止装置の装着」を義務付けることとなったのだそう。
新ルール1:歩道に入るとスクーターが自動停止
今回の法律で義務化されるのは、スクーターが歩道を走行すると自動で電源カットされる技術の導入です。
デンバー市交通インフラ局(DOTI)はすでに実証実験を開始しており、これはGPSなどの位置情報技術を活用して「走行可能エリア」と「走行禁止エリア」をリアルタイムで判別する仕組みだとみられています。
「この法案は単なるスクーターや自転車の話ではありません。歩行者の命と尊厳を守り、マイクロモビリティに責任ある基準を設けるものです」
──デンバー市議会10区、クリス・ハインズ議員
新ルール2:初回使用には技能テストも必須
さらに、スクーター利用者は初めて乗る前に簡単な操作テストを受けることが義務付けられるそうで、アクセル、ブレーキ、停止、危険回避などの基礎操作が問われると見られ、交通安全教育の一環としての役割も担いますが、この試験を敬遠し、電動スクーターそのものの利用を控える人も出てきそうですね。
2027年からは「放置電動スクーター」も取り締まり対象に
2025年に施行される上記ルールに加え、デンバー市は2027年からは放置駐車対策にも乗り出す予定だとされ、具体的には、指定された駐輪ゾーン以外への駐車を禁止し、すでにユニオンステーション付近などでは試験運用が始まっている、とのこと。
全米でも異例の厳格対応、他都市への波及も?
米国内では、ペンシルベニア州とデラウェア州を除き、ほとんどの州で電動スクーターの使用は合法ですが、州や都市ごとに細かなルールは異なります。
特に歩道走行を明確に規制している州は、コロラド(2026年まで)、ユタ、テキサス、ワシントン、ロードアイランドのみ。
今回のデンバーの対応は、全米でも最も厳格かつ先進的な規制の一つとして注目されており、他都市にも波及する可能性がある、と見る向きもあるようですね。
まとめ:スクーターの“自由”に“責任”を
電動スクーターは、都市部での交通渋滞の解消や環境負荷の低減に貢献する一方、法整備と利用者のモラルが追いつかないと、歩行者や自動車との共存が難しくなる乗り物でもあり、デンバー市の新たな取り組みは、その自由な利便性に「責任」という視点を持ち込む重要なステップだとされ、今後「他の都市がどのように対応するのか」世界的な注目が集まりそう。
できれば日本でもこういった規制を整えてほしいものですが、さらには「逆走」「信号無視」についても厳格に取り締まってほしいと思う今日このごろです(危なっかしくて仕方がない)。
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参照:CARSCOPPS